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7.ドロップアイテム
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「準備できたぞ! あとは任せろ!」
走りながら戦うサリナに声を掛ける。
サリナはミノタウロスの攻撃を防ぐのに必死で返答するのも難しい状況のようだった。
俺が加勢に入ろうとすると、それに気づいたミノタウロスが突然右足を大きく振り回す。
それによって、サリナは吹き飛ばされてしまい、ダンジョンの壁に背中を強打してしまう。
「サリナ!!!」
「大丈夫……私を気にしないでそのまま行って!!!」
壁に強く打ちつけられたことによりフラフラな状態のサリナを心配して足を止めようとしたが、サリナはそれを強く拒み、そのまま行くよう言った。
たしかに今足を止めてしまったら、ミノタウロスを倒すタイミングをもう一度作ることは難しくなるだろう。
自分が負傷したというのに、サリナはこの状況を俺以上に良く見えている。
俺はサリナの言葉に従って、速度を落とすことなくミノタウロスの方へと突っ込む。
「くらええぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!」
『グゥゥォォォァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
ミノタウロスは再び雄たけびを上げ、斧を振り上げながら突進してくる。
だが、俺は絶対に負けるわけにはいかない。
せっかくサリナが時間を作ってくれたのだ。
その時間で魔法の準備もできた。あとはその魔法を使ってこいつを倒すだけだ。
絶対にミスなんてしない!
短剣をミノタウロスが目の前に来た瞬間に振り上げ、魔法を唱えながら振り下ろす。
「【重力】」
俺がそう唱えた瞬間、短剣に重力がが掛かり、急激に重くなる。
ただ短剣を持っているときに使っても短剣が重くなるだけで不便なのだが、敵に向かって振り下ろしながら使うと急激に重くなることで振り下ろす速度が加速するのだ。
俺は自分が出せる精一杯の力と、重力の両方の力を合わせることで強力な一撃をミノタウロスに与える。
俺の短剣はミノタウロスの振り回す斧の速度よりも遥かに早かったため、ミノタウロスは俺に攻撃を当てることができずに俺の一撃を受けた。
その一撃はミノタウロスの脇腹を深く切り裂き、大量の血を流させた。
『ギュゥゥォォオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
ミノタウロスは痛みに苦しみ叫びながらバタリ、とその場に倒れ、光の粒子となり魔石だけを残して消えていった。
喜びたい気持ちでいっぱいだったがそれ以上にサリナのことが心配で走ってサリナのもとまで駆けつける。
「サリナ! 大丈夫か!」
「うん……ミノタウロスは……?」
「ああ、サリナが作った時間のお陰で倒せたぞ。ほら、これを飲んで」
俺は持ってきていたハイポーションというポーションの中でも上位の回復薬をサリナに渡した。
結構値は張ったが、サリナは背中を勢いよく壁に強打したのだ。きっと、大怪我をしている箇所もあるだろう。それなら、俺はこのハイポーションをサリナに使わせることに一切躊躇しない。
だけど、サリナはとても申し訳なさそうな顔でこちらを見ている。
「これって、高いやつだよね……? 本当に良いの?」
「うん、遠慮せずに使っていいよ」
「そっか、ありがとう」
サリナは本当に使っていいのか不安そうにしていたが、俺が承諾すると少し申し訳なさそうな表情は残ったままだったがそのハイポーションを飲んでくれた。
ハイポーションを飲むと、サリナの背中や腕に付いていたミノタウロスの攻撃を受けた時にできた傷は数秒で消えていった。
さすが値が張る回復薬なだけはあるな。ものすごい速度で回復したぞ。
「サリナ、立てるか?」
「うん、この回復薬すごいね。もう全く痛みがないよ」
「それは良かった。それじゃ、魔石を取ってからドロップアイテムを確認しに行こうか」
「うんっ!」
俺とサリナはミノタウロスを倒した場所に落ちた魔石を取り、恐らくドロップアイテムが入っているであろう箱のもとへと行く。
そこに着くと、先ほどまでは閉じていた箱が勝手に開いていた。
「お、さっきまでは閉まってたのに」
「やっぱり、あのミノタウロスを倒すことがこの箱を開ける条件だったみたいね」
「早速、中身を確認してみようか」
「そうだね。なんか緊張してきた」
俺たちは恐る恐る開いている箱の中を確認する。
すると、そこには赤く光り輝く宝石が入っていたのだ。
大変な思いをしたのだから高価な物が入っているだろうとは思っていたが、まさか宝石が入っているとは思いもしなかった。
「まさか宝石が入ってるとは思わなかったな」
「しかもこの宝石、ルビーじゃない?」
「ルビー?」
「そう。よく指輪なんかにも使われたりする宝石だね」
俺は男だからということもあるだろうが、あまり宝石には詳しくなかったがサリナはその宝石がルビーという宝石だとすぐに気づいたようだった。
「ん……?」
よく見ると、ルビーの隣にもう一つ何かが置かれていた。
透明なのになぜか輝いて見える液体が入った小さなビン。
「これって……!」
「ああ、恐らくエリクサーだろうな」
「そんな物が入っているなんて!」
エリクサーというのは、ハイポーションよりもさらに高価なポーションである。
それを飲めばほとんどの怪我が治り、腕を切り落とされたとしても再生するとまで言われている回復薬だ。
「大変な思いをした分、報酬も大きかったな」
「うん、それじゃあ換金して何か食べに行こう!」
「そうだね。でも、念のためにエリクサーだけは換金せずに残しておこう」
ルビーとエリクサーを手に入れた俺たちは来た道を戻りダンジョンを出た。
走りながら戦うサリナに声を掛ける。
サリナはミノタウロスの攻撃を防ぐのに必死で返答するのも難しい状況のようだった。
俺が加勢に入ろうとすると、それに気づいたミノタウロスが突然右足を大きく振り回す。
それによって、サリナは吹き飛ばされてしまい、ダンジョンの壁に背中を強打してしまう。
「サリナ!!!」
「大丈夫……私を気にしないでそのまま行って!!!」
壁に強く打ちつけられたことによりフラフラな状態のサリナを心配して足を止めようとしたが、サリナはそれを強く拒み、そのまま行くよう言った。
たしかに今足を止めてしまったら、ミノタウロスを倒すタイミングをもう一度作ることは難しくなるだろう。
自分が負傷したというのに、サリナはこの状況を俺以上に良く見えている。
俺はサリナの言葉に従って、速度を落とすことなくミノタウロスの方へと突っ込む。
「くらええぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!」
『グゥゥォォォァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
ミノタウロスは再び雄たけびを上げ、斧を振り上げながら突進してくる。
だが、俺は絶対に負けるわけにはいかない。
せっかくサリナが時間を作ってくれたのだ。
その時間で魔法の準備もできた。あとはその魔法を使ってこいつを倒すだけだ。
絶対にミスなんてしない!
短剣をミノタウロスが目の前に来た瞬間に振り上げ、魔法を唱えながら振り下ろす。
「【重力】」
俺がそう唱えた瞬間、短剣に重力がが掛かり、急激に重くなる。
ただ短剣を持っているときに使っても短剣が重くなるだけで不便なのだが、敵に向かって振り下ろしながら使うと急激に重くなることで振り下ろす速度が加速するのだ。
俺は自分が出せる精一杯の力と、重力の両方の力を合わせることで強力な一撃をミノタウロスに与える。
俺の短剣はミノタウロスの振り回す斧の速度よりも遥かに早かったため、ミノタウロスは俺に攻撃を当てることができずに俺の一撃を受けた。
その一撃はミノタウロスの脇腹を深く切り裂き、大量の血を流させた。
『ギュゥゥォォオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
ミノタウロスは痛みに苦しみ叫びながらバタリ、とその場に倒れ、光の粒子となり魔石だけを残して消えていった。
喜びたい気持ちでいっぱいだったがそれ以上にサリナのことが心配で走ってサリナのもとまで駆けつける。
「サリナ! 大丈夫か!」
「うん……ミノタウロスは……?」
「ああ、サリナが作った時間のお陰で倒せたぞ。ほら、これを飲んで」
俺は持ってきていたハイポーションというポーションの中でも上位の回復薬をサリナに渡した。
結構値は張ったが、サリナは背中を勢いよく壁に強打したのだ。きっと、大怪我をしている箇所もあるだろう。それなら、俺はこのハイポーションをサリナに使わせることに一切躊躇しない。
だけど、サリナはとても申し訳なさそうな顔でこちらを見ている。
「これって、高いやつだよね……? 本当に良いの?」
「うん、遠慮せずに使っていいよ」
「そっか、ありがとう」
サリナは本当に使っていいのか不安そうにしていたが、俺が承諾すると少し申し訳なさそうな表情は残ったままだったがそのハイポーションを飲んでくれた。
ハイポーションを飲むと、サリナの背中や腕に付いていたミノタウロスの攻撃を受けた時にできた傷は数秒で消えていった。
さすが値が張る回復薬なだけはあるな。ものすごい速度で回復したぞ。
「サリナ、立てるか?」
「うん、この回復薬すごいね。もう全く痛みがないよ」
「それは良かった。それじゃ、魔石を取ってからドロップアイテムを確認しに行こうか」
「うんっ!」
俺とサリナはミノタウロスを倒した場所に落ちた魔石を取り、恐らくドロップアイテムが入っているであろう箱のもとへと行く。
そこに着くと、先ほどまでは閉じていた箱が勝手に開いていた。
「お、さっきまでは閉まってたのに」
「やっぱり、あのミノタウロスを倒すことがこの箱を開ける条件だったみたいね」
「早速、中身を確認してみようか」
「そうだね。なんか緊張してきた」
俺たちは恐る恐る開いている箱の中を確認する。
すると、そこには赤く光り輝く宝石が入っていたのだ。
大変な思いをしたのだから高価な物が入っているだろうとは思っていたが、まさか宝石が入っているとは思いもしなかった。
「まさか宝石が入ってるとは思わなかったな」
「しかもこの宝石、ルビーじゃない?」
「ルビー?」
「そう。よく指輪なんかにも使われたりする宝石だね」
俺は男だからということもあるだろうが、あまり宝石には詳しくなかったがサリナはその宝石がルビーという宝石だとすぐに気づいたようだった。
「ん……?」
よく見ると、ルビーの隣にもう一つ何かが置かれていた。
透明なのになぜか輝いて見える液体が入った小さなビン。
「これって……!」
「ああ、恐らくエリクサーだろうな」
「そんな物が入っているなんて!」
エリクサーというのは、ハイポーションよりもさらに高価なポーションである。
それを飲めばほとんどの怪我が治り、腕を切り落とされたとしても再生するとまで言われている回復薬だ。
「大変な思いをした分、報酬も大きかったな」
「うん、それじゃあ換金して何か食べに行こう!」
「そうだね。でも、念のためにエリクサーだけは換金せずに残しておこう」
ルビーとエリクサーを手に入れた俺たちは来た道を戻りダンジョンを出た。
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