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妹のオンライン通話の練習につきあっていたら、画面越しにパンツを見てしまった件について
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「ねえ、お兄ちゃん! あのね、授業が一部オンライン授業になったんだよ」
学校から帰ってきた中学生の妹がそう言ってきた。
今の状況だとそうなるのも仕方がない。
「目疲れ過ぎないようにたまに休めて頑張れよ」
僕が言うと、
「がんばるよ。でもね、その前にオンライン授業の練習をしたいなって思って。早速英語の先生と英会話があってビデオ通話しなきゃいけないの」
「おお、そうなのか」
僕は高校の授業でビデオ通話を使ったことがあるので、練習につきあってあげられるかもしれない。
「練習するか?」
「したいよー、じゃあお兄ちゃんの部屋と私の部屋で会話しよう」
「わかった」
僕は自分の部屋に行き、妹は妹の部屋に行った。
パソコンを起動させてソフトを開き、ミーティングを設定した。
あ、パスワードとかを妹に教えないとな。
僕は妹のスマホにパスワードとかを送った。
妹からおっけースタンプが届いた。
よし、じゃあ練習してみるか。
早速ミーティングを立ち上げてみる。
妹が入ってくるのをしばらく待っていると、
「お、きたきた」
『あー! お兄ちゃんが見える!』
妹がにこにこして手を振ってきた。
『すごいね! あ、私のことは見えるの?』
妹がすごく無邪気に訊いてくるので、僕は少しいたずらをしたくなってしまった。
「あれ、あんまり見えないな……」
『え、そうなの? なんで? 私はお兄ちゃん見えるよ』
「うーん。なんでだろう」
僕が首をひねって不思議がるポーズをすると、妹が画面の向こうで身を乗り出して言った。
『お兄ちゃん、本当に見えてない? 私をからかおうとしてるんじゃなくて?』
「あ、見えないなー、うーん、ちょっと調子が悪いのかもしれないな」
『ほんと? もしそれ私をからかうための嘘だったら私三日間お兄ちゃんと口きいてあげないからね!』
それはまずい。どうしよう。僕が黙り込んでると、
『あれ、ほんとに見えてないのかな……てことはあれか、お兄ちゃんに見られてるように見えてるのに、ここでパンツ見せても大丈夫ってことかー! それはそれで面白いねー!』
「え、あ?」
パンツ?
僕が困惑したまま画面を見ていると、妹が立ち上がって制服のスカートを……。
「ちょっと待て」
『え、どーしたの? 私見えてないんでしょ? 私今何してるでしょう?』
スカートをあげてパンツを見せようとしてますね。
『正解はパンツを見せちゃってるでしたー!』
妹は元気にスカートをあげた。制服と一緒に画面に映る妹の太ももとピンク色のパン……
僕は横を向いた。
『あれ、なんでお兄ちゃん横向いてるの? 見えてないんでしょ? どうしたの?』
「あ、見えないなー、あ、でもほら、いつ調子が良くなって見えるようになるかわからないからさ、その時に見ちゃわないようにしないとダメじゃん」
『あ、確かにそうだねー』
妹はスカートを下ろした。
「……あ、見えるようになった」
『え、ちょうど今? なんかタイミング良すぎない?』
「えーと、まあそういう時もあるんじゃないかな」
『お兄ちゃん! やっぱり嘘だったでしょ! てことは私をからかって、しかもパンツも見たってことでしょお兄ちゃん!』
やばいバレた。
しょうがない。
必殺ミュート&ビデオオフ!
ふー。
僕が息を吐いていると、僕の部屋の扉がでかい音で開いた。
そうだった! オンラインで会話してたけど、すぐ隣の部屋にいるんだった。
超激おこの妹がいた。
「お兄ちゃんの変態! やってることが幼稚! ばか!」
それだけ言って、部屋を出て行ってしまった。
あーあ、やらかしてしまった。
まあこれは僕が反省だな。
結局、夕飯の時に謝ったら、妹は元どおりになって、口をきいてくれない期間が三日間なんてことはなく済んだ。
オンライン通話の練習自体はできたわけだし、まあよかったね。
学校から帰ってきた中学生の妹がそう言ってきた。
今の状況だとそうなるのも仕方がない。
「目疲れ過ぎないようにたまに休めて頑張れよ」
僕が言うと、
「がんばるよ。でもね、その前にオンライン授業の練習をしたいなって思って。早速英語の先生と英会話があってビデオ通話しなきゃいけないの」
「おお、そうなのか」
僕は高校の授業でビデオ通話を使ったことがあるので、練習につきあってあげられるかもしれない。
「練習するか?」
「したいよー、じゃあお兄ちゃんの部屋と私の部屋で会話しよう」
「わかった」
僕は自分の部屋に行き、妹は妹の部屋に行った。
パソコンを起動させてソフトを開き、ミーティングを設定した。
あ、パスワードとかを妹に教えないとな。
僕は妹のスマホにパスワードとかを送った。
妹からおっけースタンプが届いた。
よし、じゃあ練習してみるか。
早速ミーティングを立ち上げてみる。
妹が入ってくるのをしばらく待っていると、
「お、きたきた」
『あー! お兄ちゃんが見える!』
妹がにこにこして手を振ってきた。
『すごいね! あ、私のことは見えるの?』
妹がすごく無邪気に訊いてくるので、僕は少しいたずらをしたくなってしまった。
「あれ、あんまり見えないな……」
『え、そうなの? なんで? 私はお兄ちゃん見えるよ』
「うーん。なんでだろう」
僕が首をひねって不思議がるポーズをすると、妹が画面の向こうで身を乗り出して言った。
『お兄ちゃん、本当に見えてない? 私をからかおうとしてるんじゃなくて?』
「あ、見えないなー、うーん、ちょっと調子が悪いのかもしれないな」
『ほんと? もしそれ私をからかうための嘘だったら私三日間お兄ちゃんと口きいてあげないからね!』
それはまずい。どうしよう。僕が黙り込んでると、
『あれ、ほんとに見えてないのかな……てことはあれか、お兄ちゃんに見られてるように見えてるのに、ここでパンツ見せても大丈夫ってことかー! それはそれで面白いねー!』
「え、あ?」
パンツ?
僕が困惑したまま画面を見ていると、妹が立ち上がって制服のスカートを……。
「ちょっと待て」
『え、どーしたの? 私見えてないんでしょ? 私今何してるでしょう?』
スカートをあげてパンツを見せようとしてますね。
『正解はパンツを見せちゃってるでしたー!』
妹は元気にスカートをあげた。制服と一緒に画面に映る妹の太ももとピンク色のパン……
僕は横を向いた。
『あれ、なんでお兄ちゃん横向いてるの? 見えてないんでしょ? どうしたの?』
「あ、見えないなー、あ、でもほら、いつ調子が良くなって見えるようになるかわからないからさ、その時に見ちゃわないようにしないとダメじゃん」
『あ、確かにそうだねー』
妹はスカートを下ろした。
「……あ、見えるようになった」
『え、ちょうど今? なんかタイミング良すぎない?』
「えーと、まあそういう時もあるんじゃないかな」
『お兄ちゃん! やっぱり嘘だったでしょ! てことは私をからかって、しかもパンツも見たってことでしょお兄ちゃん!』
やばいバレた。
しょうがない。
必殺ミュート&ビデオオフ!
ふー。
僕が息を吐いていると、僕の部屋の扉がでかい音で開いた。
そうだった! オンラインで会話してたけど、すぐ隣の部屋にいるんだった。
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それだけ言って、部屋を出て行ってしまった。
あーあ、やらかしてしまった。
まあこれは僕が反省だな。
結局、夕飯の時に謝ったら、妹は元どおりになって、口をきいてくれない期間が三日間なんてことはなく済んだ。
オンライン通話の練習自体はできたわけだし、まあよかったね。
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