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学級委員をしっかりやってるらしい妹(JS)が、家でぐちるので僕は聞いてあげる
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「はああ……疲れたよただいまお兄ちゃん」
今日は部活がなかったので、早めに家に帰って夕ご飯の準備をしていると、妹がふらふらとした謎の関数を描きながら帰ってきた。
「お、おかえり」
僕が言うと、妹はソファにランドセルを下ろして、そのまま寝っ転がった。
「めっちゃ疲れてるな」
「そりゃあそうだよお兄ちゃん!」
「そりゃあそうって言われても、僕は何があったか知らないけど」
「うー! じゃあ話すよひどいんだよ! 今日ね! 私が他の人よりいっぱい仕事しなきゃいけなかったの!」
「おお、それは辛そうだな」
妹は仕事を押し付けられてしまったか。妹はこんなんでも学級委員をやってるから、まあ色々やらなきゃいけないこともあったりするんだろう。がんばれ。
「なんでかっていうとね、お兄ちゃんわかる?」
「学級委員だからじゃないのか」
「そうなの! 私学級委員だからね、みんなに分けて余った仕事はじゃんけんでやるってルールを私が作ったよ」
「そうか」
「でね、みんなでじゃんけんトーナメントしたらね、私がビリになったの!」
「そうなのかよ! それしょうがなくね?」
「しょうがなくない! だって私これで三回目だよ」
三回もじゃんけんクラスでビリになったのかよすごいな。
「かわいそうだからじゃんけんの特訓してあげるよ」
「そんなのいらない。じゃんけんなんて運だよ」
「そうだなあ」
「だからその代わり疲れを癒す肩もみでもしてよ」
「うわ、えらそう……」
「お願いします……」
「はいはい」
僕はマッサージをしてあげるためにソファに行った。
小5なのに甘えん坊な妹だなあ。でも学校で頑張ってるから家ではそうしてるのかもしれない。
学校に行けば、妹の成長が見られるかもしれないよな。
「そういや、学芸会ってもうすぐだったよね?」
僕は妹の肩を揉みながら訊いた。
小5のくせにちょっと大人っぽく目を閉じていた妹は、幼い目を開いて僕を見上げた。
「な、なに、小学生の行事に興味あんの? ロリコン?」
「ちげえよ」
あー、でも妹の成長ぶりを見たいのはシスコンかもしれない。
うん。妹の別の一面を見るのはまたいつかにしよう。
僕はそう決めて、再びがんばりやの妹の肩を揉みはじめた。
今日は部活がなかったので、早めに家に帰って夕ご飯の準備をしていると、妹がふらふらとした謎の関数を描きながら帰ってきた。
「お、おかえり」
僕が言うと、妹はソファにランドセルを下ろして、そのまま寝っ転がった。
「めっちゃ疲れてるな」
「そりゃあそうだよお兄ちゃん!」
「そりゃあそうって言われても、僕は何があったか知らないけど」
「うー! じゃあ話すよひどいんだよ! 今日ね! 私が他の人よりいっぱい仕事しなきゃいけなかったの!」
「おお、それは辛そうだな」
妹は仕事を押し付けられてしまったか。妹はこんなんでも学級委員をやってるから、まあ色々やらなきゃいけないこともあったりするんだろう。がんばれ。
「なんでかっていうとね、お兄ちゃんわかる?」
「学級委員だからじゃないのか」
「そうなの! 私学級委員だからね、みんなに分けて余った仕事はじゃんけんでやるってルールを私が作ったよ」
「そうか」
「でね、みんなでじゃんけんトーナメントしたらね、私がビリになったの!」
「そうなのかよ! それしょうがなくね?」
「しょうがなくない! だって私これで三回目だよ」
三回もじゃんけんクラスでビリになったのかよすごいな。
「かわいそうだからじゃんけんの特訓してあげるよ」
「そんなのいらない。じゃんけんなんて運だよ」
「そうだなあ」
「だからその代わり疲れを癒す肩もみでもしてよ」
「うわ、えらそう……」
「お願いします……」
「はいはい」
僕はマッサージをしてあげるためにソファに行った。
小5なのに甘えん坊な妹だなあ。でも学校で頑張ってるから家ではそうしてるのかもしれない。
学校に行けば、妹の成長が見られるかもしれないよな。
「そういや、学芸会ってもうすぐだったよね?」
僕は妹の肩を揉みながら訊いた。
小5のくせにちょっと大人っぽく目を閉じていた妹は、幼い目を開いて僕を見上げた。
「な、なに、小学生の行事に興味あんの? ロリコン?」
「ちげえよ」
あー、でも妹の成長ぶりを見たいのはシスコンかもしれない。
うん。妹の別の一面を見るのはまたいつかにしよう。
僕はそう決めて、再びがんばりやの妹の肩を揉みはじめた。
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