3 / 22
1章
写真をとってる
しおりを挟む
実来ちゃんと来たのは、この辺で一番大きな公園。川が公園の中を流れていて、大きな広場がある。そこでわたしと実来ちゃんは、バドミントンをするつもり。
今日は風がほとんど吹いていなくて、バドミントンがやりやすそうだ。
風が強い時なんか、全然思った所に打てないし、羽根は何度も川に落ちる。
「よし、いっくよーっ」
実来ちゃんが思いっきり打とうとして、ぶんってからぶった。いまのは風関係ないね。
「気を取り直して」
実来ちゃんがもう一回打った。今度はちゃんと飛んだ。わたしは打ち返す。
高く羽根が飛んだ。このままずっと実来ちゃんと打っていれば、どんどん高くなりそう。でもそんなことはない。それは今まで生きてきて、わかっている。
二十分ほど打ち合っていると、疲れてきた。
そのまま原っぱに座る。
体育の時に地面に座るのはだるいなって思うけど、こういう広場で座ると、ピクニックみたいでいいなって思うのはなんでなんだろう。
「ねえ、アイス買いに行かない?」
「いいよ」
「お金持ってきた?」
「うん。アイスなら足りる」
日に日に暑くなってる時期だから、ひとことアイスって言葉が出たらもうアイスを食べるしかない。ソーダ味がいいな。
わたしと実来ちゃんは、公園の近くの売店に行った。
売店は昔ながらの雰囲気。といってもわたしは最近生まれたから、そんな昔がどうか知らないけど。でもなんか古そうな雰囲気だから。
「はいいらっしゃい」
店員さんはおばあちゃんとかおじいちゃんとかじゃなくて、大学生くらいの人。いつもこの人だ。
冷凍庫を開けてアイスを取る。実来ちゃんもソーダ味だった。
「はい二人で100円ね」
五十円玉が二つ並ぶ。
安い。でもおいしい。
二人でアイスを売店の前のいすで食べる。
これが夏かあ。そのままカレンダーにもなりそうな光景。
「ねえ、そういえば」
アイスが半分くらいなくなって、棒が一部出てきてる実来ちゃんが、きいてきた。
「うん」
「陽飛くんってどういう人なの?」
「え」
「あ、ほら今隣の席だし、なんかちょっと独特だから、どんな人なのかなあって」
「なるほど。今日はね、まじめだった」
「今日は? ああ、確かに昨日は二人で先生から怒られてたもんね」
「そ、それはねなんか陽飛がやろうっていうから」
「付き合ってあげたのか、優しいね」
「まーね。ってあれ?」
「どうした?」
「あ。話してたら、ちょうど」
そう、陽飛が歩いてきた。放課後に陽飛を見たのは初めてだ。
ていうか……なんかカメラを首からさげてる。
ポーズだけ見たら、運動会の時頑張って写真を撮るお父さん。もちろんそれよりは若々しいけどね。
「あれ、こんなところに」
陽飛がこっちに気づいた。
「陽飛、何しに来たの?」
わたしが聞くと、陽飛は
「ちょっと買い物に」
と答えて、売店の中に入っていった。
陽飛もアイスかな。
とか考えつつ、店の中を覗いてみると、なにか店員さんと話してる。
「何話してるんだろうね」
「わかんないね」
陽飛と話しててもわからないこともあるのだ。
ほかの人と話している様子だけ見ても、何もわからない。
やがて陽飛はなにかを買って、店を出てきた。
袋に入れずそのまま持ってるのは……紙の束?
「それ……何枚くらい?」
わたしが尋ねると、
「400枚くらい」
って返ってきた。え、400枚? 小さいサイズの紙だけど、400枚も?
どうりで日直の時に運ぶ、クラス全員分のプリントよりも分厚いと思ったよ。
陽飛はそれをカバンにしまい、公園のほうに歩きだした。
わたしと実来ちゃんはそれを見送った。
「やっぱり不思議な人だね。アイスがあんなにあるのに、紙の束だけ買っていくなんて」
「ね」
近距離のバトミントンの打ち合いよりも早く、わたしは同意の言葉を返す。
ほんとに不思議。
だけどなんか、気になる不思議さなんだよね。
アイスを食べ終わったわたしと実来ちゃんは、川に行ってみることにした。川に入ってのんびりしてると、とても冷たくて休まるのだ。
おばあちゃんの家の近くの川のほうが冷たいことをわたしは知ってるけど、でもまだこれくらいの暑くなり始めなら、うちの近くの川でも十分。
ていうことで、川についたら……陽飛がいた。なんかアヒルがいたみたいなノリで言っちゃってるけど、実際いた。
カメラを構えてた。
写真が趣味なの……? このあたりで写真を撮ってる人って、すごそうなお年寄りの人たちか、電車の写真を撮ってる人たちくらいなのに。
小学生写真家かなにかなのかな。
実来ちゃんも、もちろん陽飛には気づいていたけど、なんか陽飛がすごく集中してるので、わたしも実来ちゃんも声はかけなかった。
靴下を脱いで川辺に座り、足だけ川につける。やっぱり冷たい。周りを見渡すと、建物とちょっと顔を出している山。この辺がちょうど都会と田舎の間くらいなのがわかる。
そのまま実来ちゃんとしゃべったり、スマホでゲームしたりしていると、ふと、目の前をまぶしい何かが通った。
青い。
青くて、まぶしくて、速い。
てかてかした新幹線が通ったような感覚に近いけど、それよりは何百分の一と小さい。
「いまの……カワセミじゃない?」
「カワセミ? あっ、あのきれいな鳥の」
「そう」
飛んで行った方向に目をやると……いた。
ちいさくてちょこんと止まってるけど、くちばしは立派。枝の先の方の細いところに止まっている。
そして……そのカワセミに、陽飛はカメラを向けていた。
ちょっと離れたところにいても、陽飛が真剣な顔なのがわかる。横顔がまた、凛々しいモードだった。いつもこれだったら割とイケメンなのに。
「梨月ちゃん……もしかして、陽飛くんのことかっこいいなあって思ってる?」
「え? なんで?」
「いやだって、カワセミじゃなくて、写真撮ってる陽飛くん見てるし」
「いや違うもん。そんなねえ、だって変わり者だし」
「そっかあ」
わたしはあんとなくあわててカワセミを見つめた。カワセミは水面を見つめていた。
なかなか飛ばないな。魚が捕まえやすい位置に来るのを待っているのか。
とおもったら、あっ。また飛んで行った。川の下流の方。水の流れよりも早く、去って行ってしまった。
ふと陽飛を見ると、撮れた写真を確認しているみたいだった。
カワセミ撮れてるのかな。
「陽飛くんに話しかけてくれば?」
「え」
実来ちゃんにそう言われて実来ちゃんのほうを見たら、あ! にやっとしたにやっと。なにそのほほえみは。
なんか変な勘違いするなら、杏菜ちゃんと実来ちゃんを「すぐ勘違いしちゃう組」に入れるから。今作ったけど。
でも……逆にここで「いや話しかけないっ」とか言ったら、逆にすごく意識してるって思われるし、話しかけにはいこうかな。
わたしは立ち上がった。
実来ちゃんは……立ちません! 空気読める女の子感出さなくていいから。待ってるのはいいけど、何か本でも読んで待ってて。ていうか……ほんとに別に好きじゃないし、陽飛のこと。今のところは。
「陽飛、写真撮れた?」
わたしはちょこまか陽飛に近づいて、声をかけた。
「撮れた。ほら」
「え、すごいカワセミじゃん」
「すごいカワセミというか、カワセミが撮れたな」
「すごく綺麗に写ってるってこと!」
「ああ、確かにおれの中ではとてもよく撮れた写真だ」
「写真、好きなんだ」
「まあ……なんというか、まあそうだな」
陽飛はうなずいた。
だけど、どうして写真をそんなに真剣に撮ってるのかは、わからない。ほんとに好きなだけ?
もっと突っ込んで聞こうかと思ったけど、やめておいた。
でも写真が好きなんなら……
「写真係、立候補すればよかったのに」
クラスには写真係っていうのがあって、それをやると行事とかで写真を撮る仕事を任される。
例えば明日は球技大会だけど、そういう時に撮るのだ。
陽飛、確か美化係とかやってて、ちょっとめんどくさそうに掃除してたのを前見かけたから、それだったら、写真係やればよかったのにって。
でも陽飛は
「うーん、それはあんまり意味ないかもな」
というのだ。
なんかまたまた不思議って感じなんだけど、でもあの真剣な陽飛の横顔は、絶対本物だったと思うんだ。
それから実来ちゃんとのんびり遊んで、そして五時半くらいに別れて家に帰ってくると、お姉ちゃんが話しかけてきた。
「梨月~はい、これ」
「これは? 今度の……演奏会のチケット?」
「そう。わたしいつものごとくバイオリンやるから、よかったら見に来て」
「うん」
お姉ちゃんは相変わらずすごい。いつの間に演奏会の練習してたんだろう。バレーボールの練習で忙しいはずなのに。
ちなみにわたしはバイオリンもやめてしまった。あーあ。わたしってなにも続かないんだよね。
でもそんなわたしだからこそ、ちゃんとお姉ちゃんを応援しなきゃなって思うから、わたしはチケットをありがたく受け取った。
今日は風がほとんど吹いていなくて、バドミントンがやりやすそうだ。
風が強い時なんか、全然思った所に打てないし、羽根は何度も川に落ちる。
「よし、いっくよーっ」
実来ちゃんが思いっきり打とうとして、ぶんってからぶった。いまのは風関係ないね。
「気を取り直して」
実来ちゃんがもう一回打った。今度はちゃんと飛んだ。わたしは打ち返す。
高く羽根が飛んだ。このままずっと実来ちゃんと打っていれば、どんどん高くなりそう。でもそんなことはない。それは今まで生きてきて、わかっている。
二十分ほど打ち合っていると、疲れてきた。
そのまま原っぱに座る。
体育の時に地面に座るのはだるいなって思うけど、こういう広場で座ると、ピクニックみたいでいいなって思うのはなんでなんだろう。
「ねえ、アイス買いに行かない?」
「いいよ」
「お金持ってきた?」
「うん。アイスなら足りる」
日に日に暑くなってる時期だから、ひとことアイスって言葉が出たらもうアイスを食べるしかない。ソーダ味がいいな。
わたしと実来ちゃんは、公園の近くの売店に行った。
売店は昔ながらの雰囲気。といってもわたしは最近生まれたから、そんな昔がどうか知らないけど。でもなんか古そうな雰囲気だから。
「はいいらっしゃい」
店員さんはおばあちゃんとかおじいちゃんとかじゃなくて、大学生くらいの人。いつもこの人だ。
冷凍庫を開けてアイスを取る。実来ちゃんもソーダ味だった。
「はい二人で100円ね」
五十円玉が二つ並ぶ。
安い。でもおいしい。
二人でアイスを売店の前のいすで食べる。
これが夏かあ。そのままカレンダーにもなりそうな光景。
「ねえ、そういえば」
アイスが半分くらいなくなって、棒が一部出てきてる実来ちゃんが、きいてきた。
「うん」
「陽飛くんってどういう人なの?」
「え」
「あ、ほら今隣の席だし、なんかちょっと独特だから、どんな人なのかなあって」
「なるほど。今日はね、まじめだった」
「今日は? ああ、確かに昨日は二人で先生から怒られてたもんね」
「そ、それはねなんか陽飛がやろうっていうから」
「付き合ってあげたのか、優しいね」
「まーね。ってあれ?」
「どうした?」
「あ。話してたら、ちょうど」
そう、陽飛が歩いてきた。放課後に陽飛を見たのは初めてだ。
ていうか……なんかカメラを首からさげてる。
ポーズだけ見たら、運動会の時頑張って写真を撮るお父さん。もちろんそれよりは若々しいけどね。
「あれ、こんなところに」
陽飛がこっちに気づいた。
「陽飛、何しに来たの?」
わたしが聞くと、陽飛は
「ちょっと買い物に」
と答えて、売店の中に入っていった。
陽飛もアイスかな。
とか考えつつ、店の中を覗いてみると、なにか店員さんと話してる。
「何話してるんだろうね」
「わかんないね」
陽飛と話しててもわからないこともあるのだ。
ほかの人と話している様子だけ見ても、何もわからない。
やがて陽飛はなにかを買って、店を出てきた。
袋に入れずそのまま持ってるのは……紙の束?
「それ……何枚くらい?」
わたしが尋ねると、
「400枚くらい」
って返ってきた。え、400枚? 小さいサイズの紙だけど、400枚も?
どうりで日直の時に運ぶ、クラス全員分のプリントよりも分厚いと思ったよ。
陽飛はそれをカバンにしまい、公園のほうに歩きだした。
わたしと実来ちゃんはそれを見送った。
「やっぱり不思議な人だね。アイスがあんなにあるのに、紙の束だけ買っていくなんて」
「ね」
近距離のバトミントンの打ち合いよりも早く、わたしは同意の言葉を返す。
ほんとに不思議。
だけどなんか、気になる不思議さなんだよね。
アイスを食べ終わったわたしと実来ちゃんは、川に行ってみることにした。川に入ってのんびりしてると、とても冷たくて休まるのだ。
おばあちゃんの家の近くの川のほうが冷たいことをわたしは知ってるけど、でもまだこれくらいの暑くなり始めなら、うちの近くの川でも十分。
ていうことで、川についたら……陽飛がいた。なんかアヒルがいたみたいなノリで言っちゃってるけど、実際いた。
カメラを構えてた。
写真が趣味なの……? このあたりで写真を撮ってる人って、すごそうなお年寄りの人たちか、電車の写真を撮ってる人たちくらいなのに。
小学生写真家かなにかなのかな。
実来ちゃんも、もちろん陽飛には気づいていたけど、なんか陽飛がすごく集中してるので、わたしも実来ちゃんも声はかけなかった。
靴下を脱いで川辺に座り、足だけ川につける。やっぱり冷たい。周りを見渡すと、建物とちょっと顔を出している山。この辺がちょうど都会と田舎の間くらいなのがわかる。
そのまま実来ちゃんとしゃべったり、スマホでゲームしたりしていると、ふと、目の前をまぶしい何かが通った。
青い。
青くて、まぶしくて、速い。
てかてかした新幹線が通ったような感覚に近いけど、それよりは何百分の一と小さい。
「いまの……カワセミじゃない?」
「カワセミ? あっ、あのきれいな鳥の」
「そう」
飛んで行った方向に目をやると……いた。
ちいさくてちょこんと止まってるけど、くちばしは立派。枝の先の方の細いところに止まっている。
そして……そのカワセミに、陽飛はカメラを向けていた。
ちょっと離れたところにいても、陽飛が真剣な顔なのがわかる。横顔がまた、凛々しいモードだった。いつもこれだったら割とイケメンなのに。
「梨月ちゃん……もしかして、陽飛くんのことかっこいいなあって思ってる?」
「え? なんで?」
「いやだって、カワセミじゃなくて、写真撮ってる陽飛くん見てるし」
「いや違うもん。そんなねえ、だって変わり者だし」
「そっかあ」
わたしはあんとなくあわててカワセミを見つめた。カワセミは水面を見つめていた。
なかなか飛ばないな。魚が捕まえやすい位置に来るのを待っているのか。
とおもったら、あっ。また飛んで行った。川の下流の方。水の流れよりも早く、去って行ってしまった。
ふと陽飛を見ると、撮れた写真を確認しているみたいだった。
カワセミ撮れてるのかな。
「陽飛くんに話しかけてくれば?」
「え」
実来ちゃんにそう言われて実来ちゃんのほうを見たら、あ! にやっとしたにやっと。なにそのほほえみは。
なんか変な勘違いするなら、杏菜ちゃんと実来ちゃんを「すぐ勘違いしちゃう組」に入れるから。今作ったけど。
でも……逆にここで「いや話しかけないっ」とか言ったら、逆にすごく意識してるって思われるし、話しかけにはいこうかな。
わたしは立ち上がった。
実来ちゃんは……立ちません! 空気読める女の子感出さなくていいから。待ってるのはいいけど、何か本でも読んで待ってて。ていうか……ほんとに別に好きじゃないし、陽飛のこと。今のところは。
「陽飛、写真撮れた?」
わたしはちょこまか陽飛に近づいて、声をかけた。
「撮れた。ほら」
「え、すごいカワセミじゃん」
「すごいカワセミというか、カワセミが撮れたな」
「すごく綺麗に写ってるってこと!」
「ああ、確かにおれの中ではとてもよく撮れた写真だ」
「写真、好きなんだ」
「まあ……なんというか、まあそうだな」
陽飛はうなずいた。
だけど、どうして写真をそんなに真剣に撮ってるのかは、わからない。ほんとに好きなだけ?
もっと突っ込んで聞こうかと思ったけど、やめておいた。
でも写真が好きなんなら……
「写真係、立候補すればよかったのに」
クラスには写真係っていうのがあって、それをやると行事とかで写真を撮る仕事を任される。
例えば明日は球技大会だけど、そういう時に撮るのだ。
陽飛、確か美化係とかやってて、ちょっとめんどくさそうに掃除してたのを前見かけたから、それだったら、写真係やればよかったのにって。
でも陽飛は
「うーん、それはあんまり意味ないかもな」
というのだ。
なんかまたまた不思議って感じなんだけど、でもあの真剣な陽飛の横顔は、絶対本物だったと思うんだ。
それから実来ちゃんとのんびり遊んで、そして五時半くらいに別れて家に帰ってくると、お姉ちゃんが話しかけてきた。
「梨月~はい、これ」
「これは? 今度の……演奏会のチケット?」
「そう。わたしいつものごとくバイオリンやるから、よかったら見に来て」
「うん」
お姉ちゃんは相変わらずすごい。いつの間に演奏会の練習してたんだろう。バレーボールの練習で忙しいはずなのに。
ちなみにわたしはバイオリンもやめてしまった。あーあ。わたしってなにも続かないんだよね。
でもそんなわたしだからこそ、ちゃんとお姉ちゃんを応援しなきゃなって思うから、わたしはチケットをありがたく受け取った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる