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File2 消えた花事件
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ピンク色が美しかった桜の木も、その装いを緑に変えるころ、俺はいつもの通り、家路につこうとしていた。
「博人」
「なんだ、駿之介か」
「なんだとはなんだ。数少ないお前の友達がお前に声をかけてやってるんだろうが」
「少なくて悪かったな」
「ところでお前、ミステリー同好会に入ったんだってな。まさかあの博人がな」
「名前を置いているだけだ。入部してから今日まで活動には顔を出していない」
「いや、
「入部をしようとしたことだけでも驚きだ」
「そうか」
「なんだ、これ」
―――――――
園芸部より学校でとれた花の種をプレゼント。何の花が咲くかは咲いてからのお楽しみ。
早いもの順なのでおとり忘れなく。
―――――――
「この学校の園芸部って結構しっかり活動してるんだな」
「みたいだな」
「戸田さん、待って、戸田さんってば」
「おい博人、後ろから黒髪に探偵帽を乗せた女の子がお前を呼びながら走ってきてるんだが」
俺は直感した、面倒事に巻き込まれると。
「戸田さん、やっと捕まえました!」
「なんだ鹿野。厄介ごとならごめんだ、あと俺は名前だけの部員だから活動には参加せん」
「だめです!部員である以上、活動すべきことがある限り参加してもらいます」
「なんだか、俺、邪魔そうだな。まぁ、せいぜい頑張ってくれ博人くん」
「駿之介、覚えてろよ」
「お手柔らかに」
「さぁ、戸田さん、部室へレッツゴーです」
「いぇーい」
―――――――
部室へ行くと、どうやら先客がいたらしく、一人椅子に腰かけ座っていた。
部員、だよな?
「なぁ、鹿野。この人は部員か?」
「何言ってるんですか、戸田さん。我がミステリー同好会の部員は2人です!」
「まさか…」
「私と戸田さんです」
「はぁ」
「さて、戸田さんが来たことですし、小郡さん、事件の概要を説明してください」
「はいよ、まず私は1-D小郡 真奈美ね。ミステリー同好会って、生徒の身の回りで起きた事件を解決してくれるって聞いたから来たんだけど」
「その通りです」
どの口が言う。この間の事件、全く分かってなかったじゃないか。
「それは助かるわ。じゃあ早速、今回の事件は私たちの花の捜索よ」
「花の捜索ですか?」
「えぇ、昨日クラスで植えた花が朝には消えていたの。それもきれいさっぱりね」
「何本くらい植えたんですか?」
「えぇ―と確か、クラス35人が一人2本ずつだったから70本くらい?」
「それがそれが一晩で消えたっていうのか」
「そうよ、本当に不思議な事件でしょう。クラスでも流石に頭にきててね。だからお願い、消えた花を見つけ出してほしいの」
「分かりました!この長田浜高校ミステリー同好会にお任せを!」
「ありがとう、じゃあ何かわかったら教えてね。じゃあ、ばい」(ガラガラピシャ
なんだかせわしい奴だった。
「お任せをって言ったって、目星はついてるのか?」
「いいえ全くです」
「だろうな」
「戸田さんは?」
「たったあれだけじゃ分からん」
「ですよね…」
「あぁ、もうなんでこう厄介ごとが続くかな…。早く帰りたいのに」
「戸田さん、現場検証に行きましょう!」
「現場検証?」
「はい、捜査は足でと言いませんか?」
「言うな」
「早速行きましょう」
―――――ー
またまた俺は半ば強引に鹿野に連れられ、教室棟別館の花壇にやってきた。
「にしてもここ、風通しがいいな」
「日陰ですもんね。この季節の風はほんのり冷たくて気持ちいです」
「確かにごっそりやられてるな」
「やられてますね。でも、手荒な犯行というわけではなく、どちらかというと几帳面な気もします」
「確かにな。土が花壇からあふれ出てるって事はないし、穴もきちんと戻してある」
「犯人の性格は几帳面という事でしょうか」
「どうだかな」
その時、ひときわ強い風がふき、散った桜の花びらと、鹿野のスカートがほぼ同時に目の前を舞った。
それはまるで美しい桜吹雪の様だった。
「戸田さん」
「なんだ」
「見ました?」
「何をだ」
「…。いや、見てないんならいいんです」
「そうか」
「とりあえず、部室に戻りましょう!」
「お、おう…」
―――――ー
「さて、状況を整理しましょうか」
「この赤丸がさっき俺たちが行った花壇だ」
「はい、それの拡大した図がこれですよね」
「1-Dから一番近い花壇があれだったから、クラスであそこに花を植えた。全く持って普通の考えだろう」
「ですね。わたしでも、教室から一番近いところに空き花壇があったらお花を植えたくなりますもん」
「花好きなのか?」
「はい、大好きですよ。お日様の下で、花がいっぱい咲き誇ってる風景が特に好きです」
「なるほどな」
「…!何かわかったんですか?」
「いや、なにも」
「なんなんですか!」
「と言われてもな…」
「戸田さん、なんだか薄暗くなってきましたね」
「夕方だからな。鹿野、すまないが電気付けてくれ」
「はい、了解です」
どうして花は一晩にして消えることができたのか。歩いて逃げたのか?
そんなバカげた話はないだろうが、犯人の動機も全く読めない。
「今思えばあそこかなり寒かったですね。日あたりが悪かったからでしょうか」
「教室棟・別館の壁がちょうど陰になってたな。確かに寒かった」
「どうして犯人は花壇の花を根こそぎ持って行ったんでしょうか」
「お前なら、なんで花を根こそぎ持って行こうと思う?」
「そうですね…。綺麗だったから?」
「ほかには」
「他にですか…、お花さんが寒そうな思いをしてたから助けてあげたくて。なんてのはどうでしょう」
「どういう動機だよ。花に寒さは関係ないだろうが」
「ふふ、確かにそうですね。今のは忘れてください」
「あぁ、無駄な…」
無駄…か?なんだか、この事件のピースが組みたたってきた気がする。
「なぁ、鹿野。あの花壇、この学校の敷地で言えばどこにある」
「中央ですね」
「あぁ…。質問を変える、敷地を方位で見た時、どの方位が適当だ」
「北ですか?」
「あぁ、その通りだ」
「それと今回との事件、何か関係があるんですか?」
「太陽はどう動くって習った?」
「東から昇って、南を通って、西に沈みますね」
「じゃあ陰は」
「影ですか?えぇーと、影は西、北、東の順でしょうか」
「あぁ、あってる。だから、あそこの花壇は植物の生活環境としてはあまり適してないんだ」
「つまり?」
「一日中日陰であるあそこは、光が当たらない。日光を生命源とする植物にとって死活問題だ」
「確かに、日当たりが悪いところにはあまり植物はないですもんね」
「これが犯人の動機だろう」
「じゃあ犯人は?」
「この学校でこんなことができる者は限られてくる」
「園芸ができる人って事ですよね」
「そうだ。犯人はかなり園芸に精通している人物だろうな」
「だったら、犯人は…誰ですか?」
「ここまで行ってもダメか。園芸部だよ」
「園芸部がですか!どうしてこんなことを」
「花が好きだから、花を枯れさせたくなくて、だろうな」
「あんな日陰に花を植えていたらいつか枯れてしまうから、という事ですか」
「そういう事だ。園芸部が犯人の理由はまだある」
「と言いますと?」
「鹿野は昇降口にあった種見たか?」
「はい、これですよね」
「なんだ、貰ってたのか。きっと園芸部はその花を育てていて、種を付けたから、種をもらってくれる人に配ってたんだよな」
「そうだと思いますけど」」
「だったら、今園芸部の花壇はどうなってると思う
「今園芸部の花壇は…あっ!空っぽですね」
「その通りだ。だから園芸部は園芸部用の花壇に花を避難させることができた。他にも、園芸部だったらこんな移動は手馴れてるだろうし、なにより、移動するときにとった花をそのまま持って行くって事はないだろう」
「確かに、それこそ茎が折れたりして枯れてしまいそうです」
「だから、移動用の鉢を大量に所有しているであろう園芸部が犯人って事だ」
――――――
その後の調査で、俺の仮説はすべて正しかったことが証明された。
もちろん、園芸部に盗んでやろうなどという気持ちは一切なく、ただ花がかれそうになっているのを救いたかったという事だった。
「いやぁー、ありがとね。確かに、あそこの花壇、日当たりが悪くて、花には地獄かも」
「結局そのあと花はどうされるんですか?」
「園芸部から鉢を借りて、日当たりがいい場所に移動させたよ。クラスのみんなも大喜び」
「そうですか、それは良かったです」
「そうだ、これ。今回のお礼に、一鉢どうぞ」
「わぁ!ありがとうございます。綺麗なマーガレットですね」
「でしょ、いやぁーでもミステリー同好会って面白いね」
「そうですか?」
「そうだよ、そうだな…、私も入部しちゃおっかな」
「本当ですか?ぜひぜひです!」
「あっ、ごめん、水やりの時間だ。じゃあまた今度ね琴ちゃん」
「はい、また今度です真由美ちゃん」
「ずいぶん仲良くなったんだな」
「はい、真由美さんはとってもいい人です」
「それ、マーガレットか」
「白くてとってもきれいです。あっ」
「どうした?」
「見てください、土の上に桜の花びらが」
「そうだな」
「戸田さん」
「ん」
「謎や事件って、この桜の花びらみたいに誰かに見つけてもらうのを待ってるんですかね」
「なんだそれ」
「なんだか、そんな気がしませんか?」
「そんな気はせん」
「もう、面白くない人ですね」
なんだかんだ、ミステリー同好会に染まってきた俺がいる。恐ろしいや恐ろしや…。
「博人」
「なんだ、駿之介か」
「なんだとはなんだ。数少ないお前の友達がお前に声をかけてやってるんだろうが」
「少なくて悪かったな」
「ところでお前、ミステリー同好会に入ったんだってな。まさかあの博人がな」
「名前を置いているだけだ。入部してから今日まで活動には顔を出していない」
「いや、
「入部をしようとしたことだけでも驚きだ」
「そうか」
「なんだ、これ」
―――――――
園芸部より学校でとれた花の種をプレゼント。何の花が咲くかは咲いてからのお楽しみ。
早いもの順なのでおとり忘れなく。
―――――――
「この学校の園芸部って結構しっかり活動してるんだな」
「みたいだな」
「戸田さん、待って、戸田さんってば」
「おい博人、後ろから黒髪に探偵帽を乗せた女の子がお前を呼びながら走ってきてるんだが」
俺は直感した、面倒事に巻き込まれると。
「戸田さん、やっと捕まえました!」
「なんだ鹿野。厄介ごとならごめんだ、あと俺は名前だけの部員だから活動には参加せん」
「だめです!部員である以上、活動すべきことがある限り参加してもらいます」
「なんだか、俺、邪魔そうだな。まぁ、せいぜい頑張ってくれ博人くん」
「駿之介、覚えてろよ」
「お手柔らかに」
「さぁ、戸田さん、部室へレッツゴーです」
「いぇーい」
―――――――
部室へ行くと、どうやら先客がいたらしく、一人椅子に腰かけ座っていた。
部員、だよな?
「なぁ、鹿野。この人は部員か?」
「何言ってるんですか、戸田さん。我がミステリー同好会の部員は2人です!」
「まさか…」
「私と戸田さんです」
「はぁ」
「さて、戸田さんが来たことですし、小郡さん、事件の概要を説明してください」
「はいよ、まず私は1-D小郡 真奈美ね。ミステリー同好会って、生徒の身の回りで起きた事件を解決してくれるって聞いたから来たんだけど」
「その通りです」
どの口が言う。この間の事件、全く分かってなかったじゃないか。
「それは助かるわ。じゃあ早速、今回の事件は私たちの花の捜索よ」
「花の捜索ですか?」
「えぇ、昨日クラスで植えた花が朝には消えていたの。それもきれいさっぱりね」
「何本くらい植えたんですか?」
「えぇ―と確か、クラス35人が一人2本ずつだったから70本くらい?」
「それがそれが一晩で消えたっていうのか」
「そうよ、本当に不思議な事件でしょう。クラスでも流石に頭にきててね。だからお願い、消えた花を見つけ出してほしいの」
「分かりました!この長田浜高校ミステリー同好会にお任せを!」
「ありがとう、じゃあ何かわかったら教えてね。じゃあ、ばい」(ガラガラピシャ
なんだかせわしい奴だった。
「お任せをって言ったって、目星はついてるのか?」
「いいえ全くです」
「だろうな」
「戸田さんは?」
「たったあれだけじゃ分からん」
「ですよね…」
「あぁ、もうなんでこう厄介ごとが続くかな…。早く帰りたいのに」
「戸田さん、現場検証に行きましょう!」
「現場検証?」
「はい、捜査は足でと言いませんか?」
「言うな」
「早速行きましょう」
―――――ー
またまた俺は半ば強引に鹿野に連れられ、教室棟別館の花壇にやってきた。
「にしてもここ、風通しがいいな」
「日陰ですもんね。この季節の風はほんのり冷たくて気持ちいです」
「確かにごっそりやられてるな」
「やられてますね。でも、手荒な犯行というわけではなく、どちらかというと几帳面な気もします」
「確かにな。土が花壇からあふれ出てるって事はないし、穴もきちんと戻してある」
「犯人の性格は几帳面という事でしょうか」
「どうだかな」
その時、ひときわ強い風がふき、散った桜の花びらと、鹿野のスカートがほぼ同時に目の前を舞った。
それはまるで美しい桜吹雪の様だった。
「戸田さん」
「なんだ」
「見ました?」
「何をだ」
「…。いや、見てないんならいいんです」
「そうか」
「とりあえず、部室に戻りましょう!」
「お、おう…」
―――――ー
「さて、状況を整理しましょうか」
「この赤丸がさっき俺たちが行った花壇だ」
「はい、それの拡大した図がこれですよね」
「1-Dから一番近い花壇があれだったから、クラスであそこに花を植えた。全く持って普通の考えだろう」
「ですね。わたしでも、教室から一番近いところに空き花壇があったらお花を植えたくなりますもん」
「花好きなのか?」
「はい、大好きですよ。お日様の下で、花がいっぱい咲き誇ってる風景が特に好きです」
「なるほどな」
「…!何かわかったんですか?」
「いや、なにも」
「なんなんですか!」
「と言われてもな…」
「戸田さん、なんだか薄暗くなってきましたね」
「夕方だからな。鹿野、すまないが電気付けてくれ」
「はい、了解です」
どうして花は一晩にして消えることができたのか。歩いて逃げたのか?
そんなバカげた話はないだろうが、犯人の動機も全く読めない。
「今思えばあそこかなり寒かったですね。日あたりが悪かったからでしょうか」
「教室棟・別館の壁がちょうど陰になってたな。確かに寒かった」
「どうして犯人は花壇の花を根こそぎ持って行ったんでしょうか」
「お前なら、なんで花を根こそぎ持って行こうと思う?」
「そうですね…。綺麗だったから?」
「ほかには」
「他にですか…、お花さんが寒そうな思いをしてたから助けてあげたくて。なんてのはどうでしょう」
「どういう動機だよ。花に寒さは関係ないだろうが」
「ふふ、確かにそうですね。今のは忘れてください」
「あぁ、無駄な…」
無駄…か?なんだか、この事件のピースが組みたたってきた気がする。
「なぁ、鹿野。あの花壇、この学校の敷地で言えばどこにある」
「中央ですね」
「あぁ…。質問を変える、敷地を方位で見た時、どの方位が適当だ」
「北ですか?」
「あぁ、その通りだ」
「それと今回との事件、何か関係があるんですか?」
「太陽はどう動くって習った?」
「東から昇って、南を通って、西に沈みますね」
「じゃあ陰は」
「影ですか?えぇーと、影は西、北、東の順でしょうか」
「あぁ、あってる。だから、あそこの花壇は植物の生活環境としてはあまり適してないんだ」
「つまり?」
「一日中日陰であるあそこは、光が当たらない。日光を生命源とする植物にとって死活問題だ」
「確かに、日当たりが悪いところにはあまり植物はないですもんね」
「これが犯人の動機だろう」
「じゃあ犯人は?」
「この学校でこんなことができる者は限られてくる」
「園芸ができる人って事ですよね」
「そうだ。犯人はかなり園芸に精通している人物だろうな」
「だったら、犯人は…誰ですか?」
「ここまで行ってもダメか。園芸部だよ」
「園芸部がですか!どうしてこんなことを」
「花が好きだから、花を枯れさせたくなくて、だろうな」
「あんな日陰に花を植えていたらいつか枯れてしまうから、という事ですか」
「そういう事だ。園芸部が犯人の理由はまだある」
「と言いますと?」
「鹿野は昇降口にあった種見たか?」
「はい、これですよね」
「なんだ、貰ってたのか。きっと園芸部はその花を育てていて、種を付けたから、種をもらってくれる人に配ってたんだよな」
「そうだと思いますけど」」
「だったら、今園芸部の花壇はどうなってると思う
「今園芸部の花壇は…あっ!空っぽですね」
「その通りだ。だから園芸部は園芸部用の花壇に花を避難させることができた。他にも、園芸部だったらこんな移動は手馴れてるだろうし、なにより、移動するときにとった花をそのまま持って行くって事はないだろう」
「確かに、それこそ茎が折れたりして枯れてしまいそうです」
「だから、移動用の鉢を大量に所有しているであろう園芸部が犯人って事だ」
――――――
その後の調査で、俺の仮説はすべて正しかったことが証明された。
もちろん、園芸部に盗んでやろうなどという気持ちは一切なく、ただ花がかれそうになっているのを救いたかったという事だった。
「いやぁー、ありがとね。確かに、あそこの花壇、日当たりが悪くて、花には地獄かも」
「結局そのあと花はどうされるんですか?」
「園芸部から鉢を借りて、日当たりがいい場所に移動させたよ。クラスのみんなも大喜び」
「そうですか、それは良かったです」
「そうだ、これ。今回のお礼に、一鉢どうぞ」
「わぁ!ありがとうございます。綺麗なマーガレットですね」
「でしょ、いやぁーでもミステリー同好会って面白いね」
「そうですか?」
「そうだよ、そうだな…、私も入部しちゃおっかな」
「本当ですか?ぜひぜひです!」
「あっ、ごめん、水やりの時間だ。じゃあまた今度ね琴ちゃん」
「はい、また今度です真由美ちゃん」
「ずいぶん仲良くなったんだな」
「はい、真由美さんはとってもいい人です」
「それ、マーガレットか」
「白くてとってもきれいです。あっ」
「どうした?」
「見てください、土の上に桜の花びらが」
「そうだな」
「戸田さん」
「ん」
「謎や事件って、この桜の花びらみたいに誰かに見つけてもらうのを待ってるんですかね」
「なんだそれ」
「なんだか、そんな気がしませんか?」
「そんな気はせん」
「もう、面白くない人ですね」
なんだかんだ、ミステリー同好会に染まってきた俺がいる。恐ろしいや恐ろしや…。
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