55 / 67
第三章 ようこそ鹿児島!
第五十三話 誕生日会(後編)
しおりを挟む
~2100年7月14日 18:45NPOC司令部統括学園長執務室~
「「ご馳走様でした!」」
「お粗末様でした」
優芽のお母さんの作った料理はどれも美味しかった。とはいえ…
~18:15~
「ほら優芽いっぱい食べてね」
「うん!ふぁーあ、この唐揚げも美味しそうだし、グラタンもいいな…ピザも捨てがたい」
「どれだけ食うんだよ!」
「うふふ、さぁさぁ貴文君も遠慮せずどんどん食べてね」
~現在~
優芽の食の化け物ぶりには驚かされてばかりだ。
「さぁ、食後のお茶ですよ」
「あっ、ありがとうございます」
俺は出されたお茶を少し冷ましながらすすった。
「貴文君」
「ゴホゴホ…はい、どうしましたか親父さん」
急に声を掛けられ思わずむせてしまった
「今回は娘を助けてくれて本当にありがとう」
「いえいえ、そんな頭をあげてください」
「私からも改めてありがとう、貴文君」
「もう、お父さんもお母さんも貴君が困ってるから、頭上げてよ」
「すまない、でもどうしてもお礼を言っておきたくてな。貴文君だけだよ、最後まで優芽の事を諦めなかったのは。東が私を落とし入れようとした時、周りの誰もが私の敵として、優芽を見捨てようとした、正直私も心が折れかけてしまった。そんな時でも貴文君は決して優芽を諦めなかった。嬉しかったよ。周りが皆敵でもただ一人、貴文君だけが東達にあらがってくれたんだから。たぶん貴文君があそこで何もしてくれていなかったら、優芽はここにいないだろうな…」
「お父さん…」
「まぁ、湿っぽい話はこれくらいにしておこうか」
「そうですね。それじゃあ私は後片付けをしますね」
そういうとお袋さんは席を立ちあがりキッチンへと足を進めた。
「そういえばお袋さんはいつ鹿児島に帰られるんですか?」
「そうねぇ、一応明日には帰ろうと思っているのだけれど…」
「そうか、もう少しゆっくりしていけばいいのに」
「でもあなたは今回の件の事後処理があるでしょう、あなたの負担にもなりたくありませんし…」
「そうだな、そうだ貴文君と優芽は学校のこと知っているのか?」
「学校のこと?いいや聞いてないよ」
「今回の一件の事後処理で当分の間学校が再開できそうにないから夏休みを2週間前倒しで始めることにした」
「えぇー!今年夏休みすごい長いの?」
「そうだな、始業式は予定通り9月1日を目指しているがどうなるか分からない」
「そっかぁ…じゃあ私もお母さんと一緒に家に帰ろうかな」
「そうだな、優芽も疲れているだろう、家に帰ってゆっくりするのがいいかもな」
「ねぇ貴君、鹿児島来ない?」
「へっ?」
「それがいい、貴文君も非常事態対策本部の仕事でろくに休めてないだろう、是非家に来てくれ
という事で、鹿児島に行くことになった、
「「ご馳走様でした!」」
「お粗末様でした」
優芽のお母さんの作った料理はどれも美味しかった。とはいえ…
~18:15~
「ほら優芽いっぱい食べてね」
「うん!ふぁーあ、この唐揚げも美味しそうだし、グラタンもいいな…ピザも捨てがたい」
「どれだけ食うんだよ!」
「うふふ、さぁさぁ貴文君も遠慮せずどんどん食べてね」
~現在~
優芽の食の化け物ぶりには驚かされてばかりだ。
「さぁ、食後のお茶ですよ」
「あっ、ありがとうございます」
俺は出されたお茶を少し冷ましながらすすった。
「貴文君」
「ゴホゴホ…はい、どうしましたか親父さん」
急に声を掛けられ思わずむせてしまった
「今回は娘を助けてくれて本当にありがとう」
「いえいえ、そんな頭をあげてください」
「私からも改めてありがとう、貴文君」
「もう、お父さんもお母さんも貴君が困ってるから、頭上げてよ」
「すまない、でもどうしてもお礼を言っておきたくてな。貴文君だけだよ、最後まで優芽の事を諦めなかったのは。東が私を落とし入れようとした時、周りの誰もが私の敵として、優芽を見捨てようとした、正直私も心が折れかけてしまった。そんな時でも貴文君は決して優芽を諦めなかった。嬉しかったよ。周りが皆敵でもただ一人、貴文君だけが東達にあらがってくれたんだから。たぶん貴文君があそこで何もしてくれていなかったら、優芽はここにいないだろうな…」
「お父さん…」
「まぁ、湿っぽい話はこれくらいにしておこうか」
「そうですね。それじゃあ私は後片付けをしますね」
そういうとお袋さんは席を立ちあがりキッチンへと足を進めた。
「そういえばお袋さんはいつ鹿児島に帰られるんですか?」
「そうねぇ、一応明日には帰ろうと思っているのだけれど…」
「そうか、もう少しゆっくりしていけばいいのに」
「でもあなたは今回の件の事後処理があるでしょう、あなたの負担にもなりたくありませんし…」
「そうだな、そうだ貴文君と優芽は学校のこと知っているのか?」
「学校のこと?いいや聞いてないよ」
「今回の一件の事後処理で当分の間学校が再開できそうにないから夏休みを2週間前倒しで始めることにした」
「えぇー!今年夏休みすごい長いの?」
「そうだな、始業式は予定通り9月1日を目指しているがどうなるか分からない」
「そっかぁ…じゃあ私もお母さんと一緒に家に帰ろうかな」
「そうだな、優芽も疲れているだろう、家に帰ってゆっくりするのがいいかもな」
「ねぇ貴君、鹿児島来ない?」
「へっ?」
「それがいい、貴文君も非常事態対策本部の仕事でろくに休めてないだろう、是非家に来てくれ
という事で、鹿児島に行くことになった、
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

大学寮の偽夫婦~住居のために偽装結婚はじめました~
石田空
現代文学
かつては最年少大賞受賞、コミカライズ、アニメ化まで決めた人気作家「だった」黒林亮太は、デビュー作が終了してからというもの、次の企画が全く通らず、デビュー作の印税だけでカツカツの生活のままどうにか食いつないでいた。
さらに区画整理に巻き込まれて、このままだと職なし住所なしにまで転がっていってしまう危機のさなかで偶然見つけた、大学寮の管理人の仕事。三食住居付きの夢のような仕事だが、条件は「夫婦住み込み」の文字。
困り果てていたところで、面接に行きたい白羽素子もまた、リストラに住居なしの危機に陥って困り果てていた。
利害が一致したふたりは、結婚して大学寮の管理人としてリスタートをはじめるのだった。
しかし初めての男女同棲に、個性的な寮生たちに、舞い込んでくるトラブル。
この状況で亮太は新作を書くことができるのか。そして素子との偽装結婚の行方は。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
Tokyo Flowers
シマセイ
現代文学
東京で働く25歳のユイは、忙しい毎日の中で、ふと立ち止まり、日常に 隠された美しさに気づき始める。それは、道端に咲く花、カフェの香り、夕焼けの色… 何気ない日常の中に、心を満たす美しさが溢れていることに気づき、彼女の心境に変化が訪れる。

イクォール
おにぎり
現代文学
ユウスケとアヤは、些細なことでじゃれ合うような関係だった。
ある日、ユウスケはアヤをからかった後、機嫌を直させるためにお気に入りのパン屋へ誘う。
焼きたてのクロワッサンを食べながら過ごす時間は、彼にとってかけがえのないものだった。
しかし、その幸せな瞬間は突然終わりを迎える。
春秋館 <一話完結型 連続小説>
uta
現代文学
様々な人たちが今日も珈琲専門店『春秋館』を訪れます。
都会の片隅に佇むログハウス造りの珈琲専門店『春秋館』は、その名の通り「春」と「秋」しか営業しない不思議な店。
寡黙で涼しい瞳の青年店長と、憂いな瞳のアルバイトのピアノ弾きの少女が、訪れるお客様をもてなします。
物語が進む内に、閉ざされた青年の過去が明らかに、そして少女の心も夢と恋に揺れ動きます。
お客様との出逢いと別れを通し、生きる事の意味を知る彼らの三年半を優しくも激しく描いています。
100話完結で、完結後に青年と少女の出逢い編(番外編)も掲載予定です。
ほとんどが『春秋館』店内だけで完結する一話完結型ですが、全体の物語は繋がっていますので、ぜひ順番に読み進めて頂けましたら幸いです。
微熱の午後 l’aprés-midi(ラプレミディ)
犬束
現代文学
夢見心地にさせるきらびやかな世界、優しくリードしてくれる年上の男性。最初から別れの定められた、遊びの恋のはずだった…。
夏の終わり。大学生になってはじめての長期休暇の後半をもてあます葉《よう》のもとに知らせが届く。
“大祖父の残した洋館に、映画の撮影クルーがやって来た”
好奇心に駆られて訪れたそこで、葉は十歳年上の脚本家、田坂佳思《けいし》から、ここに軟禁されているあいだ、恋人になって幸福な気分で過ごさないか、と提案される。
《第11回BL小説大賞にエントリーしています。》☜ 10月15日にキャンセルしました。
読んでいただけるだけでも、エールを送って下さるなら尚のこと、お腹をさらして喜びます🐕🐾
大学受験はほぼ無くなりました(注※これは小説です)
F.conoe
現代文学
大学受験がなくなり、ほぼすべての講義はオンライン化された。
これはSFか、それとも未来予想図か。
近未来の新しい学校教育の話。
※この物語はフィクションです。
しがらみやらお金の制限を取り払って、
全く新しい学校教育を今の技術力で作るならどういうものになるのかな?
と考えてみたシミュレーション小説です。
オンライン化をゴリ押しできる設定にしたら思いのほか政治の話をすることになりましたが
ラストを多くの人に読んでほしいなと思うものとなりました。
ぜひ読んで欲しいです。
(設定上、小中高の教育も改革する必要があり思いつく限りの改善案を出しましたが、これで完璧だと思っているわけではないです)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる