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第二章 文月の奪還作戦
第三十七話 非常事態対策本部会議(前編)
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~2100年7月14日 4:00 NPOC司令部非常事態対策本部~
作戦開始まであと2時間…。
「それでは会議を再開したいと思います。今回の作戦内容を山本管理官お願いします」
「はい。それでは前方のモニターをご覧いただきたい。ではコードネーム「文月」の説明を始めようか」
ーーーーーーー
今回の作戦はこうだ。まず6時に航空自衛隊NPOCIA基地を先導A隊B隊が離陸。この10分後にC隊D隊が離陸する。今回D隊には山本非常事態対策本部長が同行する。A/B隊はRGHの偵察へと向かう。
今日深夜に一ノ瀬明衣をRGHに送り込んだが一ノ瀬明衣が革命国側に寝返る可能性は非常に高い。よってA/B隊にはRGH半径5km以内には侵入せずに偵察用のミサイルを打ち様子を見る。ここで防衛システムが作動しなければ問題ばいがもし防衛システムが発動した場合、一ノ瀬明衣が革命国に寝返ったと判断し最終の攻撃許可を山本非常事態対策本部長から出してもらう。
では問題がなければの話をしよう。問題がなければ5km以内へ侵入を開始し西郷優芽が監禁されていると思われる農場上空で旋回を開始。C/D隊はA/B隊の上空旋回開始後農場に直陸、西郷優芽の救出をしてもらう。この時A隊は上空待機を継続、B隊はRGH本部に一ノ瀬明衣の回収に向かってもらう。西郷優芽の救出後C/D隊は当作戦空域を離脱、またA/B隊はB隊が一ノ瀬明衣の回収が完了し次第当作戦空域を離脱するものとする。作戦は以上だ。
ーーーーーーー
「山本管理官よろしいですか」
そういって手を挙げたのは岡田だった。
「今回の作戦中に革命国側からの軍事的攻撃の可能性は十分に考えられます。その場合の戦闘許可はどなたが出すのでしょうか」
「戦闘許可は通常私が出す。もし万が一私の身に何かあれば山本非常事態対策本部長が許可する手はずだ」
「了解しました」
こうして会議は順調に進み、終わったころには短針が5を指していた。
~5:00 NPOC司令部個人執務室~
コンコン「貴文、入るぞ」
「と…父さん?どうぞ」
俺は突然の訪問者に少し戸惑いつつも中に招き入れた。
「貴文、大切な話がある」
「どうしたの改まって…」
「お前にはもう一つ重要な権限が与えられる。ただしこれは西郷統括学園長が任を委任できるものではない。これは私からの委任だ」
「と…ということは軍事関係…」
「ふっ…察しがいいな。そうだ、貴文これがなんだかわかるか?」
父さんはそう言いながらアタッシュケースに入ったボタンを見せてきた。
「なんだよこれ…?」
「これはいわゆる核のボタン。アメリカ軍の所有する核を発射できるものだ。これが放たれれば関東圏は一瞬で灰にできるほどの威力を持つ。きっと第三次世界大戦が勃発し戦争を終結させるためにはこれが必要だろう」
「ちょ…ちょっと待って父さん、なんでそんなものを俺が持たなくちゃならないんだ!」
「非常事態対策本部長は統括学園長の権限と同時に私、UG3管理官と同等の権限も得られる。ただほとんどの者はそんな権限がある事などみじんも知らない。この核のボタンの存在を知らされる非常事態対策本部長はそれだけ信用に値し国のために働けると判断された証だ」
流石の俺も言葉を失った。俺は一瞬で数百万の人間の命を奪えるボタンを手に入れたのだった。
作戦開始まであと2時間…。
「それでは会議を再開したいと思います。今回の作戦内容を山本管理官お願いします」
「はい。それでは前方のモニターをご覧いただきたい。ではコードネーム「文月」の説明を始めようか」
ーーーーーーー
今回の作戦はこうだ。まず6時に航空自衛隊NPOCIA基地を先導A隊B隊が離陸。この10分後にC隊D隊が離陸する。今回D隊には山本非常事態対策本部長が同行する。A/B隊はRGHの偵察へと向かう。
今日深夜に一ノ瀬明衣をRGHに送り込んだが一ノ瀬明衣が革命国側に寝返る可能性は非常に高い。よってA/B隊にはRGH半径5km以内には侵入せずに偵察用のミサイルを打ち様子を見る。ここで防衛システムが作動しなければ問題ばいがもし防衛システムが発動した場合、一ノ瀬明衣が革命国に寝返ったと判断し最終の攻撃許可を山本非常事態対策本部長から出してもらう。
では問題がなければの話をしよう。問題がなければ5km以内へ侵入を開始し西郷優芽が監禁されていると思われる農場上空で旋回を開始。C/D隊はA/B隊の上空旋回開始後農場に直陸、西郷優芽の救出をしてもらう。この時A隊は上空待機を継続、B隊はRGH本部に一ノ瀬明衣の回収に向かってもらう。西郷優芽の救出後C/D隊は当作戦空域を離脱、またA/B隊はB隊が一ノ瀬明衣の回収が完了し次第当作戦空域を離脱するものとする。作戦は以上だ。
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「山本管理官よろしいですか」
そういって手を挙げたのは岡田だった。
「今回の作戦中に革命国側からの軍事的攻撃の可能性は十分に考えられます。その場合の戦闘許可はどなたが出すのでしょうか」
「戦闘許可は通常私が出す。もし万が一私の身に何かあれば山本非常事態対策本部長が許可する手はずだ」
「了解しました」
こうして会議は順調に進み、終わったころには短針が5を指していた。
~5:00 NPOC司令部個人執務室~
コンコン「貴文、入るぞ」
「と…父さん?どうぞ」
俺は突然の訪問者に少し戸惑いつつも中に招き入れた。
「貴文、大切な話がある」
「どうしたの改まって…」
「お前にはもう一つ重要な権限が与えられる。ただしこれは西郷統括学園長が任を委任できるものではない。これは私からの委任だ」
「と…ということは軍事関係…」
「ふっ…察しがいいな。そうだ、貴文これがなんだかわかるか?」
父さんはそう言いながらアタッシュケースに入ったボタンを見せてきた。
「なんだよこれ…?」
「これはいわゆる核のボタン。アメリカ軍の所有する核を発射できるものだ。これが放たれれば関東圏は一瞬で灰にできるほどの威力を持つ。きっと第三次世界大戦が勃発し戦争を終結させるためにはこれが必要だろう」
「ちょ…ちょっと待って父さん、なんでそんなものを俺が持たなくちゃならないんだ!」
「非常事態対策本部長は統括学園長の権限と同時に私、UG3管理官と同等の権限も得られる。ただほとんどの者はそんな権限がある事などみじんも知らない。この核のボタンの存在を知らされる非常事態対策本部長はそれだけ信用に値し国のために働けると判断された証だ」
流石の俺も言葉を失った。俺は一瞬で数百万の人間の命を奪えるボタンを手に入れたのだった。
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