26 / 67
第二章 文月の奪還作戦
第二十四話 4月10日
しおりを挟む
~2100年7月12日 NPOC UG3 システム管理課~
『みなさんまぁまぁ落ち着いて。状況を整理しましょう。事件は…』
『その解説は私が行おう』
『てっ、てぇめー誰だ!』
『私は革命国軍の者てす。今回我々革命国は優芽さんを預からさしていただきました。さぁ、助けたければおとなしくしておくことてすね』
『ちょ、調子に乗りあがって、姿現せや!』
『おー怖いてすね。それてはわたしはこの辺て失礼』
ピー。音声再生が終了しました。
ーーーーーーー
「貴文、どうしたんだ。この状況でなぜ会議議事録音声なんか聞くんだ」
やはりみんな気づいていないか。この議事録音声とあの日の出来事を組み合わせればわかる事実に…。
「父さん、思い出してほしい。4月のサイバー攻撃はこのNPOC内部からの物だった。東、確かあの日の7時に予備システムを起動させたよな?」
「あぁ…。そうだね。革命国軍がNPOCに侵入してきて脱出したことが確認できたからもうサイバー攻撃の危険性はなしと判断して予備システムを7時に起動させたね」
「予備システムではどんな機能が制限されるんだったか」
「予備システムでは電車の自動走行システム、空港の航空管制システム、防衛システムの自動防衛システムが主に制限されるよ。でも日常の生活にはなんら支障はなかったはずだよね…?」
「はっ!」
父さんが何かに気が付いたようだ。流石は俺の父親だ。
「通信セキュリティシステムか…」
「父さんその通りだよ。東、通信セキュリティシステムは通常通り稼働してたんだろ?」
「あぁ、予備システムでもメインシステムと変わらない通信セキュリティシステムが稼働していたよ。だから防衛省や米国の国防総省のサーバーを経由しないと情報をNPOC内に送信はできないっていうあのシステムをはじめとする全てのセキュリティーシステムが稼働していたはずだけど…」
「貴文、お前が言いたいことはだいたい分かった。あと一つ情報があればいいんだな」
「そうさ父さん。東この会議議事録音声の録音は何時に成された物か?」
「えぇっと…。『2100年4月10日 8:04』だよ…。待ってくれこれって…」
「東もやっと気が付いたのか」
「あぁ…。あの時間に革命国側からあんな音声ジャックがあってはいけないんだね」
「そう。あってはならないことなんだよ。だってもうセキュリティーシステムは稼働していたんだからね。あってはならないというより、できるはずないんだよ」
「まさか貴文、どうやって音声ジャックされたかまで分かっているのか?」
「もちろんさ父さん」
「どうやってやったんだ。教えてくれ山本君」
「簡単なことさ…」
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
「NPOC内から音声ジャックすればいいんだよ」
『みなさんまぁまぁ落ち着いて。状況を整理しましょう。事件は…』
『その解説は私が行おう』
『てっ、てぇめー誰だ!』
『私は革命国軍の者てす。今回我々革命国は優芽さんを預からさしていただきました。さぁ、助けたければおとなしくしておくことてすね』
『ちょ、調子に乗りあがって、姿現せや!』
『おー怖いてすね。それてはわたしはこの辺て失礼』
ピー。音声再生が終了しました。
ーーーーーーー
「貴文、どうしたんだ。この状況でなぜ会議議事録音声なんか聞くんだ」
やはりみんな気づいていないか。この議事録音声とあの日の出来事を組み合わせればわかる事実に…。
「父さん、思い出してほしい。4月のサイバー攻撃はこのNPOC内部からの物だった。東、確かあの日の7時に予備システムを起動させたよな?」
「あぁ…。そうだね。革命国軍がNPOCに侵入してきて脱出したことが確認できたからもうサイバー攻撃の危険性はなしと判断して予備システムを7時に起動させたね」
「予備システムではどんな機能が制限されるんだったか」
「予備システムでは電車の自動走行システム、空港の航空管制システム、防衛システムの自動防衛システムが主に制限されるよ。でも日常の生活にはなんら支障はなかったはずだよね…?」
「はっ!」
父さんが何かに気が付いたようだ。流石は俺の父親だ。
「通信セキュリティシステムか…」
「父さんその通りだよ。東、通信セキュリティシステムは通常通り稼働してたんだろ?」
「あぁ、予備システムでもメインシステムと変わらない通信セキュリティシステムが稼働していたよ。だから防衛省や米国の国防総省のサーバーを経由しないと情報をNPOC内に送信はできないっていうあのシステムをはじめとする全てのセキュリティーシステムが稼働していたはずだけど…」
「貴文、お前が言いたいことはだいたい分かった。あと一つ情報があればいいんだな」
「そうさ父さん。東この会議議事録音声の録音は何時に成された物か?」
「えぇっと…。『2100年4月10日 8:04』だよ…。待ってくれこれって…」
「東もやっと気が付いたのか」
「あぁ…。あの時間に革命国側からあんな音声ジャックがあってはいけないんだね」
「そう。あってはならないことなんだよ。だってもうセキュリティーシステムは稼働していたんだからね。あってはならないというより、できるはずないんだよ」
「まさか貴文、どうやって音声ジャックされたかまで分かっているのか?」
「もちろんさ父さん」
「どうやってやったんだ。教えてくれ山本君」
「簡単なことさ…」
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
「NPOC内から音声ジャックすればいいんだよ」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
雨上がりに僕らは駆けていく Part1
平木明日香
恋愛
「隕石衝突の日(ジャイアント・インパクト)」
そう呼ばれた日から、世界は雲に覆われた。
明日は来る
誰もが、そう思っていた。
ごくありふれた日常の真後ろで、穏やかな陽に照らされた世界の輪郭を見るように。
風は時の流れに身を任せていた。
時は風の音の中に流れていた。
空は青く、どこまでも広かった。
それはまるで、雨の降る予感さえ、消し去るようで
世界が滅ぶのは、運命だった。
それは、偶然の産物に等しいものだったが、逃れられない「時間」でもあった。
未来。
——数えきれないほどの膨大な「明日」が、世界にはあった。
けれども、その「時間」は来なかった。
秒速12kmという隕石の落下が、成層圏を越え、地上へと降ってきた。
明日へと流れる「空」を、越えて。
あの日から、決して止むことがない雨が降った。
隕石衝突で大気中に巻き上げられた塵や煤が、巨大な雲になったからだ。
その雲は空を覆い、世界を暗闇に包んだ。
明けることのない夜を、もたらしたのだ。
もう、空を飛ぶ鳥はいない。
翼を広げられる場所はない。
「未来」は、手の届かないところまで消え去った。
ずっと遠く、光さえも追いつけない、距離の果てに。
…けれども「今日」は、まだ残されていた。
それは「明日」に届き得るものではなかったが、“そうなれるかもしれない可能性“を秘めていた。
1995年、——1月。
世界の運命が揺らいだ、あの場所で。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
雨上がりに僕らは駆けていく Part2
平木明日香
青春
学校の帰り道に突如現れた謎の女
彼女は、遠い未来から来たと言った。
「甲子園に行くで」
そんなこと言っても、俺たち、初対面だよな?
グラウンドに誘われ、彼女はマウンドに立つ。
ひらりとスカートが舞い、パンツが見えた。
しかしそれとは裏腹に、とんでもないボールを投げてきたんだ。
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
幻想遊撃隊ブレイド・ダンサーズ
黒陽 光
SF
その日、1973年のある日。空から降りてきたのは神の祝福などではなく、終わりのない戦いをもたらす招かれざる来訪者だった。
現れた地球外の不明生命体、"幻魔"と名付けられた異形の怪異たちは地球上の六ヶ所へ巣を落着させ、幻基巣と呼ばれるそこから無尽蔵に湧き出て地球人類に対しての侵略行動を開始した。コミュニケーションを取ることすら叶わぬ異形を相手に、人類は嘗てない絶滅戦争へと否応なく突入していくこととなる。
そんな中、人類は全高8mの人型機動兵器、T.A.M.S(タムス)の開発に成功。遂に人類は幻魔と対等に渡り合えるようにはなったものの、しかし戦いは膠着状態に陥り。四十年あまりの長きに渡り続く戦いは、しかし未だにその終わりが見えないでいた。
――――これは、絶望に抗う少年少女たちの物語。多くの犠牲を払い、それでも生きて。いなくなってしまった愛しい者たちの遺した想いを道標とし、抗い続ける少年少女たちの物語だ。
表紙は頂き物です、ありがとうございます。
※カクヨムさんでも重複掲載始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる