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第二章 文月の奪還作戦
第十九話 秘密
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~2100年7月1日 NPOC非常事態対策本部~
「このNPOC UG3には連合国軍の軍事兵器開発基地があるんだよ」
東の口から語られた事は衝撃的な内容だった。
「お、おい東。嘘じゃないよな…」
「なんでこの状況で僕が嘘をつく必要があるのさ。本当だよ。これから君をUG3に案内するよ。山本君、さっき私が言ったように君が今まで信じてきたことが一瞬で崩れてしまうものがUG3にはあるんだよ。それでも、それでも君はUG3に行くかい」
え…。UG3に軍事兵器開発基地があるのが東が言っているそれだと思っていたのだが…。何なんだ俺が今まで信じてきたことって…。
「お…俺は…さっきもいただろ?俺はあの春の日に優芽と約束したんだ。何があっても、命に代えても優芽だけは守るって。でも俺は優芽のことを守れなかったんだ。俺はもうすでに優芽との約束を破ってしまっている…。もしかしたら俺が助けに行っても優芽は俺を…約束を破った俺のことを拒絶するかもしれない。でも、それでもいいんだ。俺が優芽を守れなかったって事は事実だからな。それでも俺は優芽を救い出したいんだ。だから俺がどうなってもいい。たとえ俺の命が無くなったり、俺が信じてきたことが崩れてもだ」
俺は自分でもびっくりするくらい感情的になってしまっていた。
「分かったよ。山本君が西郷さんのことを大切に思っているって事が部外者の僕にでも伝わってきたからね。君はきっと乗り越えられると思う。ついてきてくれ、案内しよう」
東の後についていくとそこは行き止まりだった。なんだかデジャブだ。優芽がいたらどんな反応をしたんだろうか…。
「東、行き止まりだがこの前みたいに何かあるのか?」
「この前?あぁ、君と西郷さんを初めてここに案内した日のことか。懐かしいね、確か君たち二人に不審者と思われて散々疑われたっけ…」
きっと東も優芽のことを思い出したのだろう。言葉を詰まらせ俯いてしまった。
「あの時は悪かったよ。でもいきなりだったからな、警戒するよな。でも今ならわかるよ、お前はいい人だってことくらい。だって優芽を探すのも本当は業務外だろ?でもお前は仕事の合間を縫って一緒に探してくれる。本当にありがとう」
「礼は西郷さんが無事に帰ってきてからがいいな。よし、じゃあ行こうかUG3に」
東はそう言って消火器に腕時計を近づけた。グラ…。床が少し動いたような…。
「山本君!しっかり踏ん張っているんだよ!」
そう東が言った瞬間床がものすごい速さで急降下を始めたのだった。
~7月1日 NPOC UG3層 システム管理課~
上のシステム管理部から応援要請が入った。まぁ、無理もないだろう。民間で誘拐案件の調査をするのはほぼ不可能に近いだろうからな…。
「管理官、上のシステム管理部の東が到着しました」
「そうか、通せ」
東は先ほどの電話で山本貴文という生徒も一緒に連れてくると言っていた。私はその名前に聞き覚えがあった。
「山本管理官。お疲れ様です。本日はお時間頂戴し感謝します」
東が入って来るや否やこう挨拶した。さて、貴文の様子はというと案の上目の前の光景に固まっているようだ。
「と…父さん?」
それもそうだろう。亡くなったはずの父親が目の前にいるのだから。
「このNPOC UG3には連合国軍の軍事兵器開発基地があるんだよ」
東の口から語られた事は衝撃的な内容だった。
「お、おい東。嘘じゃないよな…」
「なんでこの状況で僕が嘘をつく必要があるのさ。本当だよ。これから君をUG3に案内するよ。山本君、さっき私が言ったように君が今まで信じてきたことが一瞬で崩れてしまうものがUG3にはあるんだよ。それでも、それでも君はUG3に行くかい」
え…。UG3に軍事兵器開発基地があるのが東が言っているそれだと思っていたのだが…。何なんだ俺が今まで信じてきたことって…。
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俺は自分でもびっくりするくらい感情的になってしまっていた。
「分かったよ。山本君が西郷さんのことを大切に思っているって事が部外者の僕にでも伝わってきたからね。君はきっと乗り越えられると思う。ついてきてくれ、案内しよう」
東の後についていくとそこは行き止まりだった。なんだかデジャブだ。優芽がいたらどんな反応をしたんだろうか…。
「東、行き止まりだがこの前みたいに何かあるのか?」
「この前?あぁ、君と西郷さんを初めてここに案内した日のことか。懐かしいね、確か君たち二人に不審者と思われて散々疑われたっけ…」
きっと東も優芽のことを思い出したのだろう。言葉を詰まらせ俯いてしまった。
「あの時は悪かったよ。でもいきなりだったからな、警戒するよな。でも今ならわかるよ、お前はいい人だってことくらい。だって優芽を探すのも本当は業務外だろ?でもお前は仕事の合間を縫って一緒に探してくれる。本当にありがとう」
「礼は西郷さんが無事に帰ってきてからがいいな。よし、じゃあ行こうかUG3に」
東はそう言って消火器に腕時計を近づけた。グラ…。床が少し動いたような…。
「山本君!しっかり踏ん張っているんだよ!」
そう東が言った瞬間床がものすごい速さで急降下を始めたのだった。
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「そうか、通せ」
東は先ほどの電話で山本貴文という生徒も一緒に連れてくると言っていた。私はその名前に聞き覚えがあった。
「山本管理官。お疲れ様です。本日はお時間頂戴し感謝します」
東が入って来るや否やこう挨拶した。さて、貴文の様子はというと案の上目の前の光景に固まっているようだ。
「と…父さん?」
それもそうだろう。亡くなったはずの父親が目の前にいるのだから。
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