絶海学園

浜 タカシ

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第一章 国立太平洋学園の潜伏者

第十三話 作戦決行

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~2100年4月9日 日本時間23:00 革命国軍航空基地~
三か月前俺はある作戦を実施するように上層部から命令を受けた。この作戦を実行するにはどうしてもNPOC内に侵入する必要がある。しかしNPOCの防衛システムは一学園の域を超えている。だから俺はNPOCの防衛システムをダウンさせることを考えた。しかしNPOCは日本の先進技術の結晶だ。サイバーに外部から侵入するのは今の革命国の通信技術では無理であろうことが容易に想像できた。ならば残された手段はもう一つしかない。
俺は一人の少女を訪ねることにした。

「橙桜、ちょっといいか」

少女の名前は旺 橙桜。年は確か今年で16だったと思う。

「どうしたのサム。何か用?」

こいつは不愛想で可愛げがない。

「お前に折り入ってお願いがあるんだが」
「変なことならお断りよ」

俺は今回の作戦内容を伝えた。

「というわけで、作戦実行のためにはどうしても学園内部からサイバー攻撃を仕掛ける必要があるんだ」
「なるほど。つまり私がそのNPOCに潜入してサイバー攻撃を仕掛ければいいのね」
「そういうことだ」

こうして彼女は学園に潜入したのだった。

ーーーーーー

「お前ら全員集まれ」

俺は今回の作戦を決行するメンバーに招集をかけた。

「それでは今回の作戦をもう一度説明する」

今回の作戦はこうだ。今NPOCは橙桜の仕掛けたサイバー攻撃によって全システムがダウンしている。NPOCには奴らもいるが防衛システムはもっていないはずだ。防衛システムがダウンしているNPOCは格好の標的だ。侵入も容易だろう。まずSS層に降り立ち地下水道管を通ってUS1層へ侵入。その後上層部からの命令を実行し地下水道管を通ってずらかる。橙桜は念のためNPOCに残しておくことにした。あいつのことだから残しておいてもへまはしないだろう。

「何か質問はあるか」

誰も手を挙げる者はいなかった。皆作戦に対する情熱が熱い精鋭達だ。俺が説明せずとも作戦は完璧に頭に入っていたのだろう。

「それでは30分後本基地を離陸する。じゃあ解散!」

~2100年4月9日 23:50 NPOC UG3層 システム管理課~
上のシステムが全てダウンしてから半日以上経った。一向にシステムが復旧する気配はない。ウゥゥゥゥゥゥ―ン。管理室の中に警報が鳴り響いた。

「何事だ」
「報告します。NPOC南西方向から敵機10機が接近中」
「革命国か…」

いったい何が起こるのだろうか。私は軽く笑みをこぼした。
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