◯モノクローム●

黒鼠シラ

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帝国篇

第364話 最強の2人

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「なんだ、、、」
わかったぞ。モールは本当に極端、それだけなんだ。狂ったように攻撃し続けたのちに突如全回復。これに体力を費やさないわけがない、だから今体力不足で完全停止した。段々回復しなかった理由は敵、つまり俺を油断させて確実に攻撃を当てるためか。だいぶ少量ではあるが知性はある。それも戦いに特化した脳みそが。。。

「ただの獣ではないと言うわけか。」
でも今がチャンス。青炎の力をなんとしてでも纏う。そうしなければモールは倒せない。。。

燃やせ、もっともっと温度を上げるんだ。。。モールを倒すんだ、絶対に伸末の仇を取る!、、

怒りと戦いの決意を燃やし、強さのために己を高めていたその刹那、邏喜の脳裏に過去に交わした伸末との約束がよぎった。

"邏喜、俺はラプがいつまでも安心できる安全な場所だと信じ込むことはバカだと思う。ここは理想郷じゃない、いつ壊されるかわからない不安定な場所なんだ。俺たちは歴史上で習うしかなかったことではあるが、過去の葛幸卿侵入事件もあるんだからな。だからさ、俺たちで白怜姫をぶっ倒して世界に平和を取り戻そうぜ。チャドをコンビプレーで倒したんだ、見習いの力程度で下級の中でも強いやつを倒した。俺たちは最強だ!きっと2人でならどんな敵も倒せる!
世界には英雄が必要なんだ。歴史上に登場した大英雄、秤夜幸太のような英雄が。でも佐久間団長も柊副団長も英雄じゃない。めちゃくちゃ強いしたくさんの敵を倒したくさんの命を救った、でも英雄じゃないんだ、秤夜幸太にはなれなかったんだよ。俺には理由がわかる気がする、あの人たちのような強いひと、心も体も強いひとが秤夜幸太になれなかったのは1人だったからだ。仲間がいた、命をかけて信頼できるようなだ。それでも窮地に立たされれば1人で戦わなければならなかった。それは仲間という絆で繋がっているだけだからだ。
だからよ、邏喜、俺たちは2人で英雄になろう。2人で秤夜幸太と並ぼう。いや、越えよう!俺たちならできるよな、だって俺たちは最強の2人だからな!"

伸末、最強の2人にはなれなかった。でも俺はその思いを引き継ぐよ。1人でも英雄になるんだ、そうして世界を救った後に言う、俺は1人じゃなかったから戦えたってね、俺には伸末がいたから戦えたんだって!

「うおぉぉぉぉお」
邏喜の握り締めた剣から赤炎の炎が消えた。その直後光を失った剣に新たな光が灯った。

「炎型・大炎・延豪剣!」
巨大な青い炎が邏喜の握りしめた剣から燃え上がっていた。その燃え上がる青炎は、静まり返ったモールの首に触れた。
そしてその命を一瞬にして青い火花と共に絶った。
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