◯モノクローム●

黒鼠シラ

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断末篇

第335話 邏喜

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「おい、避けろ!」伸末が叫ぶと同時に、チャドの腕が振り下ろされた。二人は素早く反応し、辺りを飛び交う赤炎の閃光をまといながら身をかわした。

「こいつ、ただの下級なんかじゃないぞ…!」邏喜の表情が引き締まる。彼の目の前に立ちふさがるチャドは、その子供のような体型とは裏腹に、まるで重苦しい影を引きずっているかのような存在感であった。周囲の空気もピリピリとした緊張感に包まれている。

「先に攻撃するぞ、準備はいいか?」伸末が叫ぶと、みるみるうちに彼の赤炎が強く燃え上がった。

邏喜も続けて力を込め、剣を振り上げる。「俺も行く!」
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