◯モノクローム●

ドール篇

第172話 海外での危機

ナキビトたちの攻撃は、人類を絶滅の危機に追い込んでいた。特に海外では、その脅威は火のように広がり、一人の上級ナキビトの存在によってほぼ完全に滅ぼされていた。彼女の名は「ドール」。彼は無慈悲に国々を次々と消し去り、残されたのはわずか三つの国のみという悲惨な状況だった。

日本には古くから伝わる「火車術」という強力な剣術があったため、多くの生き残りがいるものの、海外での状況は厳しく、生存者たちは切羽詰まった状況に置かれていた。白怜姫もドールの強さを認めており、彼女の狙いが日本に向けられつつあることを敏感に感じ取っていた。

ラプの幹部たちは、この情報を知ると即座に会議を開いた。宗一郎、柊、蔵前、明、そして新たな幹部である、羽津田直樹(うつだなおき)、佐賀武義(さがぶぎ)は、ドールの拠点のひとつであるカナダの「ドールハウス」に向かうことを決定した。