◯モノクローム●

LAP篇

第137話 お前を止める

「くっ！」葛幸卿はその衝撃に少し後退するが、驚くことに次の瞬間、再び彼は笑みを浮かべて前に出てきた。「その程度か。」その冷徹な言葉に、慈岳は頭にきた。

「俺は、ここにいるんだ！お前を止めるために来た！」彼は声を張り上げ、もう一度鉄球を振り回した。激しいしぶきを上げながら、息を乱し、慈岳は勢いだけで葛幸卿に立ち向かった。その恐ろしい力に先が見えないとは言え、彼は敢えて挑むしかなかった。

慈岳の攻撃は確実にダメージを与えていたが、彼自身もまた、次第に体力を消耗していった。腕の痛み、体全体の疲労が静かに彼を蝕んでいく中、その隙を狙って葛幸卿が反撃を仕掛けてくる。慈岳の動きには制限があり、振り回す鉄球も思うようには扱えなかった。

「ダメだ、動けなくなってきた…！」慈岳は歯を食いしばりながら、その痛みを押し殺していたが、見た目以上に身体はボロボロになっていた。だが「ここで諦めてたまるか！」と何度も自らを奮い立たせるも、葛幸卿の強力な力には到底及ばなかった。