◯モノクローム●

LAP篇

第130話 回復

葛幸卿を追うべく、ラプのメンバーたちは全速力で飛び立った。彼らは葛幸卿の姿を追い、ついに彼に追いつくことができた。周囲には飛び交う葛幸蝶たちが舞い、5人はそれを一掃するために全力を尽くした。

「いくぞ！」サクラの声が響くと同時に、彼らは空気を切り裂くように飛び込んで行った。瞬く間に、彼らは飛んでいる葛幸蝶を打ち落とし、白い粉を撒き散らすように次々と叩き落とした。やがて、空で舞っていた蝶たちは地面にぽろぽろと落ちていく。

「きた！下に落ちた奴を潰すぞ！」直樹が叫ぶと、そのまま地面に落ちたぼろぼろの葛幸卿に目を向けた。彼は疲労し、動くのもままならない状態であった。

「観念しろ、葛幸卿。」ついに彼を追い詰めた5人は、緊張感を高めて彼を見据えた。しかし、その瞬間、不気味なことが起こった。葛幸卿の致命傷と思われた傷が、見る見るうちに回復していった。

「な、なんだ？！」驚愕するメンバーたち。どうやら、葛幸蝶が回復効果を持っていることを彼が利用したらしい。周りにはまだ数匹の葛幸蝶がちらほらと、ぼんやりと動いている。