1 / 7
遭遇
しおりを挟む帰宅ラッシュの夜。窮屈な電車の中で、三雲チヒロは人混みに埋もれて立っていた。
「……」
無言のまま、チヒロはスマホをいじる。
画面には最近ハマっているソーシャルゲームが表示されていた。
今日はレアガチャの日だ。一万円分の課金をして、レアキャラを引く予定になっている。
電車の中はぎゅうぎゅう詰めだった。ドア付近に立つと、周囲の人間の体温を感じるほど密着している。
電車の揺れに合わせて、三雲の隣にいる40代前半くらいの、スーツの男性と肩が軽くぶつかる。
(……ん?)
その瞬間、微かな違和感を覚えた。
だが気に留めるほどのことではないと判断して、再び視線を落とす。
画面上のキャラクターをタップしてレアガチャを引いた。結果は外れ。まあこんなものだ。
次の回はもっと頑張ろうと思いながらホームボタンに触れようとした時、異変に気付いた。
(……えっ!?)
チヒロは目を見開いた。隣にいたスーツの男性が手を伸ばしている。
自分の股間を触っていたのだ。しかも指先がズボン越しに割れ目をなぞった。
「……ッ」
声が出そうになるのを堪えた。しかし男は何度も執拗にそこを擦り続ける。
(ちょ……マジで何やってんだよ!)
周りには大勢の人がいるが、それに気づく人は誰もいない。みんなスマホに夢中だからだ。
そんな中、
チヒロは唇を噛んで耐え忍ぶ。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説



久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…



塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる