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第1章・グランカルト
異世界人はありえない?
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「異世界人・・・お前が、か?」
ふむ・・・と顎をさすりながら考え込むドルガン。
他の人も少し困った顔をしている。
「・・・あれ?異世界人ってあんまりよく思われてないのかな?」
そんなことを思っていると・・・
「すまん、小僧。」
さっきより少し渋い顔をしてドルガンが言う。
「小僧おまえ────頭おかしいのか?」
・・・そうですよね、こっちの世界でもこんなこと言ったらそう思われるよ。
でもさ、ここって異世界、しかもファンタジーだよ!?
異世界人イツモノコトデース、みたいな感じじゃないの!?
ごめん、いつものことは言いすぎた、希にいる、ってとこかな?
って、それよりも問題は異世界人って言ったら地球の奴らと同じ「やべぇ奴」みたいな反応をするファンタジーの住民共だよ!
あんたらこそ騎士とか言ってたらこっちじゃ白い目で見られるんだぞ!?
「あの・・・ほんとに異世界から来たん───」
「───嘘つけ」
「ごめんなさい」
・・・反射で謝ってしまった。
だってすごい殺気だったもん!あの黒ローブよりヤバかったよ!?
け、けどここで引き下がるわけにはいかない!
「僕は異世界人なの!こんなファンタジーな世界なんだからいるでしょ、異世界人!」
「あぁ、この世界にもいるぞ、異世界人」
次に言ってきたのはシュルク。
やぁ、最近出番なかった癖にその上僕を嘘つき呼ばわりしようっての────ぇ?
「いる・・・いるの?」
「あぁ、いる」
じゃぁ、僕が異世界人ってのも分かってくれるんじゃ。
「だからこそお前が異世界人ってのはありえない」
────は?
なんで?まさかの交代制?1世に1人みたいな?
「いやいやいや、だってここにいるよ?異世界人、誰かって?僕だよ!」
「だからありえないって言ってんだよ」
しつこいくらいに自己主張するもバッサリ切り捨てられた。
ショックのあまり地面にへたり込んでしまう。
手にキノコ粉が付いて気持ち悪い。
それはいいとして、まぁよくないんだけど。
だけど1つ疑問がある。必然的に浮かぶ疑問だ。
「じゃあ、なんで僕が異世界人ってのがありえないのか、理由を言ってもらおうじゃないか」
少し睨んでみたが、ショックで涙目になっていたことでただの涙目上目遣いになってしまった。
幼女だったら可愛いけど男がやると気持ち悪いね!
そんなことより、と。
シュルクが口を開く。
「それは・・・」
「それはこの世界に異世界人が存命の間、次の異世界人は召喚されないからだ」
へぇ~・・・でも、いるよ?ここに。
「そして、その異世界人である九龍 煌覇様は現在我らが王に在任している。」
「あ・・・」
そう。
さっきのシュルクの言葉が本当なら・・・
「僕が異世界人っていったら、その王様は死んだって言ってるのと同じ・・・か」
「そうだ、分かったらさっきの失言を撤回しろ」
ならさ、こーすればよくない?
「じゃあ僕をその王様に会わせてよ」
「会わせれるわけないだろ、馬鹿か?」
「そ、その王様なら僕が異世界人かどうか分かるかもしれないじゃん!」
「だから、王は死んだって言ってるようなやつに会わせれるわけ──」
「──わかった、俺が頼んでみよう」
王との対面を拒否するシュルクを抑え、そう言ったのはドルガン。
「王に会ってまで己を証明しようとしてるんだ、もしかしたらなにかの手違いで本当に異世界から来たのかもしれん」
さすが隊長さん、分かってるね。
シュルクは観念したようで。
「・・・わかったよ、取り敢えずドラゴンのことを騎士長に報告して、それから謁見の申請を───」
「──その必要はないよ~」
唐突に正面からかけられた聞き覚えの無い声に。
騎士達は驚愕に目を見開いている。
この反応・・・あぁ、この人が。
「初めまして火黒 コウくん、待ってたよ」
ふむ・・・と顎をさすりながら考え込むドルガン。
他の人も少し困った顔をしている。
「・・・あれ?異世界人ってあんまりよく思われてないのかな?」
そんなことを思っていると・・・
「すまん、小僧。」
さっきより少し渋い顔をしてドルガンが言う。
「小僧おまえ────頭おかしいのか?」
・・・そうですよね、こっちの世界でもこんなこと言ったらそう思われるよ。
でもさ、ここって異世界、しかもファンタジーだよ!?
異世界人イツモノコトデース、みたいな感じじゃないの!?
ごめん、いつものことは言いすぎた、希にいる、ってとこかな?
って、それよりも問題は異世界人って言ったら地球の奴らと同じ「やべぇ奴」みたいな反応をするファンタジーの住民共だよ!
あんたらこそ騎士とか言ってたらこっちじゃ白い目で見られるんだぞ!?
「あの・・・ほんとに異世界から来たん───」
「───嘘つけ」
「ごめんなさい」
・・・反射で謝ってしまった。
だってすごい殺気だったもん!あの黒ローブよりヤバかったよ!?
け、けどここで引き下がるわけにはいかない!
「僕は異世界人なの!こんなファンタジーな世界なんだからいるでしょ、異世界人!」
「あぁ、この世界にもいるぞ、異世界人」
次に言ってきたのはシュルク。
やぁ、最近出番なかった癖にその上僕を嘘つき呼ばわりしようっての────ぇ?
「いる・・・いるの?」
「あぁ、いる」
じゃぁ、僕が異世界人ってのも分かってくれるんじゃ。
「だからこそお前が異世界人ってのはありえない」
────は?
なんで?まさかの交代制?1世に1人みたいな?
「いやいやいや、だってここにいるよ?異世界人、誰かって?僕だよ!」
「だからありえないって言ってんだよ」
しつこいくらいに自己主張するもバッサリ切り捨てられた。
ショックのあまり地面にへたり込んでしまう。
手にキノコ粉が付いて気持ち悪い。
それはいいとして、まぁよくないんだけど。
だけど1つ疑問がある。必然的に浮かぶ疑問だ。
「じゃあ、なんで僕が異世界人ってのがありえないのか、理由を言ってもらおうじゃないか」
少し睨んでみたが、ショックで涙目になっていたことでただの涙目上目遣いになってしまった。
幼女だったら可愛いけど男がやると気持ち悪いね!
そんなことより、と。
シュルクが口を開く。
「それは・・・」
「それはこの世界に異世界人が存命の間、次の異世界人は召喚されないからだ」
へぇ~・・・でも、いるよ?ここに。
「そして、その異世界人である九龍 煌覇様は現在我らが王に在任している。」
「あ・・・」
そう。
さっきのシュルクの言葉が本当なら・・・
「僕が異世界人っていったら、その王様は死んだって言ってるのと同じ・・・か」
「そうだ、分かったらさっきの失言を撤回しろ」
ならさ、こーすればよくない?
「じゃあ僕をその王様に会わせてよ」
「会わせれるわけないだろ、馬鹿か?」
「そ、その王様なら僕が異世界人かどうか分かるかもしれないじゃん!」
「だから、王は死んだって言ってるようなやつに会わせれるわけ──」
「──わかった、俺が頼んでみよう」
王との対面を拒否するシュルクを抑え、そう言ったのはドルガン。
「王に会ってまで己を証明しようとしてるんだ、もしかしたらなにかの手違いで本当に異世界から来たのかもしれん」
さすが隊長さん、分かってるね。
シュルクは観念したようで。
「・・・わかったよ、取り敢えずドラゴンのことを騎士長に報告して、それから謁見の申請を───」
「──その必要はないよ~」
唐突に正面からかけられた聞き覚えの無い声に。
騎士達は驚愕に目を見開いている。
この反応・・・あぁ、この人が。
「初めまして火黒 コウくん、待ってたよ」
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