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第四章 皇都グラウデリアへ
#13 入浴イベント(美少女編)
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──城庭、居残り組、幼女三人除く
「なぁ、そういやヒナリィ達は何処行ったんだ?」
「ほんまやな…さっき席立っていったんは気ぃ付いてたんやけど…戻って来んな……」
「それにぃ~何かぁ三人でぇ~ぼそぼそぉ話してたぁようなぁ~…」
「あぁ、三人は浴場に行きましたよ。ナオト達にお礼をするんだと言って」
ガタガタッ!
『『『ふっ、風呂ぉっ!?』』』
「ええ、ナオトの背中を流すんだ、と。それがお礼のつもりなのでしょう」
「えっ、ちょっと…それ、マズくないっ!?」
「どう考えてもマズいわっ!」
「…?何がマズいのだ?子供と風呂に入っているだけなのだろう?」
「まま、待ってフラム…ひ、弘史さんも…だよ、ね……?」
「ああ、そういうことになるな。それが?」
「い、いくらここ、子供といっても、お、お風呂ってことは…はは、裸、なんだよ…?」
「それは当然だろう、風呂なんだからな。ん?そうか、全員それの心配をしているのか。いくらなんでもそれは無いだろう」
「フラム…お前忘れてないか?あの二人は…漂流者なんだぜっ!」
「……いや、いくら漂流者だからと言って、まさかそんな……」
「…言い切れるんか?フラム……」
「……………」
ガタッ…スタスタスタ……
「え、ちょっとリオ!どこ行くつもりなのっ!」
「…………マスター、と……お風、呂…入る…………」
スタスタスタ……
「ちょっ、おいっリオっ!……あーもぉー!ありゃ止められねぇぞっ!」
「どどど、どうしよう…リズぅ……」
「こんな時までアタシ頼みなのっラナっ!あぁー、もうこうなったら…ワタシ達も一緒に入るしかないでしょっ!」
「マ、マジか…それっきゃねぇのかよ……」
「ナナ、ナオトさんと、お、お風呂……」
「うぅ~…リーちゃんを~一人でぇ行かせるぅわけにもぉ~いかないしぃ……」
「ちょちょ、ちょっと待ってくださいっ!ああ、あの、ひ、弘史さんもいい、居るんです、けど……」
「あーもーこうなりゃヤケだっ、お前らも一緒に入れっ!」
「「なっ!?」」
「もうそれしかないねっ!アナタ達も道連れよっ!」
「ひひ、弘史さんと…お、お風呂……」
「おいトモミ、何故そこで嬉しそうにする……」
「えっ!?あっ、そ、そんなことはなな、ないよっ!?」
「………(そういやウチ、ナオに全部見られとるんよな…夢の中やったけど。今更気にするんも変な話やな…。それにみんなが居るならもっと平気かも……)リオっ、ウチも行くから待ってぇなっ!」
ガタッ、タッタッタッ……
「っ!?シータっ!?」
「ほらっ!もう迷ってる暇なんかないって!ワタシ達も行くよっ!」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ひぃとティシャを脚の上に乗せて二人を愛でつつ、ほっこりしながらお喋りしていると、また何やら入り口の方から喧騒っぽいのが聞こえてきたような気が…。
……ちょっと待て。
ひぃ達以外で風呂に入ってくるのって、まさか……。
とてつもなく怖ろしい予感がして、二人を乗せたまま恐る恐る首だけで顔を入り口の方へ向けたら……
「………マス、ター……お、風呂……一緒、に………入、る……………」
「「ブゥゥゥぅぅっッッ!!!」」
………全裸…の……リオ、ががが……………。
更に………
「ナオ…来ちゃった。えへっ」
「グっハッっ!?」
「あっ、おっ…な……っ!?!?」
………リオの背中に隠れてたシータが、ひょこっと顔だけ出してきた。
「ヒっ、ヒロシお兄さまっ!?」
弘史が鼻血を噴き出し、脚の上に座っていたフラウが血みどろになった。
「フラウっ!?」
「あっ!リーお姉ちゃんにシーお姉ちゃんだーっ!わーいっ、一緒に入ろーうっ!」
ティシャが真っ赤になったフラウに驚き、ひぃが二人を喜んでお出迎えしてる。
そして更に………
「おいっシータっ!一人だけリオに隠れてズリぃぞっ!」
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「ナオトー、幼女枠増やしに来てあげたよーっ、にししっ」
「何故私まで…まぁ、別に構わないんだが……」
「ひひ、弘史さんっ!わ、わたしもきき、来ちゃいました……っ!」
………美少女集団が現れた……………全裸で。
そういやこっちの世界の入浴作法ってどうなってんの?
俺達は何も考えずにタオルも持たず入って来たんだけど…今考えるとアホだな、俺達。
どうやって身体洗おうとしてたのかと。
いや、それよりこっちの世界の貞操観念どうなってんのっ!?
リオはまぁ何となく羞恥心が欠如してるっぽいから分からなくもないけど、他の皆は何故平気で裸体を晒してるのかとっ!
皆はひぃ達みたいにちゃんと身体洗うタオル持ってきてるんだから少しはそれ使って隠そうとか思わないのかっ!?
なに、君ら俺達を逝かせたいわけ?皆のそれ、精神的究極破壊兵器なんですけどっ、まぁ一部肉体的にもなんですがっ!!
これ以上凝視するとホントに逝ってしまいそうだったから、入り口に向けてた顔を勢い良く正面に戻して、皆の裸体を視界の外へ無理矢理追いやり、いつもの口調とかそんなものそっちのけで必死に叫んだ…。
「おっ、お前らぁぁああっっ!!ななな何考えてんだぁぁぁあああ!!!」
「何って…一緒にお風呂入ろうと思って来ただけやし」
「まぁ、リオが暴走したのが事の発端だけどな…」
「それよりもナオトっ、ヒナちゃんやティシャちゃんに変な事してないでしょうねーっ?」
「へっ、変な事って何だよっ!?」
「それはぁ~…ねぇ~?」
「その、イタズラ…したり……とか………」
「っ!?するかっ!そんな事するわけないだろっ!?お前ら俺を何だと思ってるんだよぉっ!?」
「「「「「ロ「それ以上言わなくていいわっ!!!」」」」」」
くっそ!弘史を筆頭に皆して決め付けやがってっ!!
何度も言うけどなっ、幼女は愛でるもんであってそういう対象にしていいものじゃないんだよっ!!
俺の中で可愛がる以外の選択肢なんかこれっぽっちもないわっ!!!
「あっ!まさかそれ確かめに来たとか言わないよなっ!!」
「「「「「「…………」」」」」」
「おいっ!何で誰も何も言わないんだよっ!!!」
皆の方見てないからよく分からんけど、そこで黙るってことはそういう事なんだろうなっ!そんなに道外すようなツラに見えてるとか、ホントガチ凹みするわっ!
ったく、それを確かめる為に自分の身体を曝け出すってことの方がヤバいんだって何で分からないかな君達はっ!
「ナーくん?おこってるのー?」
「え、あっ、いや、怒ってるわけじゃ無いよ?」
「そっかー。じゃあみんなで一緒に入ろーっ!」
「ふぉっ!?ちょっ、ひぃ、それは待って!!」
「?どうしてー?」
「それはっ、そのっ、あれだ!えっと…そ、そう!お兄ちゃん達はひぃ達と一緒に入れるだけで十分なんだよ!だからお姉ちゃん達にはちょぉーっと遠慮してほしいかなぁーなんて……」
「えー!みんなで入った方が楽しいよーっ!」
そりゃ、ひぃ達は楽しいかもしれないけどさっ、俺達にはシャレにならないと思うんですよっ、だからマジ勘弁してくださいっ!
と、はしゃぐひぃをどうやって宥めようかとあたふたしてたら…何事も無かったように湯槽まで来て掛け湯した後、普通に入って来て俺の隣に座ってきたリオ。
あ…胸が浮くって本当だったんですね…ごめんなさい、信じてませんでした。
それに…俺、この胸を触っちゃったのかぁ…。
って違ぁぁあうっ!!
「リっ、リオっ!何普通に入って来てるんだよっ!!」
「あはっ!リーお姉ちゃんだー!わーいっ!」
そう言って俺の脚の上からリオの脚の上に移って座り直したひぃ。
ひぃが乗ってきても相変わらず表情に変化の無いリオだけど、乗ってきたひぃを軽くきゅっと抱きしめて、何だか嬉しそうな雰囲気を醸し出してた。
「………ヒナ、リィ……が……マスター、と…お、風呂に……入って、る…って……聞いた、から………わたし、も………来た、よ…………」
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「………そう、なんだ…………」
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いや、そうじゃなくてっ!
「あの、リオさん…?君が入って来ちゃったら、当然………」
「ナオっ、隣ええか?」
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シータが俺の返事も待たず、俺の隣に…。
昨晩夢の中で、見て、触って、堪能させてもらった身体が、現実として今、俺の隣にある…。
って、だから違ぁぁあうぅぅっ!!
「俺の返事も聞かず何サラッと隣に来てるんだよシータっ!?」
「…ダメ…やった…?」
首を少しだけ傾けて、狐耳を気持ちヘタっとさせて、少し悲しそうな顔を向けてきたシータ。
ちょっ、それ俺にとってはハメ技だからっ、どうあっても返せないっての!
「くっ…あーっ!もう分かったよっ!好きにしてくれっ!!」
「ほな、好きにするなっ!えへへっ」
夢の中と同じでデレたシータが可愛すぎてツラい…現実でも同じ目に合うなんて……。
けど、今は絶対にダメだっ、ひぃ達の前でそれだけはやっちゃいけないっ、耐えて…耐えてみせろっ!俺の理性!パトスの暴発だけは絶対に許すなよっ!!
俺が宣言したのを皮切りに、とうとう皆が湯槽に入って来てしまった…。
はい、完全に包囲されました、裸体の美少女達に。
浴槽の縁に寄り掛かってたから背中側には誰も居ないけど、右隣はひぃを上に乗せてご満悦そうなリオ、左隣にほぼ密着状態のシータ、そして前方にはアーネ、ラナ、マール、リズが。
知美ちゃんとフラムは当然のことながら弘史の所へ行ったんだけど……
「おい、フラウ…酷いことになってるぞ。一旦出て身体を洗おう」
「…でも、ヒロシお兄さまが……」
「ヒロシの事はトモミに任せておけばいい。ほら、洗い場へ行こう。トモミ、ヒロシは任せた」
「う、うんっ、わ、分かった。ティ、ティシャちゃんもおお、お手伝いしてく、くれる?」
「はい、おてつだいいたしますっ」
……鼻血を噴き出した後、白目向いて倒れた弘史を知美ちゃんとティシャが介抱するらしい。
リオの裸プラス獣耳っ娘シータちゃんの破壊力は半端じゃなかったらしい、完全にクリティカルヒットだったみたいだ。
いや、よく分かる、俺も夢の中で見てなかったら同じ道を辿ってたかもしれない。
「ふぅー…まさかこうしてナオトとお風呂に入れるなんてねー」
「それもこれもリオのせいだけどな」
「…………(コテっ……?…………」
「それとぉ~、ヒナちゃん達のぉおかげかなぁ~」
「……?わたしのー?」
「そうだよー、ヒナちゃん達がナオトとヒロシに「リズっ!まだ言うのかよっ!」……にひっ、冗談だって。ナオトがそんなことするはず無いって、ホントはみんな分かってるしー」
「……どうだかな……」
どこを見ても目のやり場に困るこの状況で、平然を装って会話するっていう超高度な技を身に着けつつある自分を絶賛したい。
「ちゃんと分かってますよ。みんなナオトさんがそういう人じゃないってことを」
「ま、ちょっとだけ焦ったんやけどな、みんな」
「ほらな…。どうしてこんな可愛いひぃ達にそんな事が出来ると思ったのか、そこんとこ詳しく教えて欲しいわ」
リオの上にいるひぃの頭を撫でながら皆を問い詰めたい気分になった。
やっぱりそういう風に見えるんだろうか…そうだったら俺もう子供には寄り付かないことにしないといけない…寂しいけど。
「あー、ほら、そこはやっぱナオトも漂流者だからよ…もしかしてってちょっとは思っちまったんだよ」
「他のぉ漂流者とはぁ~違うってぇ分かってたんだけどぉねぇ~…」
「ま、ほら、初めてのことだし、ねっ。これで大丈夫って分かったんだからもう言わないよ。でもどうしてもそういう事したくなっちゃったら…幼女枠のワタシにしときなさいっ。にししっ」
メンバー内ナンバー2の胸をプカプカ浮かせながら、平気でとんでも発言するリズ。
何だよその幼女枠ってのはっ、幼女(偽)は少し黙っててもらえませんかねっ!
ひぃだって居るんだからなっ!
「ひぃの前でそういう事言うなよっ、冗談でもっ!ったく…」
「そうだね、ゴメンゴメンっ。で?ご感想は?」
「…何の感想だよ……」
まぁ、分かってるんですが。
けど素直に答えられるわけがないってのっ。
「そりゃ、もちろんこの状況のことだよー?ハーレム冥利に尽きるでしょー?」
「……正直な、目のやり場に困るし、もうホントいっぱいいっぱいだよっ」
「んだよ、ここまでしてもまだ我慢してんのか?堂々と見りゃいーじゃねーか。それともアタイらだと満足出来ねぇってか?」
「満足通り越してもういっぱいいっぱいだって言ってるんだよっ。ホント勘弁してくれよ……言っとくけどな、これある意味拷問だからな?俺にとっては」
「拷問て…あー、ヒナリィ達が居るからやな……」
まぁ、ただひぃ達が居てくれるから耐えられてるとも言えるんですがね。
だから堂々と皆の裸を凝視するとか以ての外ですから。
もう皆が来てからずっと、パオルさんが鼻を持ち上げないように全神経を集中して精神力を総動員して、ついでに魔力まで使ってるんだからなっ!
「ふふっ…でもぉ~、こうしてぇみんなとぉお風呂ってぇ~…案外ぃいいものぉねぇ~。うふふっ」
「そうね…これもナオトさんが居なければあり得なかったと思うし……」
「いや、ホントあの日ナオトにケンカ売った自分をホメてやりたい気分だぜっ」
「んー、まぁ、今となってはそう思うてまうわな…」
「………マ、スター…が……来て、くれ…て………本当、に…良かっ、た…………」
「ワタシもあの日、仕事休んでなくてホント良かったよー。こうしてお目当ての人の専属受付嬢にもなれたし、ねっ。にひっ」
「わたしもー!ナーくんに助けてもらって、ナーくんとお姉ちゃんたちとお風呂に入って、うれしいーっ!」
皆…俺に出会えて良かったって思ってくれてるのは大変嬉しいし、俺も皆と出会えてホント嬉しいんだよ…。
そしてこの状況…さっきリズも言ってたけど、これぞハーレム冥利に尽きるんだろうな…。
俺様系主人公なら遠慮無く皆を頂いちゃってるんだろう。
俺は精々夢の中が関の山なんだろうなぁ、今はまだ。
けど、そんな風にならなくても十分幸せだと思ってしまってるのも事実なわけで、いやホントに。
まだまだこれからもいろんな事があるだろうし、その時には皆が隣に居るって、そう思うだけでなんかこう、込み上げてくるものがあるんですよ。
だからこそこれを壊さないように、壊れないようにって慎重になってる部分もあったりして…周りから見たら多分それが臆病って取られるんだとしても、もう間違えたくないから、折角貰った二度目の人生、今度こそ大事に、大切に生きていきたいんだって。
「それは俺もだって。みんな…ありがとな」
「ナオトもそう思ってるならもういいじゃない、ほら、遠慮なんかしてないでワタシ達を構いなさいよー、ほらほらっ!」
そう言って俺の方ににじり寄って来て、さっきまでひぃの定位置だった俺の脚の上に乗ってきたリズ。
「ちょっ、待てっ!それとこれとは話が別だっ!頼むからこれ以上は勘弁してくれぇぇぇええっ!!」
俺の叫びも虚しく、この後めちゃくちゃいろいろ押し付けられた、それはもういろいろと。
風呂から出た頃には遂に魔力が枯渇してるんじゃないかってくらい使ったと思う。
ちなみに…弘史は結局俺達全員お風呂から上がるまで復活しなかった。
シータさん、マジパネェっす…。
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