14 / 47
剣闘士編
14:帰還と対策
しおりを挟む「ししょぉ!」
簡単な礼で観客への挨拶を済ませた後、待っていたのは私に向かって飛びついてくるアルちゃんだった。あはは、もう、私今鎧着てるんだから飛びついたら危ないでしょう? それに今回はそんなに苦戦しなかったしさ、いつもの試合と一緒だよ? ほら大丈夫大丈夫、ちょっと疲れただけさ。それに泣くのは奴隷から解放された時の嬉し泣き用に取っておかなくちゃ。
「す、すみません。でも……。」
「うん、ありがとね。それと……、ただいま。」
「っ! おかえりなさい!」
これで、一回目。私は、自分の耳で、必ず彼女の声をあと四回聞く。……ま、一戦一戦が大事な試合だ、毎回喜んでも罰は当たらんよね。
彼女の腰に手を回し、軽く持ち上げる。七倍速を使ったせいで体に影響は出ているけど、倒れてしまうほどのダメージは受けていない。今からもう一戦してもなんとかなるぐらいだ。しっかりと体を休めれば……、大丈夫なはず。
正直この体がどこまで『加速』に対応できるのか、ってのは未知数だ。明らかに前世の人間よりも頑丈なおかげで五倍速までは完全に対応できてるけど、それ以上が結構しんどい。実際の速度は違うし、仮説みたいなもんだけど人間の走る速度を大体時速8キロとするならば七倍すれば56キロ、高速に乗った車と同じような速度を出すことができる。
車とかは鉄の塊だけど、こっちは生身の肉体だ。実際の人間の瞬間的な速度は時速8キロなんか優に超えるし、私の体にどれだけの負荷がかかっているのかは正直解らない。解るのは『七倍よりも先は死の領域』ってことだけ。スキルとしての『加速』の限界はまだ先にあるみたいだけどそれに到達する前に私の体が壊れてしまう。……使う必要がなければいいのだけれど。
「……さ、次の試合に向けた清掃もある。さっさと戻るとしようか、アル?」
「はい!」
抱き上げていた彼女を下におろし、控室までの道を歩く。普段の興行なら誰かとすれ違うこともありそうだが、今日は大事なお祭りだ。死体の処理とか清掃とか、あと賭けの準備とか? まぁ色々あるみたいで試合と試合の間に時間がある様子。……っと、珍しいこともあるもんだね。
「わざわざこっちまで降りてきたの? オーナー。」
「早い決着だったな、ビクトリア。」
そこには、私たちのオーナーが来ていた。彼は滅多にどころか、全くここには来ない。奴隷用の道があるだけで彼にとってここに訪れる価値のある者なんて存在しないからだ。オーナーが変わった後の私の初めての試合も、ビクトリアとしての試合も、いつだってこの人は闘技場に足を運ばなかった。……まぁ結果が解っているようなもの見に来るはずもないか。ん? ということは……、心配してくれたってこと?
「ど、どうしよアル! オーナーがデレ期に入った! 非常にまずいよコレは! これまでお金にしか興味なかった奴が女に興味持ち始めたんだよ! こ、これは何か酷い病気に違いない!」
「えッ! オーナーご病気なんですか!?」
「違うが? ……はぁ、まぁいい。これを。」
そう言うと彼の後ろで控えててくれた名も知らぬ奴隷ちゃんが大きめの外套と二つの分厚い冊子、あと何かしらのチケットを渡してくれる。チケットは……、おぉ。私の次の試合、第二試合の奴。わざわざ指定席の見やすい奴じゃない。なにこれ見て来いってこと?
「そうだ、トーナメント方式のおかげで丸一日の休養期間があるだろう? お前の次の対戦相手ぐらい見ておけ、こちらでは限界がある。」
「あぁ、なるほど。この見るからに怪しい人が着そうな外套着て見ておけって奴ね。」
幾らオーナーがお金持ちでいろんな伝手を持ってたとしても情報収集には限界がある、貴族と繋がってる商人とかはその最たるものだ。それに得られた情報がブラフである可能性も十分存在している。そんなものに踊らされるぐらいなら実際に戦う奴が肉眼で見た方が使える情報が手に入るだろう、って配慮ね。
「その紙束は先日渡した資料の追加になる、そろそろ次が始まるだろう。早く行くといい。」
「あいよ、りょーかい。……あ、あと次の」
「二回戦の第二試合のチケットか? すでに手配している。次はこの者に運ばせるから彼女から受け取れ。」
そう言うともう用は終わりだという雰囲気をぷんぷんさせながら帰っていく彼、お付きの彼女はいい人みたいでなんかペコペコしながらそれに付いて行った。私もアルもオーナーがそういう性格だと知ってるからいらないのにね?
「まぁいいや。……じゃ、情報収集と行きますか。」
◇◆◇◆◇
「だぁー! こうなるんだったら姫騎士に賭けときゃよかったべ!」
「ははは! そうやって見た目で判断するからおめぇはいつまでたっても田舎もんなんだよ! 帝都で長い俺の忠告はちゃんと聞いとけって!」
「くっそぉ~、今日はお前のおごりだからな!」
多くの観客たちに紛れて、私たち二人は普段とは違う視点から闘技場を見下ろしている。この目線の先で広がる空間で普段私は戦っているし、アルも闘技場の地下へと続く道から鉄格子越しで見ている。そのせいか同じものを見ているのに全く別のものに見えてきてしまう。
「……これが市民の目線、ってやつだよ。愛弟子。」
「……はい。」
フードを深く被ってはいるがのぞき込めば正体はバレるし声を知る者なら気が付くだろう、だからまぁ一応呼び方もいつもと変えている。気が付くやつはいるだろうけど今はそんなことを気にするよりも試合に集中した方がお得だ。……にしても、オーナーが一般席でしかチケットを用意できなかったって今年は相当な盛り上がり方なんですかね?
『さぁさぁお待たせいたしましたぁ! 第二試合がいよいよ始まろうとしています!』
「……師匠、次の試合はどんな方が?」
鳴り響く実況の声を聞き流しながらアルに説明を施していく。
片方はおじいちゃん剣士。いわゆる生きる伝説、ってやつだ。剣闘士なんて一年でも続けてたらもうとてもヤバい、って感じのお仕事なんだけどこの人は30年近く戦い続けている。年は50手前と前世の感覚からしたら『老けたおじさん?』って感じなんだけどこっちの世界じゃもう十分なおじいちゃんだ。老化のせいでパワーもスタミナもスピードもないんだけど、これまで蓄積した経験と技術がある。
詳細は解らないんだけど何かしらの特異なスキルを持っているみたいで強い警戒が必要。もし私が戦うとすれば何かされる前に確実に一刀で殺し切る、って感じかな? さすがに対応されないとは思うけどここまで生きてきた化け物に警戒しない方が可笑しい。オーナーが新たに手に入れた情報によると、なんでもそろそろ限界を感じてたらしく最後に一華咲かせてやろう、ってことでお祭りに参加したみたい。
「30年……、とんでもないですね。」
「この人のオーナーが子供の時から剣闘士やってるみたいで意見が通りやすい場所だったみたいね。」
ま、この世界にはクソみたいな人間もいるけど良い人間もたくさんいる。そこは元の世界と一緒ってことだ。そんな人の良い若いオーナーのところに子供のころから活躍し続けている剣闘士が頭下げてきたらねぇ? 応えるしかないってことだろう。
うるさい実況に合わせゆっくりと出てくるのは壮年の男性、髪は全て白髪で身に着けている装備も最低限のものだ。自身の最大の武器である技術と経験を十全に扱うために普段通りに近い装備で挑む、ってことだろうか。
「それで次が……。」
片方が珍しければもう片方も珍しくなるみたいで、反対側からゆっくりと出てくる剣闘士は魔法を扱うことができる。
「……え。」
「こうなるともう仕組んでる可能性が高いよねぇ……、まぁ一番上の権力者さんが主催してるし奴隷如き好きにできるんでしょうけど。」
アルの診断の時にも言ったが、魔法は貴族の象徴で決して剣闘士なんかが扱っていい技術ではない。……だが、私の隣に魔法を扱える農民の出の子がいるように、何事にも例外は存在する。彼のオーナーは貴族で、彼の母親は奴隷だそうだ。あとはまぁ……、言葉にしなくても解るだろう。彼の父親は"最初からいないことになっている"。まぁ奴隷は人じゃないからね、そこら辺はとても自由だ。
優秀な母体を用意してあとは魔法を扱える自身の血があれば簡単に手に入る最強の剣闘士、ってわけだろう。実際教育に金はかかるだろうがお貴族様となればその問題は無視できる。貴族同士のパワーバランスとか、国家と貴族の関係とか色々あるみたいだからねぇ……。私の感性は拒否反応を起こしてるんだけど、こっちの人間にはまぁ放置してもいいレベルの問題みたい。
「あ、あと名義上は彼の懇意にしてる商人がオーナーみたい。」
「……それ私たちが知ってもいい奴なんですか?」
「比較的ダメな方だけどとあるスジじゃ有名なんだって。他に試そうっていう人がいるレベルに。」
ま、どっちみち戦うことになればどうせ殺す運命だ。彼がどんな運命の元で生まれてきたのかは知らないし、どんな気持ちでそこにいるのかも知らない。もちろん知りたいとは思わない。私がもし貴族とかの高い地位であったのならば何か考えたのかもしれないけどね? はっきり言って他人事だ。
「ちなみにですが師匠はどっちが勝つと思います?」
「魔法の方。」
ま、個人の才能もあるだろうけど今回の勝因は資金力の差かなぁ? 魔法使いくんの方は"親"の血がよかった上にその資金力を十全に活かせる立場にある。まぁ奴隷なのは変わらないけど彼の"ご主人様"の道楽が終わるまでは湯水のように金をつぎ込むことができたんだ、オーナーが調べたところによると結構な金額が彼の魔法習得のために使われていて、その上装備だって整えている。
軽装タイプらしくそこまでゴテゴテしてないが、どれも全部最上級の魔化が施されているみたい。さすがにコレは……、おじいちゃんの運がなかった、って感じかな?
「と、なると師匠にとっては如何に攻略するかっていう問題になるわけですね。」
「しょゆこと。」
まぁなんだ? 剣神祭は試合数の問題で時間を掛けて行われる。今日の初日で8試合、明日の8試合で一回戦を終わらせて残り16人に。三日目に8試合を終わらせて残り8人。四日目に4試合をしてベスト4、そして五日目に決勝戦に進める2人を決めて六日目が最終日って予定だ。
つまり私が彼と対戦するのは明後日になる。
「でもまぁ……、彼も当たりかなぁ?」
『それではッ! 試合開始ッー!!!!』
様々な属性を使いながら、おじいちゃんを追い詰めていく彼の様子を見ながら私はそんなことを考えていた。上に行けば行くほど"化け物"としての濃度が高まっていく。目の前のことに向かって準備をするのもいいけど先を見据えた方がいいかもねぇ。
そんなことを考えながら彼が使える魔法の種類を一つ一つ確認していく、そのすべてを一回戦で曝け出してくれるわけはないだろうが使えるものを知っているってだけで十分対策になる。まぁこれでも? アルちゃんに何か教えるためって名目で魔法の教本手に入れましたから? 休憩時間とかかなり読み込みましたから? アルちゃんがちょっと引くレベルで暗記しちゃいましたから? 魔法対策はバッチリってわけだ。
「体術解禁かなぁ……。」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~
月見酒
ファンタジー
俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。
そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。
しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。
「ここはどこだよ!」
夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。
あげくにステータスを見ると魔力は皆無。
仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。
「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」
それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?
それから五年後。
どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。
魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!
見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる!
「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」
================================
月見酒です。
正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる