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原作開始前:聖戦編
76:星になれティアラ
しおりを挟むと言うことでわざわざ伯爵領、来たくもないロリコンの巣窟にやって来たわけだけど……。
「普通に良さそうなところで嫌だわ。」
王都からそれほど遠くない場所にあるのが、伯爵の領土。
その地理を活かし、巨大な市場となっている王都の食料生産を担いながら、管理された森林から供給される木工品や建材なども送り込んでいる王都の屋台骨として有名な場所だ。近くに巨大な鉱山を持つ貴族を事実上支配下に置いていることから鉱石資源も豊富。どんなに下手な領主でも放置しているだけで利益が見込める場所でもある。
さらにもっと凄いのが……、領主の名の下に整備された街道には盗賊一人出てこない。
街の内外に巡回兵がいて、かなりの数がいる。しかも装備の質も練度も高く、そんじょそこらの盗賊や傭兵ごときでは絶対に勝てないだろう。ちゃんと給金が出ているのか賄賂も横行していないようだし、全体的に治安が良い。そのおかげか町の中も活気があって、経済活動も盛ん。
ちょっと見ただけでも、『ここの統治者は有能なんだな』と解ってしまう。おかげさまで今後子爵領を背負っていくエレナは伯爵領に入ってからずっと目をキラキラさせている。正体バレ防止のため仮面をつけて髪も帽子の中に纏めて見えないようにしているけど……。かなりはしゃいでいるのがバレバレだよね。
「すごいわ、すごいわティアラ! やっぱり優秀なんだここの人! 是非教えを請いたいものね……! ねぇティアラ! なんでかママが私は会っちゃダメっていうの! 貴女からも説得してくれない!?」
「あー、ティアラちゃんもナディママさんに賛成なんですが……。とりあえず今のYOUはさ、ここに居ないハズの人間じゃん? 今頃子爵領で鍛錬してるはずだし。敵を騙すのならまずは味方からって言うし、今回は諦めた方がよくない?」
「まぁ確かに身分は明かせないし、貴族でもない子供が領地運営のことを聞きに行ってもおかしいわよね……。解ったわ、今回は我慢する。でも貴女伝手あるんでしょう? いつか絶対紹介してよね。」
あー、うん。じゃあとりあえず13に成ったらね? あいつの守備範囲確か12までだったし。それ以降なら多分無害になってるはずだから……。
ふぅ、何とか誤魔化せたか? 友人がロリコンの毒牙に掛かってるところなんか見たくもないからね。ナディママや天馬騎士団の姉ちゃんたちと協力して何とか近づけないようにしないと……!
(……にしても、かなり急な呼び出しだったよな。仕方ない所があるとは言え、不明点が多すぎる。)
先日迷宮都市でレベリングをしていた私たちの元に届いたのは、伯爵からの要請。
敵が何故か大打撃を受けたため、この好機を逃すまいと攻め込むことを決めた彼ら。先の約定通り参戦を求められ、私たちがこっちにやって来た形になる。
そんな私たちが助力することになった派閥は、元宰相にして五大臣の一人でもあるマンティス率いる一派だ。性癖以外は有能な伯爵が参加しているとあって、その掲げる理念も攻撃を仕掛けるタイミングも、間違っているとは思えない。顔を会したことはないけれど、聞いている感じ、彼らが覇権を取れば悪いことにはならないだろうと考えられる。
だからこそ私も手を貸すことは厭わないし、今後アユティナを信じる私たちの立場を保証するのなら一緒に戦ってあげてもいいんだけど……。
(相手が相手だ。王国教会と戦うと言うことは、王国全土が敵に回るって言ってもいい。数も質も備えているだろうし、指揮を執る相手も有能なはずだ。相手のトップであるクソ女神の頭脳はそこまで警戒しなくてもいいだろうけど……。そもそもこの“4分の3”が消えたって情報、信じ切って良いのか?)
普通なら『一気にそこまで消えるとか有り得ない、墳墓に他の兵を潜ませているのではないか?』と考えるところだが……。そもそもこの状況で、教会側がそんなことをする必要性が薄いのだ。
王国の政治どころか文化にまで深く浸透しているのが、王国教会だ。
つまり教会に逆らうと言うことは、逆賊ということになる。王国の女神へと信仰が薄い者でも、どうしても教会と争うことは精神に負荷が掛かってしまう。つまりあっちの士気は最高潮で、私たちマンティス側は低め。流石に前回の帝国VS王国の時の、王国軍よりは低くないだろうけど……。どうしてもデバフを受けてしまうのは確かだ。
(士気を保つのが難しい、という難点がある。教会が声を掛ければ王都の駐留軍や他の貴族家が兵を出す可能性が高いらしいし、おそらく兵力もあちらの方が上。)
マンティス側、私たち側の強みとしては『忠誠が信仰よりも高く、教会に寝返らない可能性が高い』兵で固められているため、質は良くても数はそこまで多くないようだ。つまり相手側からすれば、質を数でひっくり返すため、各個撃破を避けるために纏まっていた方が強い。
つまり伏兵を用意する必要性が薄いのだ。
それに……。
(墳墓内はいくら序盤中盤に攻略する地点とはいえ、アンデッドが出るし罠も設置されている。中も入り組んでいるし、大軍を潜ませるには向いていない場所になる。)
もちろん『墳墓内でやられた』という虚報を流して他の場所に兵を隠す、ってことをしてもおかしくないんだけど……。
伯爵が潜ませた間者や、無自覚の情報提供者、教会と関係を持つ商人からの情報を合わせて、教会側が大打撃を受けたと言うことは間違いないようだった。戦場となる予定地の周辺で兵を隠せそうな場所は粗方調べたらしいけど、全くそう言うのはなし。
(……つまり、全ての情報を信用しきるわけにはいかないけど、とりあえずは“殲滅された”という前提で動かないといけない。)
となると更に、新しい問題が出てくる。墳墓に教会勢力、もしくは王国の女神が警戒し“早急に対処すべし”という存在がいることになってしまうのだ。
わざわざこちらが対教会のために軍を用意しているところに、墳墓を攻め込んだのかは解らないけれど……。とにかく今後はそっちの様子には気を付けておいた方がいいだろう。
今回の衝突予定地、戦になる場所から墳墓はそれほど遠くはない。やろうと思えば墳墓から戦に介入することもできるだろう。……私の原作知識が意味を為さない、“描写されなかった”部分の存在だ。何が潜んでいるか解らないし、王国教会と敵対しているからといって味方とは限らない。警戒しておくに越したことはない。
「けどまぁ、解らない要素が多すぎて考えても仕方ない、って感じでもあるんだよね。そも今回私たちが任されている“案件”って一つだけだし。」
伯爵が参加するマンティスの一派から求められているのは、“女神”の対応のみ。おそらく私がアユティナ経由の力を解放すれば降りてくるであろうあの存在を殺す。たったそれだけだ。他の奴らがどうなろうとも、私と彼らの契約にはなんら問題はない。
流石に身内が犠牲になっちゃうのは嫌だから全力で助けるけど……、それ以外は無視。むしろ囮として使い捨てる気だって私にはある。それが最善となるならば、悩まず私はそれを選択するだろう。
(そういう覚悟は、だいぶ前から出来てるんだよね。)
私の大目標、故郷に居たころから掲げていた目標は『クソ女神をぶっ殺してこの大陸に平和をもたらす』ことである。もちろんそれは『この大陸に住む人が可哀想だから』っていう主人公染みた思考からではなく、『大陸ぶっ壊されると私が楽しく余生すごせないじゃんか』という理由。
まぁ早い話。女神さえ殺してしまえばいいのだ。懐に入れた身内以外は、どうでもいい。
伯爵は正直面倒なので死んでもらった方が私にとってお得だし、マンティスの一派が死のうとも“主人公”がいれば十数年後にはこの国は健全な形に戻る。王位継承権を持つ“メインヒロイン”と、王の落胤である主人公さえ生き残れば勝手にくっついて勝手にまともな国にしてくれるのだ。
「オリアナさんにも気負い過ぎるなって言われたし……。とりあえず私は私の仕事をすることだけ考えておこうかな?」
ま、そんなことマンティス派の人たちの前で言ったら非難買うだろうから表面上は大人しくしてるけど……。そういう感じで、進めていきましょうか。
そんなことを考えていると急にアユティナ様との念話が繋がり、神の声が聞こえてくる。
【あ、ティアラちゃんー! ちょっと前に言ってた“お洋服”仕立て終わったよー!】
(アユティナ様……。アレ本当に私着ないといけないんですか?)
【そりゃそうでしょ! なんて言ったって今日がティアラちゃんの対外的な“使徒デビュー”みたいな感じでしょ!? それ相応のおめかしはしなきゃじゃん! 私、愛情込めてすっごいの作ったよ! まぁもちろん着せ替え人形にして遊びたいってのもあったけど。ちなみに細かい意匠変えた別バージョンが300着ぐらいあります。】
(多すぎっ! ……ち、ちなみにその割合、理由の“使徒デビュー”と“着せ替え”の割合ってどれくらいです?)
【使徒デビュー5%、着せ替え人形95%。】
それもう使徒デビューを理由に私で遊びたいだけじゃないですか……!
いや着せ替え人形ぐらいなら我慢しますけど、あんなフリフリ多めの可愛い奴着て人前に出るのちょっと羞恥心がヤバいんで勘弁してください。しかも“使徒”として演技と言いますが、それ相応の振る舞いで行くつもりなんですよ? 確かに服装は大事ですけど、フリフリは恥ずかしさ倍増なのでご容赦ください……。
【えー、やだ。ということで強制お着換えッ!】
「ちょ、おまッ!!!」
◇◆◇◆◇
そんなこんなで、ようやく伯爵の屋敷に到着した私たちは、伯爵からの全力の歓迎を受け取る。
まだ本格的に始まっていないとはいえ戦前だというのに、結婚式で着るような白タキシードで身を包み、大きな赤いバラの花束を片膝付きながら私に捧げてくるロリコン。そして彼の後ろには両脇に列を作りずらりと並んだ使用人さんたちが深く礼をしている。……え、何? お前の中ではもう私が嫁入りしに来たことになってる? ふざけるなよ変態。お前を冥土入ろさせてやろうか?
「おぉ! よく来てくれたな我が天使よ! どうだ我らの愛の巣、愛の結晶、いずれ君のモノにもなる我が領土は! 先祖伝来の地を我が手ずから整え育てたのだ。見ごたえがあっただろう?」
「本日はお招きいただきありがとうございます、リロコ伯爵。それとお戯れはよしてくださいまし。」
「……ふむ! 普段の君の言葉遣いも素晴らしいが、そのような物言いもまた一風変わって素晴らしいな! 是非今後も見せてくれたまえ!」
ったくこの野郎……! わざわざ“使徒”として来て話し方変えてるんだから解れよバカ。いや理解しているからこそ遊んでるのか? どっちにしろ二度と顔合わせたくなかったよ。3秒上げるから腹かッ捌いて死んでくれる? 今なら対神用に物資たちをたんまり準備してるし、介錯代わりに試し打ちしてやろうか?
「いやはや! それにしてもその衣装……! なんとも、なんとも素晴らしいのか! きめ細やかにあしらわれた刺繍に、数えるのが難しいほどにレースとフリルがあしらわれているのに一切の野暮ったさを感じない! まさに我が天使のためだけに作られたドレス……ッ! しかも白と言うことは、ウエディング……!?」
「アユティナ様がご用意してくださったものだぞ? お前の汚らわしい欲望で汚すな。」
自分でも驚くレベルで、冷たくドスの効いた声が口から紡がれる。ほぼ反射で出てしまったが、コイツも自分の失策を理解したのか、もしくはここで引いておく方が私からの好感度を高められると判断したのか、どちらかは解らないが、頭を下げながら謝罪を紡ぐロリコン。
「それは大変失礼した、我が天使よ。神への不敬をお許しいただけるだろうか?」
「……神は我ら人に強く関わろうとはしないお方です。ですが常に我らを見守って下さっています。故に何か過ちを犯してしまったのならば、それを糧にし前に進みなさい。神はそう望んでおられます。あと私に求婚するの辞めろ。」
「神の深い慈悲に感謝を。しかし最後のは申し訳ないが出来そうにないな、我が天使への愛は不滅ゆえに。……さて、立ち話も何だろう。奥に案内させてくれ。此度の戦に関わる諸将にマンティスのご老公、そして第二王子殿がこちらにいらっしゃっている。」
「第二王子が、ですか?」
これから屋敷の中に入るのだろう、天馬騎士団や部下の傭兵団のみんなと解れ、オリアナさんとナディさんと共に彼の先導に続きながら、そう聞き返す。
マンティス達からすれば、第二王子は現王を退位させた後に王座に座らせる大事な駒だ。もし教会勢力が伯爵領まで攻め込んできて、王子が死んでしまえば計画が根元から崩壊する。いくらここが戦場になりそうな場所と離れているとはいえ、まだどこかに隠しておいた方がいいと思うんだけど……。士気を高めるために呼んだの?
「それもあるが、他にも理由があってな。……我が天使の神、アユティナ神の庇護を受けると言うことを対外的に示すために、殿下には改宗していただくことになっている。同時に殿下自身も、君に会いたいとのことだ。」
「あぁ、なるほど……。」
私たちがこの戦いに参加することに対する褒章の一つとして、王国によるアユティナ教の保護&国教化がある。それにだがまぁ単に『この宗教を保護しますよー』と国が言い出しても、民の反応は薄いだろう。故に国のトップである国王が先に改宗し、民が後に続けるような状況にする。
私たちとしてはまぁ信者が増えればうれしいけど、アユティナ様が『無理に増やさなくてもいい』というスタンスであるためその意欲は薄い。だから以前のすり合わせの際も、そう言った要求は行わなかった。けれどあちらからこの話題を持ってきたと言うことは……。
政治的に今改宗しておいた方がいい、ってマンティスや伯爵が考えているのだろう。
王国教会は戴冠の儀式などを執り行っているため、政治との関係も深い。やろうと思えば『お前嫌いだから戴冠の儀式してあげない! お前王様にしてあげないもんねー!』が出来てしまう。だからこそそんな関係性を一度切ってしまい、もし戦争後に王国教会が『謝るから許して』ってしてきても『もうウチの王様違う教えに改宗したからお前らお呼びじゃないで、かえれ?』という状態を作っておきたい。そんな布石なのだろう。
「そちら側も色々と準備が必要だろう、故に改宗自体は後日とし今日はマンティス殿と殿下との会談、そして此度の戦に参加する諸将との顔合わせという形になるが……、良いかな我が天使よ。」
「構いません。」
そんなことを考えながら、伯爵の後ろを歩き、屋敷の中に入る。
やはり豊かな伯爵領の館だけあって、内装もかなり豪華だ。エレナの実家である子爵領の屋敷よりも天井が高いし、ただの廊下にも色々と装飾がされている。変態の存在を抜きにすればまぁ一日ぐらいは泊まってみたいな、と思えるような感じだね。
(……屋敷の中を歩いてる使用人の年齢層が異様に低い気がするけど、まぁそれは置いておこう。というか今私のそっくりさんいなかった? い、いや。たぶんコレ考えたらいけない奴だ。)
「我が天使、ここが会談の場だ。」
「ありがとう。……失礼します。」
正直礼の一つも言いたくないが、今の私は“使徒”だ。神の代わりとしてここに居るのなら、だれに対しても慈悲を掛けねばならないだろう。嫌々変態に礼を言いながら、扉を開ける。
中で待っていたのは、口全体が覆い隠されるような白いひげを蓄えた高齢の男性に、おそらくこの世界における成人を迎えたばかり、15程の男がそこにいた。私が入って来たことを確認した二人はすぐに座っていた椅子から立ち上がり、握手のためかこちらに手を伸ばしながら、近づいてくる。
「初めまして、“使徒殿”。第二王子のフェルナンドと申します。」
「どうもご丁寧に、アユティナ様から使徒を拝任しております、ティアラです。」
なんだろ、王族特有の覇気のようなものがこいつから出てるのがわかる。
後光と言うには少し弱いけど、一目で『あ、コイツ王族じゃーん』ってのを理解させられる光だね。確かに昔私が故郷から一番近い町で発していたアユティナ様経由の後光に近いかも。でもなんだろ、たかが王族ごときがアユティナ様の使徒である私よりも光ってるとか、ムカついてきたな……。
せや! 確かアユティナ様から頂いた服って前のゴスロリよりも強化されてたよな! 後光のオンオフスイッチもついてたはず! さっきまでは色々面倒だったからオフにしてたけど、オンにしちゃえー!
光れ、ティアラちゃん! 最大出力ーッ!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(3000年振り最初の信徒+唯一の使徒+神からの愛+その神の手作り神衣+ティアラちゃん最大出力) ≧ 100万カンデラ(フラッシュバン)
感想、評価、お気に入り登録よろしくお願いいたします。
また誤字報告いつも大変お世話になっております。
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