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原作開始前:強化編
50:加護だー!
しおりを挟む白に包まれていた光が、少しずつ晴れていく。
なぜか作った魔法陣を地面に叩きつける際、『お前なぁ……』という顔のオリアナさんが見えた気もするが、まぁ気のせいだろう。何と言ったってこの『神のみもと直通魔法陣』は改良型だ。このまえオリアナさんを連れて行くときに使用したタイプより格段に性能が良くなっている。アユティナ様に指示貰いながら作ったし、すでに何枚か魔力充填して“空間”に保管済みだ。不良品なんてあるはずがないのにね?
最後にひょいっと魔力を込めて、地面に叩きつければ起動する魔法陣。アユティナ様の力が過度に私に流れ込むこともなく、しかも前回より大人数の輸送が可能になっている。無事何事もなく傭兵の子たちも、私たちも、そしてタイタンまで送り届けることが出来た。まさに大満足の仕上がりと言ってもいいだろう。
(っと! 光が晴れる前に準備しとかないと!)
えっと、持ってるお洋服の中から一番上等で使徒っぽい奴……。え、どうしたんですかアユティナ様。白ゴスロリ? いや恥ずかしいでちょっとそれは……。ま、また今度! また今度でお願いします! 今日は“普通”な感じでやりたいんで……。はい、ということでお着換え終了! もちろん【オリンディクス】も持った!
後は魔力を全身に巡らせまして、アユティナ様に刻んでいただいた背中の紋章を起動し、光を乗せる。
これで完成“使徒ティアラちゃん”! ってわけね!
(やっぱり、アユティナ様の“世界”となると。魔力のノリが違うな。)
以前元の世界で魔力を背中に通した時よりも、発光度合いやアユティナ様との繋がり、頂いた加護たちの出力が高まっているような気がする。けれど、その力がどれほど安らぎを与えてくれようとも、全て受け入れてはいけないのだ。そんなことすればまたアユティナ様に怒られちゃうからね。
意識を常に強く、母に抱かれるような強い安心感。それを大きく超えた“暖かさ”がこの身を包んでくれるけれど、その中でも最後まで自身の脚で立てるように、自律できるように背を伸ばす。
うん、信者獲得のためにも、気合入れてかなきゃ。
徐々に晴れていく、転移の光。彼らの目の前に、我が神の紋章を背負う私が見えるよう立つ。
「こ、ここは……。」
ようやく視界が晴れていき、私が雇った傭兵団の子たちがこの世界に姿を現す。アユティナ様がお創りになった、神だけの世界。鏡と見間違えてしまうほどきれいに磨かれた白い床に、人の矮小さを理解させるような壮大な柱たち。私たちが思い浮かべる、最上の神殿に、彼らは連れてこられたのだ。
「無事、転移できたようですね。」
「て、ティアラ、様?」
私が纏う雰囲気の変わり様に、驚いたのだろう。未だ何が起こっているのか理解できない様な顔で、姉妹の一人。姉のソーレが私に声をかけてくれる。彼女の後ろにいるルーナも明らかに動揺しているし、その後ろにいるモヒカンズも圧倒されて全く声が出せていない。タイタンもちょっとビビってるっぽい。初めての表情だ、かわい。
んでオリアナさんは……、めっちゃ呆れた顔でこっち見てる。なんで!?
まぁいい。とにかく進めていこう。
「ここは神の御座す場所。さぁ皆さま、奥に参りましょう。」
今回私たちが転移してきた場所は、ちょっと端の方。と言ってもこの世界自体とんでもなく広いから、アユティナ様が御座す場所までかなり距離がある。アユティナ様がさ、ちょっとお掃除して飾り付けしたって言ってたし、ちょっとそれ見ながらいきましょ。ね?
未だ状況を飲み込めていない様な彼らであったが、私がそういい、オリアナさんも付いて行く姿勢を見せたことで、背後から全員分の足音が聞こえてくる。神の間の荘厳さに圧倒されているのかその進みはゆっくりだが、まぁ仕方のないことだろう。私だってゆっくり見たいし。
そのように足を進めていけば、神が座する椅子。数えられないほどの階段の先にあるあの方に相応しい椅子が、見えてくる。自然とこの身で受ける神の御威光も、強く。
(あぁ。)
普段の私たちに合わせてくださるようなお優しい神ではなく、いわば気合を入れたアユティナ様。この中で一番神のお力を受けているというのに、思わず倒れてしまいそうなその神気。
振り向くことなど出来るわけもないから、後ろの子たちがどんな顔をしているのか解らないけれど……。
圧倒されていないものなど、存在しないだろう。
体が自然と動き、地面に膝をつく。
私が動いたことがキーになったのだろう。半ば倒れ込むように、後ろの者たちも膝をついた音が聞こえる。
「おひさしゅうございます。神よ。」
「あぁ、よく来た。我が使徒よ。息災であったか?」
「はい、もちろんでございます。」
全身に響く、神の声。その言葉一つ一つに、人の身では到底抗いようのない神の気が込められている。
あぁ、よく見ればアユティナ様。とてもお綺麗になってる……。服装もだけど、メイクとかまでなさってるし、髪型とかもすごい決めてらっしゃる……! あ、なんか念話飛んできた。え、その道のプロにやってもらった? 美容関係の神に頼んで? ……すご。
「其方たちはいわば私の子のようなもの。それがこうして元気な顔を見せに来てくれたのだ。これほど嬉しいことはない。」
「勿体ないお言葉。」
「だがティアラよ。お前はいつも、少々性急すぎるのではないか?」
え? そうです? いやよく考えたらそうかも……。ごめんちゃい!
「大変申し訳ございません。ですが言葉で説明するよりも、その身で神の御威光に縋るという奇跡を置けた方が、理解できるかと考えました。アユティナ様のお優しさに縋るようなことになってしまい、大変申し訳ございません。」
「よい。もとよりそこまで責めるつもりはなかった。こんな何もない場所だ。白一色の彩のない場、そこに我が子が来てくれるのだ。彩が増えて良い。」
「最大限の感謝を。」
あ、そういえばなんですけど、アユティナ様っていつもここで生活してらっしゃるんですか? マジで何もないというか、ずっとここで暮らすのはちょっとしんどそうというか……。あ、裏に自室があるんですね。そこで普段は過ごされている、と。……あとでちょっとお邪魔していいです? いいの! やった!!!
「ふふ。さて、ティアラだけと話していれば不公平になってしまう故な。……オリアナ、お前も息災だったか? この者の面倒を見るのは大変だっただろう。」
「いえ、そのようなことは。」
アユティナ様の視線が、オリアナさんの方へ向く。最初はなんか呆れているような感じだったけど、やっぱりここまでくると話に乗ってくれるらしい。まるで騎士様のように、端的に言葉を返す彼女。声にもハリが有って凄いなぁ。私の場合、どうしてもアユティナ様の前だとちょっと甘ったるくなっちゃうもん。ティアラちゃんもキリッとしたーい!
「良い良い、我が使徒が手がかかる存在なのは重々承知している故な。苦労を掛けるだろうが、年を重ねればいずれ大成するだろう。傍で見守ってやってくれるか?」
「必ず。」
「あぁ。……さて、最後になってしまい悪いな、我が子たちよ。お前たちからすれば、今何が起きているかすら理解できぬだろう。せっかくここまで来たというのに、何も知らず帰るのは心苦しい。一つ一つ掻い摘んで説明すべきであろうな。……ティアラ?」
「はい、私から。」
念話によって送られてきた『多分こう説明すれば解り易いし、信じてもらえるんじゃない?』という指示書ことカンペを見ながら、それを口にする私。内容としてはアユティナ様の説明と、あのクソ女神どもはクソっていう話と、あとこの大陸の正統な神様はアユティナ様よ~! って感じ?
神の気か、それともこの部屋の荘厳さか、口を一度も開けぬままに、この子たちはしっかりと話を聞いてくれた。すでに事前調査で、この子たちがあまり信仰を持っていない。王国の女神に対する信仰心を持っていないことは把握済みだ。モヒカンズたちはそもそも王国の教会との繋がりがなかった故に、姉妹たちは神など助けてくれなかったが故に、その信仰は薄い。
「……以上になります。」
粗方説明し終わり、彼らの反応を見る。
本音を言えばこの場で信仰を決めてもらわなくてもいい。確かにいずれアユティナ様を信仰する仲間、でいいのかな? そういうのになってくれたら嬉しいけど、強制はしたくないのだ。
アユティナ様もいってたけど、信仰の自由ってものがある。私たちはあのクソ女神どもをぶっ殺そうとはしてるけど、進んで教会勢力と対立したいわけではないのだ。あ、なんでアユティナ様は『信仰辞めてもいい?』て言っても許してくれるお方だよ。むっちゃ呼び止めるらしいけど、辞めたことでデメリットは一切発生しません!
(まぁ王国の教会とかに垂れ込もうとしたり、スパイとかしてたら速攻で消し飛ばすけど……。全員の表情を見る限り、何か企んでいそうな人はいないかな?)
今後の経過を見る必要があるだろうけど、とりあえずは大丈夫ってことで。
そんなことを考えていると、姉妹二人の視線がこちらを向いていることに気が付く。なんだかよくわかんないけど、慈愛の笑み浮かべとこ。ニコー!
「っ! か、神様! 私ソーレは! 貴方様に信仰を捧げます!」
「わ、私ルーナも! 捧げます!」
「俺も!」
「俺も!」
「信仰する!」
わ! みんな信仰してくれるの! やったー! うれしー!
◇◆◇◆◇
「アユティナ様! アユティナ様! 二桁です二桁! 信者二桁行きました! すっごい嬉しいです! ティアラちゃん感激! 嬉しすぎてお腹米字に裂いちゃいます!」
「グロテスクだからそういう冗談辞めようね? ほんと。最近また蛮族度が上がってるぞ? ……あ、ニュービーちゃんたちさっきはごめんね? いや最初はやっぱ威厳ある感じで行こうかな、って思ってて。でも基本ウチはゆるゆるだからそこんところよろしく~!」
「「(ぽか~ん)」」
「早めに慣れとけ。そしたら楽だぞ。」
色々諸々が終わった後。半ば儀式のようにアユティナ様が椅子から立ち上がり、全力で階段を駆け下り、私にハリセンでスパーンと一閃。いつも通りのお怒りを受けた後、楽しく雑談タイムが始まっております。まぁそんな状況が飲み込めていないのか、姉妹ちゃんたちはお口を閉じることが出来てないようですね。
モヒカンズ? なんかもう順応してるよ。『なかよしさんだ!』『いい!』『フレンドリー!』とか言ってるし。大丈夫っしょ。……なんでお前らそんなに適応早いの? いや別に問題はないんだけどさ。
「でも二桁ですよ、二桁! しかも三桁まで折り返し地点もう過ぎてます! 今後もっと信者増やせるように頑張りますね!」
「頑張ってくれるのはありがたいけどさ、無理しちゃだめだからねほんと。」
そう言いながら、笑いかけてくれるアユティナ様。……およ? お念話がまた繋がりましたね。あ、新しい信者たちのチェック完了した、と。それぞれの頭の中を確認した結果、まだ姉妹ちゃんたちはこの雰囲気に馴染むまで時間がかかりそうだけど、排除すべきスパイとかはいない。そうですか! 良かったー!
「あ、そうだ。新しい子たちはちょっと数も多いし、“信者になってくれた特典”は後で渡すとして……。ティアラちゃん。最近、全然加護あげれてないし纏めてプレゼントしちゃおうって思うんだけど……、どう? これだけ信者ふえたのもティアラちゃんのおかげだし、大奮発しちゃうよ!」
「え!? いやいや! いいですよアユティナ様~! そもそも私貰い過ぎなんですから! 最初のころ色々貰っちゃってますし、子爵領にいたころは全然奉納出来てませんでしたし、大丈夫ですって~!」
「そう? でも私があげたいからあげるね! 受け取れ!!!!!」
魔物素材とか大量に納めてもらってるし、奉納点的にはかなりオーバーしてるからね、と続けるアユティナ様。正直申し訳ないし、勿体なさすぎるのだけれど……。アユティナ様の中では、もう私に何かを贈ることは決定事項のようだ。ならば使徒としてありがたく受け取り、十全に使いこなすまで! 何、頂けるのかな~!
「んじゃ最初は……、タイタンからにしようか。」
「タイタンですか? おーい、聞かん坊! アユティナ様がお呼びだぞ!怖がってないではよこっち来い~!」
「プ、プミ。」
呼びかけるが、反応が悪い。
もう何度か声をかけてみればようやく動き出してくれたけれど……。やっぱ初めて見る顔してる。お耳を後ろに引き絞って、本気で怖がってるタイタンの顔。やば、かわいい。
この子の精神は、まだ野生にある。つまり、圧倒的な強者への耐性がちょっと弱いのだ。
完全に調教が完了しているナディママさんのペガサスとかなら、アユティナ様を目の前にしても動じないでいれるのかもしれないけど……。まだタイタンには早かったみたい。まぁつまり『神』という人や動物をはるかに超えた高位存在にビビりまくってるわけだね。相手が危害を加えず親しみを持って触れ合おうとしているのに、恐怖が勝ってしまうような状態。ちょっとプルプル震えてる。可哀想ではあるけれど……。クソ可愛い。アユティア様カメラない? あ、お馬さんにフラッシュは厳禁? 確かに!
「タイタン、アユティナ様はお前の名付け親だぞ? シャキッとおし!」
「あはは。まぁまぁ。キミからしたらちょっと怖いだろうね。けど限界まで抑えてこれなんだ。ごめんね。……キミのことは、ティアラちゃんを通じてだけど、いつも見てる。キミもキミなりに頑張っているね。だからちょ~っと、プレゼントしちゃおうかな。これで相棒を支えてあげるんだよ。」
アユティナ様はそう言いながら、ひょいッとその指を振られる。
その瞬間、タイタンの体に何かが纏わりつき始め、形を形成する。これは……、ペガサス用の鎧?
「そ! 宝物庫にタイタン君に合うサイズの鎧がなかったから、私の手作り。アダマントで作った真っ黒な鎧だよ。対地対空両用の鎧で、動きを阻害せずに最大の防御力を得る。もちろん単純な防御力以外にも、ちょっと色々機能を付け足しててね?」
自分の体に装着された謎の存在に驚くタイタンの顔を楽しみながら、アユティナ様の説明を聞く。
どうやらこの鎧には複数の効果が付与されているようで……、まずは材質がアダマントと解らないようにする『認識阻害』だ。地上世界におけるアダマントは、超高級素材。そうそう手に入るものではない、というか王族でもアダマント製の武器を持てるか怪しい、ってレベルで希少だ。
つまり何の身分もない私が持っているのはおかし過ぎるってことだね。そこでこの『認識阻害』が役に立つって寸法だ。一般的な鉄製の鎧と勘違いさせてくれるこの機能によって、余計なイベントが起きないようになっている、って感じ。
んで次は、『特攻無効』。これが驚異的というか、ただのチートで……。『空騎士』にとって天敵である“弓兵の攻撃”と、“魔法兵の風系の魔法”。その攻撃に付く特攻効果を受けなくなるという代物だ。ちなこれ、騎馬だけではなく、騎乗者にも効果を及ぼすらしい。
「……いやチートでは?」
「バックに神がついてる時点でチートでしょ。気にしない、気にしない~。あと他も劣化の防止とか、重さの軽減とか、着用者の健康度向上とか、色々つけておいたよ。白い体に、黒い鎧。とっても似合っているし、性能も十分。結構限界まで効果乗せたし、“最後”まで使えるレベルだと思うよ。」
「すっご。……良かったねぇ、タイタン。」
「プミ!」
最初は戸惑っていたようだが……。その反応からして、鎧が気に入ったのだろう。ちょっと嬉しそうな声を返してくれるタイタン。あら、そんなに重くない上に、動きやすいの。良かったねぇ。ほらアユティナ様に御礼言いなさい。もう言った? ならヨシ。偉い子はナデナデしてあげ……
あ? 鎧に指紋つくから触るな? ……。没収ッ!
「ブ!?」
「着脱を簡易化するために、“空間”にそのまま収納できる機能も付けておいたけど……。もう活用してるね。あとティアラちゃん? ここで暴れられると後で掃除面倒だから付け直してあげて。」
「はーい! けッ! 命拾いしたなタイタン。」
「ブブブ!!!!!」
“空間”からタイタンを指定し、鎧を着せてやる。すると即座に彼の体に装着される真っ黒な装具。……カッコいいし便利だな。アユティナ様! ティアラちゃんもこういうの欲しい!
「というと思って用意しといた。ほい、っと。」
我が神がそう言うと、天から何か緑の光が下りてきて、私の胸の奥へと入っていく。
自身の魂の方へ意識を向ければ、私の魂を中心として回る衛星。アユティナ様から頂いた加護の中に、新しい力が増えていることが解る。では早速起動してみまして……!
「とりあえず12セット。あらかじめ登録しておいた服や装備に瞬時にお着換えできる、って加護だね。ティアラちゃん【山の主の衣】とかに着替える時、ちょっと苦労してたでしょ。そういうのもボタン一つで簡単変身、戦闘中の装備変更とかも出来るから活用してみてね。……あ、あとさっき言ってた白ゴスロリ。先にセットしておいてあげたから……、キ・テ・ネ?」
「ア、ハイ。」
見てみれば、確かに白ゴスロリが一番上のセットの所に登録されている。私が故郷を出て最初に立ち寄った町で来たのと同じ、真っ白な奴だ。あれ後光とか覇気とかそういうのとんでもなくマシマシになっちゃうから苦手なんだけど……。さっき「また今度!」って言っちゃったし、もうどうしようもない。というかアユティナ様、取っておいてたんですね……。
おとなしく一番にセットされてあった白ゴスロリを選択し、それに着替える。……あ、これ。服だけじゃなくて、髪とかメイクとかもセットできるんですね。便利。でもこの真っ白でクソひらひらしてて、しかもなんか覇気みたいなの出力がドカンと上がる感じ……。
「やっぱり滅茶苦茶恥ずかしいです……。」
「そう? 似合ってるし可愛いよ。というわけで次行ってみよー! 多分これティアラちゃんが一番欲しがってたやつじゃないかな? はい、これ。」
そう言いながら、アユティナ様が手渡してくれるのは、何かの球体。
ピンク色で、なんか規則的に穴が開いてて、中央に紐が入ってて、玉の色がピンク?
……もしかしてこれ、SMプレイとかでよく使う口にハメるボール? お口からよだれデレデレ出ちゃうやつ?
「あ、アユティナ様? そ、そういうのは嬉しいですし、私も頑張ってメスブタしますけど、流石にみんなの前はちょっと……♡♡♡」
「……怒った方がいい?」
「ア、スイマセン。ナンデモナイデス……。」
えっと、こちらのボールギャグことSM器具は、『成長の宝玉』というアイテムになります。いわゆるレベルアップ時のステータス上昇時に、バフをかけてくれるアイテムですね。まぁ見た目が完全にアレなので、よく原作の二次創作R18同人誌界隈ではただのSM器具として使われてましたが……。
うん! まぁ見た目はあれだけどありがたいです!!!
「あとそういう使い道の器具の形が、宝玉の形に似ているって言うのは、ティアラちゃんと私ぐらいしか知らないから……。あとそれ一応【オリンディクス】と同じ階位の道具、神器級だからね。いや別にそういう使い方するな、とは言わないけどさ……。」
「あ、あの。なんかすいません……。」
「何というか、人のそういう欲ってすごいよね。」
で、ですね……。
「まぁとりあえず、それで頑張ってレベリングしておいで。一応私の方でドーピングアイテム、っていうの? 各種ステータスを上げられるアイテムとかも宝物庫探したらあったんだけどね? ほら私の権能って“進化と成長”じゃん。アイテム使って努力せずにステータスを上げるようなアイテム、私があげちゃっていいのかな、っていう話もあって……。」
「あぁ、確かに。権能にちょっと反しちゃうかもなんですね。」
「そ。だからさ、ダンジョンでそういうアイテム見つけたら、それと同じ種類のを追加であげようと思うの。一回入手した奴が、今後お店の品揃えになるRPG、そんなシステムで行こうと思うのよ。」
原作ゲームの話にはなるけれど……。この世界にはドーピングアイテムがあった。使用すれば対応したステータスを向上させるってものだ。『力の宝玉』だと、ATKが+2されるって感じだね。ちな使用制限があって、一人に付き最大+10まで。つまりALL+10までしか能力の向上はできないの。
それ以上使った場合? 肉体が耐えきれずに爆散して死にます。面白いでしょ。
でもこの宝玉系のアイテムって、ドロップ率低いし、50階層以降しか出てこない。まともに集めようと思ったら90階層以降のボスラッシュでやるのが最適なんだけど……。まぁ原作開始までに残り8年あるし、地道に頑張っていくしかなさそうだね。一個でも手に入れればアユティナ様が追加でくださるってことだし、そうそう酷いことにはならないはずだ。
うっし、気合入れてこ!
「つまり……、『成長の宝玉』を使ってレベリング。それでより深くダンジョンに潜って、各種ステータスアップの宝玉をゲット。そしたらアユティナ様から追加でプレゼント。目指せつよつよティアラちゃん! ってことですね!」
「そゆこと。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇ソーレ&ルーナ
王国の女神に対する信仰の念など欠片も残っていなかったが、異端者がどうなるのかとか色々知っているが故に、滅茶苦茶覚悟決めて信仰を変えた。おそらく覚悟の決まりかたはティアラよりも上、自分たちの命を助けてくれた尊敬すべき人に、守ってやってくれと頼まれたのがティアラ。だからこそ一番に声を上げたのだけれど……。
わぁ、とってもふれんどりー。
〇モヒカンズ
ノリで決めた。
え! 武器もらえるんですか! しかも鋼! 新品でピカピカだぁ!『信者多くなってきたし、あんまりいいのは上げられないんだけど……。普段使いするならこれぐらいのランクの方がいいでしょ。頑張ってたらティアラちゃん通じて他にも色々あげるからね。』マジっすか! あざーすっ!!!
【黒鎧タイタン】
効果:特攻無効
信仰を取り戻しつつある神が使徒の騎馬に送った鎧。その騎馬と同名の黒鎧は、その強靭な肉体を補う様に生み出された。主のために全ての障害を取り除き、共に戦乱を生き抜けるよう神からの想いが込められている。
感想、評価、お気に入り登録よろしくお願いいたします。
また誤字報告いつも大変お世話になっております。
次回、奴が来る。
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