崩壊世界で吸血鬼少女と

u2

文字の大きさ
上 下
5 / 7

探索

しおりを挟む
その後、しばらく車を走らせ、目的の都市に到着した。まず向かうのは宝飾店だ。中に入ると、宝飾品が

手つかずで残されていた。人々は感染を恐れ都市には近づかない。

俺はAKのストックでガラスケースを割り、宝飾品を回収していく。特に銀製品を優先して回収した。

この世界では金より銀のほうが貴重だ。感染者は銀が弱点だからだ。


そのため、銀のアクセサリーを身につけている者は多い。

「これでいいな。優花、葛城。これを頼む」

「はい」「任せて!」

次に俺は銀行に向かった。そして金庫を漁る。

「おっ当たりだ!」

中には金の延べ棒がぎっしり詰まっていた。

「こっちは外れ」

葛城が入った金庫には札束がぎっしり収められていた。もうこの世界では何の価値もないものだ。

すると優花が札束の一つを手に取り俺に聞いてきた。

「昔って本当にこの紙切れを食料や物資と交換できたのですか?」

「ああ。昔はこの紙で何でも買えた。人の尊厳さえも。人の価値がこの紙の数で決まった時代だ。俺たちは身を粉にして働き、対価としてこのくだらない紙切れを受け取っていたんだ」


「信じられませんね……」

「そうだな。だが、それが現実だったんだよ」

「でも今は……」

「そうだな。こんなの何の役にも立たないゴミだ」「じゃあこれは私がもらっておきますね」

優花はそういうと、大量の札束をリュックに入れた。それから俺達は次の目的地へと向かった。

家電量販店だ。そこで俺たちはスマホやパソコンなどの電子機器を回収する。

たとえ壊れていても基板からレアメタルを取り出せる。そして俺はいいものを手に入れた。

ドローンだ。これがあれば偵察や攻撃の幅が広がる。


それから俺達は次の場所へ向かった。

次はドラッグストアだ。ここには医薬品があるはずだ。

「優花、葛城。ここで必要な物資を集めてくれ。俺も探す」

「了解です!」「分かった!」

二人はすぐに行動を開始した。俺も店内に入る。「さすがに誰もいないな」

棚は空っぽで、商品は一つもなかった。レジカウンターには店員の物と思われる血痕が残っている。

「ひどいな……」

俺は床に散らばっている薬を拾う。

「鎮痛剤に抗生物質か……まぁこれだけあれば十分かな」

俺が薬品を回収していると、優花たちが戻ってきた。

「佐藤さん!見つけましたよ!」

二人が持ってきたのは食料品と缶詰類だ。俺たちはそれらをリュックに入れる。

それから俺たちは放棄された車を漁り、バッテリーや燃料電池を回収した。

特に燃料電池はパワードスーツの動力源だ。絶対に確保したい。

回収を終えた俺たちは物資を車に積み込み、発車した。もうここに用はない。

「次はどこへ?」

「闇市だ」

しおりを挟む

処理中です...