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82. 無双、そして新事実 ②

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「さてどうする、ステラ?」
と僕は指揮官たるステラにこいつをどうするかを聞く。
「捕縛してちょうだい。」
と冷ややかな目で王を見ながらステラは言った。
「ま、待てステラ。こ、このわしを…実の父親をお前は捕まえるのか?」
と王は慌ててステラに言う。
「ええ、そのつもりよ。確かに、貴方は私の実のお父さん…なんてことは知ってるわ。でもね、私のお父さんだからと言ってこの国の法を捻じ曲げるわけにはいかないの。それが私の信条よ。“曲がったことは身内であれ許さない”これができる人こそ真の人格者だと思うの。」
とステラは言い返した。
「おのれ…あの時…聖女様に言われたことをわしがきちんと遂行していれば…」
と王は震えていた。
「まあ、とりあえず捕縛だけさせてもらうぞ。」
と言うと僕は水魔法で王を縛り上げる。
「ありがとう。あとは任せて…これでクーデターは終わり…私たちの勝ちよ。」
とステラが言うと、
『『ウオォォォ!!』』
と歓喜の声が上がった。その後しばらくすると、ナギエたちがクロエを連れて追いついてきた。ルイトはだいぶボロボロになっていたが、こうして僕ら協力組は誰1人かけることなく、クーデターを成功させた。城のバルコニーに出てみると、空が若干白み始めている。綺麗な朝焼けだ。
「お疲れ様。また何かあったらよろしくね。」
とステラは握手を求めてきたので、みんなで握り返す。
「あたりまえだ。友達だろ?」
とルイトは言うと、ステラはびっくりしたように目を丸くしたが
「ええ、そうね。」
と笑った。今日は解放祭…この国が支配から解放された記念日。この日僕らは友人を助け、国のこれからを確かに変えることに成功した。



・そして1週間後…
「いやぁ、まさかここまで変わるとはな…」
と僕は今日の新聞を机に広げると言った。新聞には大見出しと共に、国王が不正や犯罪をしまくった挙句、娘達の手によって捕まったというニュースが一面に載っていた。
「次の国王は誰がなるのかな?」
「いや、まだ評議中らしい。」
「ん~順当に考えればステラな気がするんだけどな。」
とステラにルイト、ルプスが話していると、
「こら、そこ!もうすぐホームルームが始まりますよ。ほらミナトもその新聞しまいなさい。」
と先生が入ってきた。
「うわやっば。じゃ、あとでな!」
と三人が各自自分の席に戻る。先生は全員が自分の席に着いたことを確認すると、
「はい、じゃあ今日のホームルームを始めるのだけれど、その前に編入生を紹介します。」
と言った。それと同時に教室の扉が開き、1人の少女が入ってきた。僕ら4人は、
「…え?」
と固まった。編入生は、ペコリと一礼すると、
「私は、ステラ。ステラ・レムブルグです、よろしくお願いします。」
と言った。
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