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22. 選択科目
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数週間後、僕ら3人は食堂で朝食を摂っていた。
「えっ?孵ったの?あの卵が?」
とルイトが言う。
「そうなんだよ。ね~ナギママさん?」
「そうやって揶揄うのやめてよクロエ…僕まだお母さんになるには早いって…と言うか正直昨日はインパクトが強すぎてもう面倒ごとはお腹いっぱい何だよ」
とげんなりとする。ちなみに何でクロエがシズが僕をママと呼んでいるのを知ってるのかというと、
「にしてもクロエの“能力”が読心なのは結構驚いたよ。」
と僕は言った。そう、クロエには自分の意志で心を読み取ることができる。まあ惜しむらくは…
「まぁけど読心って言っても知性を持たない奴と人間には意味が無いけどね。」
とクロエは焼き魚の身をほぐしながら言った。
ちなみに朝食は、お米・味噌汁・卵焼き・焼き魚というザ・和食の構成になっている。どうやら王都の方では穀物類を炊いて食べるという方法はメジャーな食べ方らしい。ここはアリア領とは違っているということをしみじみと実感していると、
「そういえば今日から普通科の人たちは部活と選択科目が始まるけど2人は何にしたんだ?」
とルイトが聞いてくる。
「私は園芸部で、選択は魔術と錬金術にしたね。ナギちゃんは?」
「僕は調理部で、選択は魔術と銃の二つを取ったよ。ルイトは?」
「俺は剣道部で、選択は魔術と剣術の二つを取ったな。と言う事は魔術はみんなで講義を受けられるな。」
とルイトが嬉しそうに話していると、
「あんたら、いつまでここにいるつもりなんだい?あと15分で授業始まるよ?」
と食堂のおばちゃんに言われ周りを見渡すと誰もいなかった。
「「「や、やばっ!」」」
と僕らは叫ぶと、バタバタと食器類を返却口に突っ込むと食堂を後にして校舎へと走った。
・
・
・
(ギ…ギリギリ…セ、セーフ…)
無事に遅刻を免れた僕らは各々の教室に滑り込んだ。
「つ、つかれた…」
と机に突っ伏していると、
「な、ナギエちゃん、大丈夫?」
と声をかけてくる。
「ん~、大丈夫だよ。ありがと、リーナちゃん。」
顔を上げると、そこにはクラスメイトのリーナ・ヴァレンタインがいた。
リーナはヴァレンタイン男爵家のお嬢様で、ふわふわとした白いウェーブのかかった髪にカチューシャをしている可愛らしい子だ。容姿端麗で文武両道さらには人当たりも良いと人気者になれる3コンボを持っている。
「そーだよ、リーナ。ちょっと心配しすぎだって。おっす、ナギエ。」
ともう1人僕に挨拶をしてくる。
「おはよ、メイ。」
挨拶をしてきたのはメイ・ストロンベリー。ストロンベリー公爵家の3女で男勝りな性格をしているが、面倒見がいい。所謂、姉御肌な子だ。ちなみに彼女は隠し事を見抜く超がつくほど直感が強く、その直感は“能力”ではないらしい。
そして今日もその才能は遺憾なく発揮されている。
「なぁ、ナギエ。お前ここに来てすぐあたりに何かいいことあったろ?」
とメイから聞かれる。
「うぐ…さすがだね…やっぱ鋭いなぁメイは。」
「ふふ、やっぱりメイちゃんの直感は今日も絶好調ね。」
「それで?もちろん話してくれるよな?」
とメイに言われたので、
「もちろん、まあ放課後にでも…」
と言うと、
「おーい、メイ、リーナ。席につけ~」
と先生が言い、HRが始まる。はぁ…今日も学校頑張るか…終ったらシズをもふもふしーようっと。
「えっ?孵ったの?あの卵が?」
とルイトが言う。
「そうなんだよ。ね~ナギママさん?」
「そうやって揶揄うのやめてよクロエ…僕まだお母さんになるには早いって…と言うか正直昨日はインパクトが強すぎてもう面倒ごとはお腹いっぱい何だよ」
とげんなりとする。ちなみに何でクロエがシズが僕をママと呼んでいるのを知ってるのかというと、
「にしてもクロエの“能力”が読心なのは結構驚いたよ。」
と僕は言った。そう、クロエには自分の意志で心を読み取ることができる。まあ惜しむらくは…
「まぁけど読心って言っても知性を持たない奴と人間には意味が無いけどね。」
とクロエは焼き魚の身をほぐしながら言った。
ちなみに朝食は、お米・味噌汁・卵焼き・焼き魚というザ・和食の構成になっている。どうやら王都の方では穀物類を炊いて食べるという方法はメジャーな食べ方らしい。ここはアリア領とは違っているということをしみじみと実感していると、
「そういえば今日から普通科の人たちは部活と選択科目が始まるけど2人は何にしたんだ?」
とルイトが聞いてくる。
「私は園芸部で、選択は魔術と錬金術にしたね。ナギちゃんは?」
「僕は調理部で、選択は魔術と銃の二つを取ったよ。ルイトは?」
「俺は剣道部で、選択は魔術と剣術の二つを取ったな。と言う事は魔術はみんなで講義を受けられるな。」
とルイトが嬉しそうに話していると、
「あんたら、いつまでここにいるつもりなんだい?あと15分で授業始まるよ?」
と食堂のおばちゃんに言われ周りを見渡すと誰もいなかった。
「「「や、やばっ!」」」
と僕らは叫ぶと、バタバタと食器類を返却口に突っ込むと食堂を後にして校舎へと走った。
・
・
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(ギ…ギリギリ…セ、セーフ…)
無事に遅刻を免れた僕らは各々の教室に滑り込んだ。
「つ、つかれた…」
と机に突っ伏していると、
「な、ナギエちゃん、大丈夫?」
と声をかけてくる。
「ん~、大丈夫だよ。ありがと、リーナちゃん。」
顔を上げると、そこにはクラスメイトのリーナ・ヴァレンタインがいた。
リーナはヴァレンタイン男爵家のお嬢様で、ふわふわとした白いウェーブのかかった髪にカチューシャをしている可愛らしい子だ。容姿端麗で文武両道さらには人当たりも良いと人気者になれる3コンボを持っている。
「そーだよ、リーナ。ちょっと心配しすぎだって。おっす、ナギエ。」
ともう1人僕に挨拶をしてくる。
「おはよ、メイ。」
挨拶をしてきたのはメイ・ストロンベリー。ストロンベリー公爵家の3女で男勝りな性格をしているが、面倒見がいい。所謂、姉御肌な子だ。ちなみに彼女は隠し事を見抜く超がつくほど直感が強く、その直感は“能力”ではないらしい。
そして今日もその才能は遺憾なく発揮されている。
「なぁ、ナギエ。お前ここに来てすぐあたりに何かいいことあったろ?」
とメイから聞かれる。
「うぐ…さすがだね…やっぱ鋭いなぁメイは。」
「ふふ、やっぱりメイちゃんの直感は今日も絶好調ね。」
「それで?もちろん話してくれるよな?」
とメイに言われたので、
「もちろん、まあ放課後にでも…」
と言うと、
「おーい、メイ、リーナ。席につけ~」
と先生が言い、HRが始まる。はぁ…今日も学校頑張るか…終ったらシズをもふもふしーようっと。
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