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20. 絶望の学校生活

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昼休憩、僕らは学校の屋上に集まっていた。しかし、全員疲れ切った顔をしていた。
「はぁ…つかれた…」
といつもは元気なルイトでさえ屋上のベンチでグデーとしている。
まぁかと言う僕も紙パックのいちごミルクに似た飲み物をズゴーと不機嫌そうに吸っていた。
「ったく、ここの奴らは面倒な奴しかいないよな…」
とルイトが愚痴った。
「ルイトくん…何されたのよ…」
とクロエが呟く。
「いや…騎士科のバカ貴族に目つけられたぐらい?」
と言う。
「それぐらいならまだマシでしょ!」
ウガ~と頭を掻きむしる。お陰で髪がボッサボサになった。
「ああ、もう、ナギちゃんせっかく髪が綺麗な色してるんだから綺麗にしときなよ。」
とクロエに髪を櫛ですいてもらう。ちなみに、僕の今の髪型は、フワッとしたショートボブのような髪型にしているが、これはクロエにしてもらったものだ。
「はい、できたよ。」
とクロエに髪型を直してもらう。
「ん、ありがとう。…というかクロエは何もなかったの?」
と聞くと、
「うぅん、そんなことないよ…」
スッとクロエの碧色の瞳から光が消えた。
「…なんかあった?」
と聞くと、コクリと頷いた。
「?クロエならなんか良く分からんけどなんか色んな人から話しかけられていたぞ?」
とルイトが思い出したように言った。
「…もしかしてだけど、言い寄られた?」
と聞くと、
「…もう嫌だ…逃げたい…冒険者カード持ってるし、もう冒険者として行きたい…」
フルフルと震えていた。なんか…うん、かわいそうだったので、空間魔法で拡張したリュックサックの中から雑貨屋で売っていたフルーツジュースを取り出して、
「…はい、あげるよ…」
とクロエに渡す。
「あ…ありがと…」
「ねぇ、俺の分は?」
「…はい、」
「?何これ?」
「ルチガルの実のジュース。」
「………なんでそんな物持ってるの?」
「作った。」
「oh、相当病んできてるな。」
ちなみに、ルチガルの実は別名ヘルフルーツと言われていて、味はとてもいいのだが、いかなる調理法をしてもとある性質がなくならないことで有名な果物だ。さらに言えば、その性質とはとてつもなく腹を下すことだ。これは人間のみの性質のようで、獣人などの亜人種の人や、馬などのペットや騎乗動物には大人気なのである。
と鬱な話をしていると、ドバン!と大きな音がしてとある男が現れた。
「ようやく見つけたぞ!おい、そこの平民!」
と僕を指差す。
「え、僕ですか?」
と聞くと、
「お前以外に誰がいるのだっ!」
とキレてくる。
「それで、どちら様でしょうか?」
ともっともな質問をしたら、
「お、お前、この貴族科一の魔法使いとして有名なこのフォーレッタ・アルベリアズ様を知らないのか?」
とやたらオーバーリアクションで驚くフォーレッタ。いやね…知らないんだよ、もう、本当に誰だよテメェなんて思っていると、
「喜べ平民。貴様はこれから私の好敵手と認めてやろう!」
ドドン!という効果音がつきそうなドヤ顔で宣言してくる。
…どうしよ…全然嬉しくないどころか、迷惑でしかない。
「う~あ~え、えっと…あ、ありが…とう?」
というと、
「ありがとう。ではなく“ありがとうございます”だろ!これだから平民は…」
とバカにしてくる。
「おい、なんか言えよ!」
といら立ってきたような声で言ってくるので、大人しく
「あ、ありがとうございます。」
とだけ言っておくと、
「ふん!次からは気をつけろよ!」
と鼻息荒く屋上から姿を消した。
「…何…あれ?…」
とクロエが呟く…
「あれが今の僕の中で1、2を争うほどヤベェ人だよ…一応、アルベリアズっつー有名な伯爵家のご子息さんらしいよ…」
と力無く僕はつぶやくと、
「あ、時間だ…」
とルイトが呟いた。気づけば昼休みの終わりを告げるチャイムが高らかに鳴り響いた。
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