28 / 61
本編
29話 凶刃②
しおりを挟む
「…なんかすごい人だったね…」
と真由は呟いた。
「あれが姉ちゃんたちの学校の生徒会長さんかぁ、面白そうな人だね。私ああいう人好きだよ。面白い人は好き。」
と優木が言った。
「…あの人結構苦労してそうだね…」
と美琴も呟いた。
「…気を取り直してどっかお店で何か食べよっか。」
というと、
「あ、さんせ~い。私ラーメン食べたい!」
と優希が言った。
「いいね。じゃあマコトくん、案内よろしく。」
「ちょっと待って美琴、なんで俺がガイドすることになってるんだよ。この商店街にラーメン屋さんなんて1、2店しかなかった筈だろ?」
というと、
「いやいや、食べ歩きももうしたし、あと1つなんかガッツリ食べてお家に帰るでいいんじゃない?」
と返してきた。
「みんなもそれでいいよね?」
と美琴は真由と優希にも聞く。すると、2人は
「全然、いいよ。」
「マコトくん、美味しいとこ連れてってね。」
と言ってきた。
「真由、ハードル上げるのやめて。」
と言ってから僕は少し思案する。そして、
「よし、じゃあ、あそこに行くか…」
と呟くと、僕は持っていたコロッケを口の中に放り込むと、包み紙を近くのくずかごに捨て、歩き出した。
・そうして数分後、僕らはあるラーメン屋さんの前にいた暖簾には、“神楽錦”と書かれている…まあここは確かにラーメン屋さんだ…なんだけど…
「…屋台?珍しいね。最近だと全く見ないよね。」
と優希がいう。
「まあまあ、見てくれはアレだけど、ここは本当に美味しいから。」
というと、
「見てくれがアレで悪かったな。」
と屋台のおっちゃんが話しかけてきた。
「お久しぶりですね。おっちゃん。元気にしてましたか?」
「おう、相変わらずだけどな。…それより後ろの嬢ちゃんたちはどうしたんだ?」
「親父の子供だよ。最近再開できたんだよ。おっちゃんと初めて会った時よりだいぶいいよ。」
「そうか…それはよかった。実はな、俺も最近嫁さんと子供も帰ってきたんだよ。」
「そうなんですか!よかったですね。あ、僕いつもので。」
と僕はおっちゃんと談笑しながら席に座り注文をする。
「みんなはどうする?」
と聞くと、
「メニューどこですか?」
と美琴が聞く。
「メニューなら上についてあるぞ。」
というと、3人は上の品書きを見て、
「私、ミニチャーハンと豚骨ラーメン。」
と美琴が、
「私はあんかけラーメン。」
と優希。
「私は…そうね、チャーシューメンにしようかな?」
と真由が言った。
「はいよ。」
というとおっちゃんはラーメンを作りながら、
「実はな、俺とこいつはななんやかんやでもう2年の付き合いなんだよ。」
と僕との出会いを話し始めた。
「2年前のこいつはな、辛気臭ぇ面してやがってな、なんかこう…見ててほっとけない奴だったんだよ。だからラーメンを奢ってやって、そん時に何があったか聞いてやったんだよ。」
と言いながらおっちゃんは僕の目の前に餃子を、美琴の前にチャーハンを置いた。僕は早速、餃子を一つタレをつけてから食べる。
「うん、変わってませんね。懐かしい。」
「だろう?こいつはな、その日以来週2で来るようになったんだよ。悩みを聞いたり言ったり、愚痴を言い合ったりして、親友みたいな関係だったな。最近は見ないと思ったら、大変なことになってるじゃねーか」
と言いながら僕らの前にそれぞれ自分の頼んだラーメンを置いた。
「ほい、おまちどうさま。熱いから気をつけろよ。」
と僕は昔よく食べていた特製の醤油ラーメンを啜った。麺は少し硬めの太麺で、スープがよく絡んで美味しい。変わらない美味しさという奴だ。
「お、美味しい!」
と美琴も、真由もみんな驚いていた。とりわけ驚いていたのは優希だった。
「こ、このあんかけラーメン美味しいです!これその辺のお店より断然美味しいですよ!これ作るのすごい手間かかりませんでしたか?」
「お、嬢ちゃん、わかるか?そうなんだよ。このあんかけはこの店の裏メニューのようなものなんだよ。」
とおっちゃんと優希は何やら盛り上がっていた。
と真由は呟いた。
「あれが姉ちゃんたちの学校の生徒会長さんかぁ、面白そうな人だね。私ああいう人好きだよ。面白い人は好き。」
と優木が言った。
「…あの人結構苦労してそうだね…」
と美琴も呟いた。
「…気を取り直してどっかお店で何か食べよっか。」
というと、
「あ、さんせ~い。私ラーメン食べたい!」
と優希が言った。
「いいね。じゃあマコトくん、案内よろしく。」
「ちょっと待って美琴、なんで俺がガイドすることになってるんだよ。この商店街にラーメン屋さんなんて1、2店しかなかった筈だろ?」
というと、
「いやいや、食べ歩きももうしたし、あと1つなんかガッツリ食べてお家に帰るでいいんじゃない?」
と返してきた。
「みんなもそれでいいよね?」
と美琴は真由と優希にも聞く。すると、2人は
「全然、いいよ。」
「マコトくん、美味しいとこ連れてってね。」
と言ってきた。
「真由、ハードル上げるのやめて。」
と言ってから僕は少し思案する。そして、
「よし、じゃあ、あそこに行くか…」
と呟くと、僕は持っていたコロッケを口の中に放り込むと、包み紙を近くのくずかごに捨て、歩き出した。
・そうして数分後、僕らはあるラーメン屋さんの前にいた暖簾には、“神楽錦”と書かれている…まあここは確かにラーメン屋さんだ…なんだけど…
「…屋台?珍しいね。最近だと全く見ないよね。」
と優希がいう。
「まあまあ、見てくれはアレだけど、ここは本当に美味しいから。」
というと、
「見てくれがアレで悪かったな。」
と屋台のおっちゃんが話しかけてきた。
「お久しぶりですね。おっちゃん。元気にしてましたか?」
「おう、相変わらずだけどな。…それより後ろの嬢ちゃんたちはどうしたんだ?」
「親父の子供だよ。最近再開できたんだよ。おっちゃんと初めて会った時よりだいぶいいよ。」
「そうか…それはよかった。実はな、俺も最近嫁さんと子供も帰ってきたんだよ。」
「そうなんですか!よかったですね。あ、僕いつもので。」
と僕はおっちゃんと談笑しながら席に座り注文をする。
「みんなはどうする?」
と聞くと、
「メニューどこですか?」
と美琴が聞く。
「メニューなら上についてあるぞ。」
というと、3人は上の品書きを見て、
「私、ミニチャーハンと豚骨ラーメン。」
と美琴が、
「私はあんかけラーメン。」
と優希。
「私は…そうね、チャーシューメンにしようかな?」
と真由が言った。
「はいよ。」
というとおっちゃんはラーメンを作りながら、
「実はな、俺とこいつはななんやかんやでもう2年の付き合いなんだよ。」
と僕との出会いを話し始めた。
「2年前のこいつはな、辛気臭ぇ面してやがってな、なんかこう…見ててほっとけない奴だったんだよ。だからラーメンを奢ってやって、そん時に何があったか聞いてやったんだよ。」
と言いながらおっちゃんは僕の目の前に餃子を、美琴の前にチャーハンを置いた。僕は早速、餃子を一つタレをつけてから食べる。
「うん、変わってませんね。懐かしい。」
「だろう?こいつはな、その日以来週2で来るようになったんだよ。悩みを聞いたり言ったり、愚痴を言い合ったりして、親友みたいな関係だったな。最近は見ないと思ったら、大変なことになってるじゃねーか」
と言いながら僕らの前にそれぞれ自分の頼んだラーメンを置いた。
「ほい、おまちどうさま。熱いから気をつけろよ。」
と僕は昔よく食べていた特製の醤油ラーメンを啜った。麺は少し硬めの太麺で、スープがよく絡んで美味しい。変わらない美味しさという奴だ。
「お、美味しい!」
と美琴も、真由もみんな驚いていた。とりわけ驚いていたのは優希だった。
「こ、このあんかけラーメン美味しいです!これその辺のお店より断然美味しいですよ!これ作るのすごい手間かかりませんでしたか?」
「お、嬢ちゃん、わかるか?そうなんだよ。このあんかけはこの店の裏メニューのようなものなんだよ。」
とおっちゃんと優希は何やら盛り上がっていた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
【完結】王太子妃の初恋
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。
王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。
しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。
そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。
★ざまぁはありません。
全話予約投稿済。
携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。
報告ありがとうございます。
伝える前に振られてしまった私の恋
メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました
鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と
王女殿下の騎士 の話
短いので、サクッと読んでもらえると思います。
読みやすいように、3話に分けました。
毎日1回、予約投稿します。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる