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28 またこのパターンか ※
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「あ、いらっしゃいませ」
玄関を掃いていたら、高藤様が入って来た。
あまり混んでない昼の時間だけど、イシュレイの予約が取れたらしくひどくご機嫌だ。
イシュレイはもうすっかり売れっ子で、近々序列も変わるらしい。
俺としたら、小憎らしいリシャールを抜いてほしいと思う。
馬が合わないってあるんだよ、大人げないけど。
「ぽめ太、陰間辞めたんだって? 勿体ないね」
多分、高藤様も俺が渡り人って知ってたと思うんだよな。身近にお祖父様っていう渡り人がいたんだから。
オーナーが出てきて挨拶してから、二人で高藤様の後ろ姿を見送る。
あれ?
「俺、前に高藤様のお相手しましたよね。ご指名あったってこと?」
「あぁ、たまにな。断り続けるのもなんだし、挿入なしで許可したんだ」
「えぇ? なんで断るの?」
「俺が嫌だから。まぁ、渡り人の話も聞きたいかと思ってな。仕事はついでだ、ついで」
お偉いさんのご指名を私情で扱うのもいかがなものかと思う。
「掃き掃除はいい。あんまり無理するなよ」
「でも、陰間辞めたら下働きか厨番じゃないですか。出来ることしないと」
「奥向きをしてくれればいい」
思い出したように敬語使うのやめろ、と言いながら、箒とちりとりを持ったままオーナーの仕事部屋に連行された。
「ほら、これ」
オーナーが寄越してきたのは、なにかの届け出書だった。
え? 奥向きってこういう……?
ちょっと頬を染めて、書類を見つめる。
「渡り人の届け出だ。貰ってきてやったぞ」
なーんだ。
「なんで変な顔してんだ」
「なんでもありませんー」
奥向きって言うから、プライベートの世話かと思ったじゃないか。
結婚の届け出と勘違いしたなんて、恥ずかしいから絶対言わない。
「俺が代筆してもいいのか? いい加減名前ぐらい書けるようになれよ」
向かいで足を広げて座ってるから、説明事項を読んでるオーナーの脛が丸見えだ。
つい悪戯心が出て、足を伸ばして脛をくすぐった。
「おい、やめろ」
俺の足を蹴られる。
楽しくなって足の攻防をしていたら、オーナーに足をがっしり掴まれた。
「イテテ、なにすんの!?」
「こっちの台詞だ。したいのか」
「違っ、楽しかったからで」
俺の足元に座り込んだオーナーが見上げてくる。
睫毛長いよなぁ、いい男だよなぁ、この顔に弱いんだよなぁ。
あぁ、もう。
正直、欲求不満だ。
「あ、あのさ。そろそろいいよ」
「何が?」
分かってるくせに言わせる気だろ。
「挿れてよ」
オーナーのを俺の足の指で触れる。ちょっと、この人もう完全に勃ってんだけど。
「寝室行くか?」
俺のを触らないで足の指を舐めてくる。焦らしモードだ。
オーナーのを足で扱きながら、俺はここでって答えた。ベッドまで待てないよ。
俺の尻をオーナーの指が解していく。もう3本入ってて、ぬちゅぬちゅとローションだかなんだかの音がしてる。
勃ったペニスが付けたままの下着を押し上げて窮屈でつらい。
俺の喘ぎ声は全部オーナーに抱きついた肩口に吸い込まれていた。
「痛むか? 体勢辛くないか?」
こんなときに優しい言葉をかけてくるなんて。きゅんきゅん来ちゃってそれだけでイキそう。
「……もう挿れてぇ、お願いぃ」
オーナーが呻いた。
「んぁ! んっ」
「はぁ、きっつ」
オーナーに両足を抱えられて貫かれてる。十分慣らしてもらったのに、久しぶりだから圧迫感がすごい。
でも、待ち望んだオーナーのだ。
少し脇腹と肩口が痛んだけど、嬉しさと愛おしさの方が勝る。
俺の良いところを知り尽くしたオーナーのぶっといのが、ゴリゴリとソコを擦る。
「やだ、あぁん!」
「気持ちいいか?」
気持ちいい。脳が痺れるくらい気持ちいい。
「腰揺らしてやらしいなぁ」
あんたが仕込んだんだろ。
悔しいから、オーナーの指を舐めて上目遣いに見上げた。
煽られたような顔で笑ったオーナーにゾクゾクしてしまう。
ペロッと唇を舐めたオーナーが、ドンッと奥に進んできた。
気づいたら床に降りてオーナーに抱えられてた。
「あっ! やぁ、イイ、気持ちいいッ、あっ、イク、イッちゃうぅ」
「たまんねぇな」
前が解けた俺の肩口の傷に、オーナーが舌を這わせる。皮膚が薄いからかすごく感じるんだ。
そっと脇腹を撫でる優しい手付きなのに、オーナーの腰の動きは凶悪で俺の奥を容赦なく抉っていく。
大きな喘ぎと俺の精液が一緒に出て、オーナーのも中で弾けた。脈打って感じるのは俺の心臓の音なのかオーナーのものなのか分からない。
すんごく満たされた。
「お取り込み中、失礼します」
オーナーに抱きついてたら、扉の前でハザナさんが冷静な顔で立っていた。
「組合長がお見えですが、お待ちいただきますか?」
もぉ、このパターン何回目?!
玄関を掃いていたら、高藤様が入って来た。
あまり混んでない昼の時間だけど、イシュレイの予約が取れたらしくひどくご機嫌だ。
イシュレイはもうすっかり売れっ子で、近々序列も変わるらしい。
俺としたら、小憎らしいリシャールを抜いてほしいと思う。
馬が合わないってあるんだよ、大人げないけど。
「ぽめ太、陰間辞めたんだって? 勿体ないね」
多分、高藤様も俺が渡り人って知ってたと思うんだよな。身近にお祖父様っていう渡り人がいたんだから。
オーナーが出てきて挨拶してから、二人で高藤様の後ろ姿を見送る。
あれ?
「俺、前に高藤様のお相手しましたよね。ご指名あったってこと?」
「あぁ、たまにな。断り続けるのもなんだし、挿入なしで許可したんだ」
「えぇ? なんで断るの?」
「俺が嫌だから。まぁ、渡り人の話も聞きたいかと思ってな。仕事はついでだ、ついで」
お偉いさんのご指名を私情で扱うのもいかがなものかと思う。
「掃き掃除はいい。あんまり無理するなよ」
「でも、陰間辞めたら下働きか厨番じゃないですか。出来ることしないと」
「奥向きをしてくれればいい」
思い出したように敬語使うのやめろ、と言いながら、箒とちりとりを持ったままオーナーの仕事部屋に連行された。
「ほら、これ」
オーナーが寄越してきたのは、なにかの届け出書だった。
え? 奥向きってこういう……?
ちょっと頬を染めて、書類を見つめる。
「渡り人の届け出だ。貰ってきてやったぞ」
なーんだ。
「なんで変な顔してんだ」
「なんでもありませんー」
奥向きって言うから、プライベートの世話かと思ったじゃないか。
結婚の届け出と勘違いしたなんて、恥ずかしいから絶対言わない。
「俺が代筆してもいいのか? いい加減名前ぐらい書けるようになれよ」
向かいで足を広げて座ってるから、説明事項を読んでるオーナーの脛が丸見えだ。
つい悪戯心が出て、足を伸ばして脛をくすぐった。
「おい、やめろ」
俺の足を蹴られる。
楽しくなって足の攻防をしていたら、オーナーに足をがっしり掴まれた。
「イテテ、なにすんの!?」
「こっちの台詞だ。したいのか」
「違っ、楽しかったからで」
俺の足元に座り込んだオーナーが見上げてくる。
睫毛長いよなぁ、いい男だよなぁ、この顔に弱いんだよなぁ。
あぁ、もう。
正直、欲求不満だ。
「あ、あのさ。そろそろいいよ」
「何が?」
分かってるくせに言わせる気だろ。
「挿れてよ」
オーナーのを俺の足の指で触れる。ちょっと、この人もう完全に勃ってんだけど。
「寝室行くか?」
俺のを触らないで足の指を舐めてくる。焦らしモードだ。
オーナーのを足で扱きながら、俺はここでって答えた。ベッドまで待てないよ。
俺の尻をオーナーの指が解していく。もう3本入ってて、ぬちゅぬちゅとローションだかなんだかの音がしてる。
勃ったペニスが付けたままの下着を押し上げて窮屈でつらい。
俺の喘ぎ声は全部オーナーに抱きついた肩口に吸い込まれていた。
「痛むか? 体勢辛くないか?」
こんなときに優しい言葉をかけてくるなんて。きゅんきゅん来ちゃってそれだけでイキそう。
「……もう挿れてぇ、お願いぃ」
オーナーが呻いた。
「んぁ! んっ」
「はぁ、きっつ」
オーナーに両足を抱えられて貫かれてる。十分慣らしてもらったのに、久しぶりだから圧迫感がすごい。
でも、待ち望んだオーナーのだ。
少し脇腹と肩口が痛んだけど、嬉しさと愛おしさの方が勝る。
俺の良いところを知り尽くしたオーナーのぶっといのが、ゴリゴリとソコを擦る。
「やだ、あぁん!」
「気持ちいいか?」
気持ちいい。脳が痺れるくらい気持ちいい。
「腰揺らしてやらしいなぁ」
あんたが仕込んだんだろ。
悔しいから、オーナーの指を舐めて上目遣いに見上げた。
煽られたような顔で笑ったオーナーにゾクゾクしてしまう。
ペロッと唇を舐めたオーナーが、ドンッと奥に進んできた。
気づいたら床に降りてオーナーに抱えられてた。
「あっ! やぁ、イイ、気持ちいいッ、あっ、イク、イッちゃうぅ」
「たまんねぇな」
前が解けた俺の肩口の傷に、オーナーが舌を這わせる。皮膚が薄いからかすごく感じるんだ。
そっと脇腹を撫でる優しい手付きなのに、オーナーの腰の動きは凶悪で俺の奥を容赦なく抉っていく。
大きな喘ぎと俺の精液が一緒に出て、オーナーのも中で弾けた。脈打って感じるのは俺の心臓の音なのかオーナーのものなのか分からない。
すんごく満たされた。
「お取り込み中、失礼します」
オーナーに抱きついてたら、扉の前でハザナさんが冷静な顔で立っていた。
「組合長がお見えですが、お待ちいただきますか?」
もぉ、このパターン何回目?!
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