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:若社長、調子に乗る:

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 その頃、ナカゾノ工業の御曹司の姿が彩葉の周囲にないことに気を良くした辰之進の変態度は、ますますエスカレートしていた。
「変態って言葉じゃ表現しきれないわ、この馬鹿社長!」
 彩葉の怒号が炸裂するのも無理はない。メイド服がさらにセクシーなものへと進化したのだ。
 彩葉から見ると、黒の水着にシースルーのベビードールというかエプロンのようなものがついているとしか思えない。いや、水着と呼べるほどに体を覆ってはいないので、これは、立派なセクシーランジェリーだろう。
「ほら、これも備品だ。いいだろう?」
「どこが!」
 彩葉の護身術が炸裂するが、それを掻い潜りながら辰之進が、すちゃ、と彩葉に装着したものは猫耳カチューシャ。そして猫尻尾と首輪。
「ご主人さまお仕事するにゃ! と……言ってみてくれ」
「……ごしゅしんさまおしごとするにゃ」
「なんだその棒読みは! 可愛く! 首を少し傾けて!」
「あのね……」
「彩葉、お前だってその気になっているだろ?」
 にやりと笑った辰之進が、素早く彩葉を抱きしめて足の間に手を入れてくる。
「ひゃ……」
「ほら、濡れてるぞ。期待している証だ……」
 真っ赤になりながらも拳を握った彩葉が婚約破棄を考えはじめたとき、不穏な音が彩葉耳を掠めた。
「あの……」
「うん?」
「ポケットに何を隠してるんですか。不穏な音がしてます」
 バレたか、と、辰之進が照れながら取り出したのは、小型の筒状のものと妙な形をしたシリコンと思われるカラフルな物体だった。
「我が社の試作品だ。社長として試さないわけにはいかないからな」
「どうしてそう、アホなことばっかり……お断りよ!」
 あっという間に部屋から逃げ出した華奢な体を投げ網で捕らえ、ベッドに放り出す。
「その格好で廊下を走るとはいい傾向だ」
「う……」
 辰之進は素早くソレを彩葉の体内に挿入した。
「スイッチ、オン」
「ひゃあ……いやぁ! やめてぇ」
「気持ちいいだろ?」
 あ、あ、と呼吸が乱れた彩葉が小刻みに震える。
「とめ、て、や、やだ……これ、強い……」
「中と外、両方同時に刺激するバイブだから……お、気持ちよさそうだな」
 角度を調整して彩葉の弱いところへ当ててやれば、白い体が艶かしく動く。ひっきりなしに喘ぎ声が漏れ、極小どころか紐しかない下着がぐっしょり濡れる。
「……一人で気持ちよくなるな、彩葉」
「ああっ、止めちゃ……やだぁ……」
「俺のをくれてやる」
 へ……と、彩葉は蕩けた目で辰之進を見た。イケメンが、にたり、と笑った。
「さ、仕事もしないといけないし。起きて」

 数分後ーー。
 彩葉は、辰之進の膝の上に座っていた。
 二人の目の前にある机には、仕事の資料とパソコンが散らばっている。
 彩葉を背後から抱きかかえる形の辰之進の手は、彩葉の柔らかい胸を揉んでいる。
「すぐに、乳首が硬くなったよ、彩葉……」
「んっ……だっ、だからっ……レポートをっ……」
 左右に限界まで広げられた足の間はすっかり潤って粘着質な水音を立てている。
 だが頑なに彩葉は資料を見つめ、パソコンから手を離そうとしない。
「残念、今日はオモチャでいかせてやれないんだ。ごめんよ、彩葉。これについてレポート書いてもらわなくちゃならないからね……」
 わざわざ、きみを気持ちよくしたオモチャをよく見て、と、辰之進が耳元で囁く。
「もう見なくてもっ……」
「そうだよね、俺の指を二本飲み込むくらいぐちょぐちょだから、このまま、挿れるよ……」
「え」
 ベルトが外される音がし、すぐに辰之進の逞しい剛直が姿を現した。
「だ、だめ、いま、レポートのっ……じゅん、びっ……あっ、や、まって、リモートっ……会議がっ……」
「とろとろに蕩けた顔を、みんなに見てもらうか? ほら、会議に参加するためのボタンは、ココだぞ……」
 さすがに辰之進も彩葉をオンラインで晒す気はない。手が届かないよう、パソコンを遠ざけてキスをする。
「彩葉、愛してる」
 舌を絡ませると、彩葉の閉じた瞼と下腹部がきゅんきゅんと震え、与えられるであろう強烈な快感と刺激を待っているのがわかる。
「ん、はぁ……」
「いい加減、俺にどこででも抱かれることに慣れろ。命令だ」
「そんな命令っ……無……」
 無理、という前にキスで塞がれ、間髪を入れず体が持ち上げられて辰之進の剛直の上に墜とされた。
 あっという間に最奥まで飲み込んでしまい、彩葉が背を逸らせて悶える。
「ひゃ、あ、うっ……」
「いい締りだ……最高だよ……彩葉は俺だけのもの……ほかの誰にも渡さないから……」
 突き上げられながらも、彩葉はがくがくと首を上下にふる。
「……愛してるよ、彩葉」
 彩葉の左手薬指の指輪を、辰之進がくるっと撫でる。その刺激にも彩葉はピクピクと反応する。
「開発しがいのある体だよ……」

 はじめておもちゃを使わずに抱かれたのだが――そのことに彩葉が気付いたかどうかは、定かではない。
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