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:若社長、確認する:
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その一方で、辰之進は彩葉に承諾を貰わねばならない書類のことで頭がいっぱいだった。
「――強硬手段、と怒るだろうか……」
「え、な、に?」
「いや? お前は可愛いな、と思って」
ご冗談を、と、彩葉はあっけらかんと笑う。そのあまりに自然な反応に、う、と辰之進は天井を仰いだ。
今まで辰之進に絡んできた女性たちは、この場面でこんな反応をしない。
さらなる駆け引きに持ち込もうとしてきた。だから辰之進も駆け引きに応じて、遊んだり遊ばれたりを繰り返してきた。
彼女たちとは、それでよかった。
――俺の気持ち、彩葉にはちっとも通じないんだよなぁ……どうしたらいいかな……?
暇さえあれば抱いているというのに、彩葉の気持ちがわからない。一方的に欲望と趣味をぶつけていたのだとしたら、それはもう、セフレですらない。フレンドであるなら、多少なりとも相手の気持ちを思いやる。
うーん、うーんと考え事をしながら歩くものだから、ローターがランダムモードで彩華を苛んでいることに気がつかない。
「あ、ああっ……」
懸命に歩いていた彩葉がついに立ち止まる。
唇を噛み締めて前かがみになり、懸命に声を漏らすまいと頑張るが、短く艶のある嬌声が響く。
はっと辰之進が我に返った。
「可愛い声を出すなよ……あいつが来ちゃうだろ」
掬い上げるように肩に担がれて、彩葉はぎょっとした。
「ばっ、ば……スカートっ……中がっ……」
そのまま足早に寝室まで彩葉を運び込み、ベッドにそっと下す。
ローターのスイッチを止めれば、はぁはぁと荒い呼吸の彩葉がいる。目は潤んで頬は紅潮し、何とも色っぽい。
「あんまり、煽るな」
そんなわけないでしょ、と、彩葉は睨みながらもベッドから降りようとする。慌ててその体を捕まえてベッドへ押し倒す。
「や、も、やめて……ください……い、や……」
「嫌!?」
まさか、と。
ローターやディルドを使っているときはあんなに従順なのに、そうでないときは逃げようとする。
「確認させろ。彩葉、あいつにヤられなかっただろうな?」
「あ、あ、当たり前でしょう! 確認なんていりません」
「だめだ、確認させろ」
どうやって! と、叫ぶ彩華の手はあっという間にネクタイで縛られ、声は辰之進のキスによって塞がれてしまった。
軽い触れるだけのキスが数回、すぐにキスは深くなる。
辰之進のキスで、彩華の体からはすとんと力が抜ける。それを見て取って、よし、と不敵に笑う辰之進は、再びローターのスイッチを入れた。
「あ、また、それ……」
「お前の弱いところを、徹底的に攻めてやる」
いやいや、と、彩葉が首を横に振った。
彩葉も、必死だった。
オモチャを使われると、なぜか途端に抗えなくなる。あっという間に体の芯がとろとろにとけて、快楽で理性が飛んでしまい、気が付いたら辰之進に抱かれてしまっている。
なぜ、辰之進が暇さえあれば自分をオモチャで責め立てるのか、いまひとつわからなかった。
辰之進の相手を喜んでする令嬢はいくらでもいるだろう。完璧な御曹司である辰之進が、なぜ自分を追い回すのか。
体の相性がいい、それはあるだろう。
だったらあたしたちはセフレかな、とぼんやり思うが、しかし辰之進とはフレンドではない。雇い主とメイド。大企業の御曹司とただの社長令嬢。どう考えても立場が違う。
「彩葉、何を考えてる?」
「なっ、なにっ、も……」
ふいっと不自然に逸らされた目線が、辰之進に火をつけた。
「俺を煽るな」
あっという間に下半身が裸にされてしまった。いきなり両足を左右に広げられる。彩葉の顔がたちまち朱に染まる。が、その表情は恍惚としている。これから行われることへの期待が、彩葉を昂らせているのが辰之進にはわかる。
さっきまでローターを飲み込んでいたのだ。そこはすでに潤っている。
「ぐちょぐちょだ……」
溢れる蜜を指先で掬って彩葉に見せつける。羞恥できゅっと下半身がわずかに震える。
ぐりぐりとローターを肉粒にあてれば、それだけで、びくびくと彩華の腰は震えてとろりと蜜が溢れてくる。
「本当にいやらしい体だな、彩葉……物欲しそうにしてるぞ」
「ちが、う……」
「俺も我慢の限界だ……挿れるぞ」
え、と彩葉の目が見ひらかれた。
ローターはまだ、振動を続けている。
「まって、だめ、そんな……あああああ!」
ローターで責められながら、辰之進の怒張が一気に押し入ってきた。
激しく奥を突かれ、かと思えば抜けそうなほどに引いていく。荒々しく隘路を出入りされて、彩葉の体を快感が駆け巡る。
それなのに、ローターは太ももの付け根や敏感に膨れた突起など、あちこちを刺激する。
「いやっ、やっ、あん、ああっ……」
「いい締りと反応だ……。あいつにはヤられてないようだな。ご褒美に、オモチャを増やしてやろう」
上着をたくし上げられ、ブラジャーも毟り取られる。弾むように飛び出した胸の先端に、小さな丸いものがそれぞれクリップで止められた。
「こ、これ……」
「彩葉なら気持ちいいと感じるはずだよ。彩葉が苦痛だと感じることはしないから……」
スイッチが入れられると同時に、彩葉の瞼の裏はチカチカと星が飛んだ。
「うっわ、すごい締め付けだ……気持ちいいんだね、彩葉……嬉しいよ」
こくこく、と彩華が頷く。
「彩葉、ちょっと相談なんだけど……老舗音楽教室の立て直し、やってみないかい?」
うつろな表情ながら、彩葉が懸命に辰之進を見る。
「だ、だ、いまはっ……何もっ……ひゃ、あああ……」
「そうだね、じゃあ後でゆっくり相談させてもらうよ」
「は、い……」
相談の約束を取り付けたことに満足した辰之進が腰の動きをより一層加速させ中で果てた時、彩葉もまた、果ててぐったりと目を閉じていた。
「――強硬手段、と怒るだろうか……」
「え、な、に?」
「いや? お前は可愛いな、と思って」
ご冗談を、と、彩葉はあっけらかんと笑う。そのあまりに自然な反応に、う、と辰之進は天井を仰いだ。
今まで辰之進に絡んできた女性たちは、この場面でこんな反応をしない。
さらなる駆け引きに持ち込もうとしてきた。だから辰之進も駆け引きに応じて、遊んだり遊ばれたりを繰り返してきた。
彼女たちとは、それでよかった。
――俺の気持ち、彩葉にはちっとも通じないんだよなぁ……どうしたらいいかな……?
暇さえあれば抱いているというのに、彩葉の気持ちがわからない。一方的に欲望と趣味をぶつけていたのだとしたら、それはもう、セフレですらない。フレンドであるなら、多少なりとも相手の気持ちを思いやる。
うーん、うーんと考え事をしながら歩くものだから、ローターがランダムモードで彩華を苛んでいることに気がつかない。
「あ、ああっ……」
懸命に歩いていた彩葉がついに立ち止まる。
唇を噛み締めて前かがみになり、懸命に声を漏らすまいと頑張るが、短く艶のある嬌声が響く。
はっと辰之進が我に返った。
「可愛い声を出すなよ……あいつが来ちゃうだろ」
掬い上げるように肩に担がれて、彩葉はぎょっとした。
「ばっ、ば……スカートっ……中がっ……」
そのまま足早に寝室まで彩葉を運び込み、ベッドにそっと下す。
ローターのスイッチを止めれば、はぁはぁと荒い呼吸の彩葉がいる。目は潤んで頬は紅潮し、何とも色っぽい。
「あんまり、煽るな」
そんなわけないでしょ、と、彩葉は睨みながらもベッドから降りようとする。慌ててその体を捕まえてベッドへ押し倒す。
「や、も、やめて……ください……い、や……」
「嫌!?」
まさか、と。
ローターやディルドを使っているときはあんなに従順なのに、そうでないときは逃げようとする。
「確認させろ。彩葉、あいつにヤられなかっただろうな?」
「あ、あ、当たり前でしょう! 確認なんていりません」
「だめだ、確認させろ」
どうやって! と、叫ぶ彩華の手はあっという間にネクタイで縛られ、声は辰之進のキスによって塞がれてしまった。
軽い触れるだけのキスが数回、すぐにキスは深くなる。
辰之進のキスで、彩華の体からはすとんと力が抜ける。それを見て取って、よし、と不敵に笑う辰之進は、再びローターのスイッチを入れた。
「あ、また、それ……」
「お前の弱いところを、徹底的に攻めてやる」
いやいや、と、彩葉が首を横に振った。
彩葉も、必死だった。
オモチャを使われると、なぜか途端に抗えなくなる。あっという間に体の芯がとろとろにとけて、快楽で理性が飛んでしまい、気が付いたら辰之進に抱かれてしまっている。
なぜ、辰之進が暇さえあれば自分をオモチャで責め立てるのか、いまひとつわからなかった。
辰之進の相手を喜んでする令嬢はいくらでもいるだろう。完璧な御曹司である辰之進が、なぜ自分を追い回すのか。
体の相性がいい、それはあるだろう。
だったらあたしたちはセフレかな、とぼんやり思うが、しかし辰之進とはフレンドではない。雇い主とメイド。大企業の御曹司とただの社長令嬢。どう考えても立場が違う。
「彩葉、何を考えてる?」
「なっ、なにっ、も……」
ふいっと不自然に逸らされた目線が、辰之進に火をつけた。
「俺を煽るな」
あっという間に下半身が裸にされてしまった。いきなり両足を左右に広げられる。彩葉の顔がたちまち朱に染まる。が、その表情は恍惚としている。これから行われることへの期待が、彩葉を昂らせているのが辰之進にはわかる。
さっきまでローターを飲み込んでいたのだ。そこはすでに潤っている。
「ぐちょぐちょだ……」
溢れる蜜を指先で掬って彩葉に見せつける。羞恥できゅっと下半身がわずかに震える。
ぐりぐりとローターを肉粒にあてれば、それだけで、びくびくと彩華の腰は震えてとろりと蜜が溢れてくる。
「本当にいやらしい体だな、彩葉……物欲しそうにしてるぞ」
「ちが、う……」
「俺も我慢の限界だ……挿れるぞ」
え、と彩葉の目が見ひらかれた。
ローターはまだ、振動を続けている。
「まって、だめ、そんな……あああああ!」
ローターで責められながら、辰之進の怒張が一気に押し入ってきた。
激しく奥を突かれ、かと思えば抜けそうなほどに引いていく。荒々しく隘路を出入りされて、彩葉の体を快感が駆け巡る。
それなのに、ローターは太ももの付け根や敏感に膨れた突起など、あちこちを刺激する。
「いやっ、やっ、あん、ああっ……」
「いい締りと反応だ……。あいつにはヤられてないようだな。ご褒美に、オモチャを増やしてやろう」
上着をたくし上げられ、ブラジャーも毟り取られる。弾むように飛び出した胸の先端に、小さな丸いものがそれぞれクリップで止められた。
「こ、これ……」
「彩葉なら気持ちいいと感じるはずだよ。彩葉が苦痛だと感じることはしないから……」
スイッチが入れられると同時に、彩葉の瞼の裏はチカチカと星が飛んだ。
「うっわ、すごい締め付けだ……気持ちいいんだね、彩葉……嬉しいよ」
こくこく、と彩華が頷く。
「彩葉、ちょっと相談なんだけど……老舗音楽教室の立て直し、やってみないかい?」
うつろな表情ながら、彩葉が懸命に辰之進を見る。
「だ、だ、いまはっ……何もっ……ひゃ、あああ……」
「そうだね、じゃあ後でゆっくり相談させてもらうよ」
「は、い……」
相談の約束を取り付けたことに満足した辰之進が腰の動きをより一層加速させ中で果てた時、彩葉もまた、果ててぐったりと目を閉じていた。
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