90 / 106
:デートもままならないー4:
しおりを挟む
こうしてゆっくり一緒にお茶が飲めるだけで幸せだと彼女は笑う。
土壌が悪いため貧相な芝生の上に、シートを広げる。ローテローゼとマティスは並んで座った。
薬草園であるからか、それともそもそもの土壌が良くないからか、この一帯の薔薇は小ぶりなものが多い。薔薇の匂いもないため、ローテローゼが淹れる紅茶の香りがふわりと漂っている。
「どう、かしら?」
「上出来です、とても美味しい」
よかった、と、無邪気にローテローゼは微笑む。
籠の中には、ローテローゼが焼いたマフィンと、城の料理長自慢のブラックベリーのジャム、マティスの母お手製のサンドイッチと紅茶が詰められていた。
これは、レディたちが恋人とデートに出かける時に作るお弁当そのものだ。マティスは、これは誰が用意したのか、と、尋ねかけてやめた。ローテローゼが一生懸命用意するのを、母が手伝ったのだろう。
「ふふ、まるでデートみたいね」
「デートですよ、二人きりなのですから」
マティスがローテローゼを抱き寄せると、ローテローゼの顔が真っ赤になる。
そんなところも、可愛らしい。
「ローテローゼさま、マフィンにジャムをのせましたよ」
「ありがとう」
「食べさせて差し上げましょうか?」
「え?」
口移しで……と顔を寄せればローテローゼは慌ててマティスを押す。だめだめ、と小さくつぶやく姿もまた、可愛らしい。
「冗談ですよ」
「も、もうっ!」
動揺したままだったのだろう、ローテローゼの手がわずかに震え、ジャムが、ぽとん、と落ちた。
「きゃ!」
「おっと、陛下、申し訳ございません!」
その場所が、よくなかった。コルセットで大きく盛り上がった、胸のふくらみの上だ。
「た、大変よ……」
自分の胸元から、ローテローゼがジャムを掬う。
「んもう……どうしましょ」
「こうすればいいのです」
その指を、マティスが捕まえた。そして、舌でねっとりとなめとった。
「……な、なんてこと……」
「甘い……」
「じゃ、む、だもの……」
首まで赤く染めたローテローゼが、視線を彷徨わせながら小さく言う。ふるり、と、その体が震える。
「……じゃあ、ここも甘いのかな?」
あっという間にローテローゼを押し倒したマティスは、ジャムが落ちた箇所に舌を這わせた。
「ひゃああ、マティスっ……」
「柔らかくて甘い……最高ですよ」
胸の谷間を舐められ、びくびく、とローテローゼの体も震える。ぴちゃ、と、マティスがわざと音を立てる。
「コルセット……はずしましょうね。そう、陛下はお茶の途中で胸が苦しくなった……」
ローテローゼの着替えを何度も手伝っているマティスだからできる早業とでもいうべきかーーさほど時間をかけずにコルセットから白い乳房が溢れた。
「恥ずかしい……」
マティスの両手がリズミカルに揉む。先端がたちまち尖り、くすりと笑ったマティスがそれを舐めた。
「ああ、あっ……」
羞恥と快感に仰反るローテローゼをしっかり抱きしめながらも、スカートの下にマティスの手が潜り込み、太ももを厭らしく撫でている。
「こっ、こんなところで、だ、ダメよ……」
「といいながら、足がゆっくり開いていますよ、陛下?」
もっと触ってほしい、刺激が欲しい、ローテローゼの体は確かにそう言っている。マティスによって教えられた官能の波が、すでにローテローゼの理性をどこかへ押しやろうとしている。
だが、ここは外であり、今は昼間である。
「で、でもっ、だめよっ……お仕事しなくちゃ……」
「本当にダメなのかな?」
マティスの端正な顔が近づき、あっという間に唇を塞がれる。その間も巧みな指は、あっという間に布をかき分けて秘部へと到達してしまった。こす、と大きく擦られてローテローゼは慌てた。
「だ、だめぇ……」
「既に潤っていますね」
「ひゃん!」
今度は指先を小刻みに動かされてローテローゼの腰が震える。
あっさりとマティスの指を飲み込んでしまった己に驚くまもなく、二本目が捻じ込まれる。
「さ、姫の良いところは……ここですね」
二本の指が、狭い蜜道の中で不規則に動く。時折、コリッと強くひっかかれてそのたびにローテローゼの体が跳ねる。
「や、やめ……」
声が洩れそうになり、ローテローゼは慌てて自分の口を塞いだ。誰かに聞かれたら大変である。
「陛下はいつもやめてとおっしゃるが、その言葉と裏腹に……俺をぎゅうぎゅうと締め付ける」
「そんな、ことっ……」
「いらない、とおっしゃるが……物欲しそうに腰を揺らす」
ふいに、シートの上に胡坐をかいたマティスが、自分の上にローテローゼをのせた。
「え……?」
「ドレスを汚さないように……いれますよ」
「う、うそっ……そんな」
「大丈夫……ゆっくり……」
剛直の上に座る形になり、最奥まで一気に貫かれたローテローゼは、声にならない悲鳴をあげて体を仰け反らせた。
下から突きあげられ、揺すられて、ローテローゼは短く喘ぎ声を漏らした。
「あっ、あうっ、あっあっ……」
「どう、ですか、姫……」
「奥にっ、当たって……」
「気持ちいいでしょう?」
がくがくとローテローゼは頷いた。
「素直で、よろしいっ……」
そのままマティスが下から突いていると、ふいに、ローテローゼから、マティスにキスをねだった。
舌を絡めて、強く吸い上げる。
その刺激でローテローゼの中はきゅんと締まる。
「たまら……ないっ……ローテローゼさまっ……」
本当はもっと、時間をかけて丁寧にローテローゼを抱きたかった。
だが、王の休憩時間は限られている。
マティスの声や表情にも余裕がなくなり――ほどなくして、マティスが白濁を放った。
「んも、なんてことっ……」
「……ドレスもコルセットも全部は脱がさなかったので、すぐに執務に戻れます。この後は、会議がありましたね?」
そういう問題じゃないわ、と、ローテローゼは艶っぽい瞳をマティスに向けた。
ローテローゼは近頃、せっかちに抱かれるだけでは物足りなくなっている。だがそれを、マティスに告げるのははしたない気がして、どうしても口に出来ていなかった。
土壌が悪いため貧相な芝生の上に、シートを広げる。ローテローゼとマティスは並んで座った。
薬草園であるからか、それともそもそもの土壌が良くないからか、この一帯の薔薇は小ぶりなものが多い。薔薇の匂いもないため、ローテローゼが淹れる紅茶の香りがふわりと漂っている。
「どう、かしら?」
「上出来です、とても美味しい」
よかった、と、無邪気にローテローゼは微笑む。
籠の中には、ローテローゼが焼いたマフィンと、城の料理長自慢のブラックベリーのジャム、マティスの母お手製のサンドイッチと紅茶が詰められていた。
これは、レディたちが恋人とデートに出かける時に作るお弁当そのものだ。マティスは、これは誰が用意したのか、と、尋ねかけてやめた。ローテローゼが一生懸命用意するのを、母が手伝ったのだろう。
「ふふ、まるでデートみたいね」
「デートですよ、二人きりなのですから」
マティスがローテローゼを抱き寄せると、ローテローゼの顔が真っ赤になる。
そんなところも、可愛らしい。
「ローテローゼさま、マフィンにジャムをのせましたよ」
「ありがとう」
「食べさせて差し上げましょうか?」
「え?」
口移しで……と顔を寄せればローテローゼは慌ててマティスを押す。だめだめ、と小さくつぶやく姿もまた、可愛らしい。
「冗談ですよ」
「も、もうっ!」
動揺したままだったのだろう、ローテローゼの手がわずかに震え、ジャムが、ぽとん、と落ちた。
「きゃ!」
「おっと、陛下、申し訳ございません!」
その場所が、よくなかった。コルセットで大きく盛り上がった、胸のふくらみの上だ。
「た、大変よ……」
自分の胸元から、ローテローゼがジャムを掬う。
「んもう……どうしましょ」
「こうすればいいのです」
その指を、マティスが捕まえた。そして、舌でねっとりとなめとった。
「……な、なんてこと……」
「甘い……」
「じゃ、む、だもの……」
首まで赤く染めたローテローゼが、視線を彷徨わせながら小さく言う。ふるり、と、その体が震える。
「……じゃあ、ここも甘いのかな?」
あっという間にローテローゼを押し倒したマティスは、ジャムが落ちた箇所に舌を這わせた。
「ひゃああ、マティスっ……」
「柔らかくて甘い……最高ですよ」
胸の谷間を舐められ、びくびく、とローテローゼの体も震える。ぴちゃ、と、マティスがわざと音を立てる。
「コルセット……はずしましょうね。そう、陛下はお茶の途中で胸が苦しくなった……」
ローテローゼの着替えを何度も手伝っているマティスだからできる早業とでもいうべきかーーさほど時間をかけずにコルセットから白い乳房が溢れた。
「恥ずかしい……」
マティスの両手がリズミカルに揉む。先端がたちまち尖り、くすりと笑ったマティスがそれを舐めた。
「ああ、あっ……」
羞恥と快感に仰反るローテローゼをしっかり抱きしめながらも、スカートの下にマティスの手が潜り込み、太ももを厭らしく撫でている。
「こっ、こんなところで、だ、ダメよ……」
「といいながら、足がゆっくり開いていますよ、陛下?」
もっと触ってほしい、刺激が欲しい、ローテローゼの体は確かにそう言っている。マティスによって教えられた官能の波が、すでにローテローゼの理性をどこかへ押しやろうとしている。
だが、ここは外であり、今は昼間である。
「で、でもっ、だめよっ……お仕事しなくちゃ……」
「本当にダメなのかな?」
マティスの端正な顔が近づき、あっという間に唇を塞がれる。その間も巧みな指は、あっという間に布をかき分けて秘部へと到達してしまった。こす、と大きく擦られてローテローゼは慌てた。
「だ、だめぇ……」
「既に潤っていますね」
「ひゃん!」
今度は指先を小刻みに動かされてローテローゼの腰が震える。
あっさりとマティスの指を飲み込んでしまった己に驚くまもなく、二本目が捻じ込まれる。
「さ、姫の良いところは……ここですね」
二本の指が、狭い蜜道の中で不規則に動く。時折、コリッと強くひっかかれてそのたびにローテローゼの体が跳ねる。
「や、やめ……」
声が洩れそうになり、ローテローゼは慌てて自分の口を塞いだ。誰かに聞かれたら大変である。
「陛下はいつもやめてとおっしゃるが、その言葉と裏腹に……俺をぎゅうぎゅうと締め付ける」
「そんな、ことっ……」
「いらない、とおっしゃるが……物欲しそうに腰を揺らす」
ふいに、シートの上に胡坐をかいたマティスが、自分の上にローテローゼをのせた。
「え……?」
「ドレスを汚さないように……いれますよ」
「う、うそっ……そんな」
「大丈夫……ゆっくり……」
剛直の上に座る形になり、最奥まで一気に貫かれたローテローゼは、声にならない悲鳴をあげて体を仰け反らせた。
下から突きあげられ、揺すられて、ローテローゼは短く喘ぎ声を漏らした。
「あっ、あうっ、あっあっ……」
「どう、ですか、姫……」
「奥にっ、当たって……」
「気持ちいいでしょう?」
がくがくとローテローゼは頷いた。
「素直で、よろしいっ……」
そのままマティスが下から突いていると、ふいに、ローテローゼから、マティスにキスをねだった。
舌を絡めて、強く吸い上げる。
その刺激でローテローゼの中はきゅんと締まる。
「たまら……ないっ……ローテローゼさまっ……」
本当はもっと、時間をかけて丁寧にローテローゼを抱きたかった。
だが、王の休憩時間は限られている。
マティスの声や表情にも余裕がなくなり――ほどなくして、マティスが白濁を放った。
「んも、なんてことっ……」
「……ドレスもコルセットも全部は脱がさなかったので、すぐに執務に戻れます。この後は、会議がありましたね?」
そういう問題じゃないわ、と、ローテローゼは艶っぽい瞳をマティスに向けた。
ローテローゼは近頃、せっかちに抱かれるだけでは物足りなくなっている。だがそれを、マティスに告げるのははしたない気がして、どうしても口に出来ていなかった。
0
お気に入りに追加
103
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる