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:デートもままならないー4:
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こうしてゆっくり一緒にお茶が飲めるだけで幸せだと彼女は笑う。
土壌が悪いため貧相な芝生の上に、シートを広げる。ローテローゼとマティスは並んで座った。
薬草園であるからか、それともそもそもの土壌が良くないからか、この一帯の薔薇は小ぶりなものが多い。薔薇の匂いもないため、ローテローゼが淹れる紅茶の香りがふわりと漂っている。
「どう、かしら?」
「上出来です、とても美味しい」
よかった、と、無邪気にローテローゼは微笑む。
籠の中には、ローテローゼが焼いたマフィンと、城の料理長自慢のブラックベリーのジャム、マティスの母お手製のサンドイッチと紅茶が詰められていた。
これは、レディたちが恋人とデートに出かける時に作るお弁当そのものだ。マティスは、これは誰が用意したのか、と、尋ねかけてやめた。ローテローゼが一生懸命用意するのを、母が手伝ったのだろう。
「ふふ、まるでデートみたいね」
「デートですよ、二人きりなのですから」
マティスがローテローゼを抱き寄せると、ローテローゼの顔が真っ赤になる。
そんなところも、可愛らしい。
「ローテローゼさま、マフィンにジャムをのせましたよ」
「ありがとう」
「食べさせて差し上げましょうか?」
「え?」
口移しで……と顔を寄せればローテローゼは慌ててマティスを押す。だめだめ、と小さくつぶやく姿もまた、可愛らしい。
「冗談ですよ」
「も、もうっ!」
動揺したままだったのだろう、ローテローゼの手がわずかに震え、ジャムが、ぽとん、と落ちた。
「きゃ!」
「おっと、陛下、申し訳ございません!」
その場所が、よくなかった。コルセットで大きく盛り上がった、胸のふくらみの上だ。
「た、大変よ……」
自分の胸元から、ローテローゼがジャムを掬う。
「んもう……どうしましょ」
「こうすればいいのです」
その指を、マティスが捕まえた。そして、舌でねっとりとなめとった。
「……な、なんてこと……」
「甘い……」
「じゃ、む、だもの……」
首まで赤く染めたローテローゼが、視線を彷徨わせながら小さく言う。ふるり、と、その体が震える。
「……じゃあ、ここも甘いのかな?」
あっという間にローテローゼを押し倒したマティスは、ジャムが落ちた箇所に舌を這わせた。
「ひゃああ、マティスっ……」
「柔らかくて甘い……最高ですよ」
胸の谷間を舐められ、びくびく、とローテローゼの体も震える。ぴちゃ、と、マティスがわざと音を立てる。
「コルセット……はずしましょうね。そう、陛下はお茶の途中で胸が苦しくなった……」
ローテローゼの着替えを何度も手伝っているマティスだからできる早業とでもいうべきかーーさほど時間をかけずにコルセットから白い乳房が溢れた。
「恥ずかしい……」
マティスの両手がリズミカルに揉む。先端がたちまち尖り、くすりと笑ったマティスがそれを舐めた。
「ああ、あっ……」
羞恥と快感に仰反るローテローゼをしっかり抱きしめながらも、スカートの下にマティスの手が潜り込み、太ももを厭らしく撫でている。
「こっ、こんなところで、だ、ダメよ……」
「といいながら、足がゆっくり開いていますよ、陛下?」
もっと触ってほしい、刺激が欲しい、ローテローゼの体は確かにそう言っている。マティスによって教えられた官能の波が、すでにローテローゼの理性をどこかへ押しやろうとしている。
だが、ここは外であり、今は昼間である。
「で、でもっ、だめよっ……お仕事しなくちゃ……」
「本当にダメなのかな?」
マティスの端正な顔が近づき、あっという間に唇を塞がれる。その間も巧みな指は、あっという間に布をかき分けて秘部へと到達してしまった。こす、と大きく擦られてローテローゼは慌てた。
「だ、だめぇ……」
「既に潤っていますね」
「ひゃん!」
今度は指先を小刻みに動かされてローテローゼの腰が震える。
あっさりとマティスの指を飲み込んでしまった己に驚くまもなく、二本目が捻じ込まれる。
「さ、姫の良いところは……ここですね」
二本の指が、狭い蜜道の中で不規則に動く。時折、コリッと強くひっかかれてそのたびにローテローゼの体が跳ねる。
「や、やめ……」
声が洩れそうになり、ローテローゼは慌てて自分の口を塞いだ。誰かに聞かれたら大変である。
「陛下はいつもやめてとおっしゃるが、その言葉と裏腹に……俺をぎゅうぎゅうと締め付ける」
「そんな、ことっ……」
「いらない、とおっしゃるが……物欲しそうに腰を揺らす」
ふいに、シートの上に胡坐をかいたマティスが、自分の上にローテローゼをのせた。
「え……?」
「ドレスを汚さないように……いれますよ」
「う、うそっ……そんな」
「大丈夫……ゆっくり……」
剛直の上に座る形になり、最奥まで一気に貫かれたローテローゼは、声にならない悲鳴をあげて体を仰け反らせた。
下から突きあげられ、揺すられて、ローテローゼは短く喘ぎ声を漏らした。
「あっ、あうっ、あっあっ……」
「どう、ですか、姫……」
「奥にっ、当たって……」
「気持ちいいでしょう?」
がくがくとローテローゼは頷いた。
「素直で、よろしいっ……」
そのままマティスが下から突いていると、ふいに、ローテローゼから、マティスにキスをねだった。
舌を絡めて、強く吸い上げる。
その刺激でローテローゼの中はきゅんと締まる。
「たまら……ないっ……ローテローゼさまっ……」
本当はもっと、時間をかけて丁寧にローテローゼを抱きたかった。
だが、王の休憩時間は限られている。
マティスの声や表情にも余裕がなくなり――ほどなくして、マティスが白濁を放った。
「んも、なんてことっ……」
「……ドレスもコルセットも全部は脱がさなかったので、すぐに執務に戻れます。この後は、会議がありましたね?」
そういう問題じゃないわ、と、ローテローゼは艶っぽい瞳をマティスに向けた。
ローテローゼは近頃、せっかちに抱かれるだけでは物足りなくなっている。だがそれを、マティスに告げるのははしたない気がして、どうしても口に出来ていなかった。
土壌が悪いため貧相な芝生の上に、シートを広げる。ローテローゼとマティスは並んで座った。
薬草園であるからか、それともそもそもの土壌が良くないからか、この一帯の薔薇は小ぶりなものが多い。薔薇の匂いもないため、ローテローゼが淹れる紅茶の香りがふわりと漂っている。
「どう、かしら?」
「上出来です、とても美味しい」
よかった、と、無邪気にローテローゼは微笑む。
籠の中には、ローテローゼが焼いたマフィンと、城の料理長自慢のブラックベリーのジャム、マティスの母お手製のサンドイッチと紅茶が詰められていた。
これは、レディたちが恋人とデートに出かける時に作るお弁当そのものだ。マティスは、これは誰が用意したのか、と、尋ねかけてやめた。ローテローゼが一生懸命用意するのを、母が手伝ったのだろう。
「ふふ、まるでデートみたいね」
「デートですよ、二人きりなのですから」
マティスがローテローゼを抱き寄せると、ローテローゼの顔が真っ赤になる。
そんなところも、可愛らしい。
「ローテローゼさま、マフィンにジャムをのせましたよ」
「ありがとう」
「食べさせて差し上げましょうか?」
「え?」
口移しで……と顔を寄せればローテローゼは慌ててマティスを押す。だめだめ、と小さくつぶやく姿もまた、可愛らしい。
「冗談ですよ」
「も、もうっ!」
動揺したままだったのだろう、ローテローゼの手がわずかに震え、ジャムが、ぽとん、と落ちた。
「きゃ!」
「おっと、陛下、申し訳ございません!」
その場所が、よくなかった。コルセットで大きく盛り上がった、胸のふくらみの上だ。
「た、大変よ……」
自分の胸元から、ローテローゼがジャムを掬う。
「んもう……どうしましょ」
「こうすればいいのです」
その指を、マティスが捕まえた。そして、舌でねっとりとなめとった。
「……な、なんてこと……」
「甘い……」
「じゃ、む、だもの……」
首まで赤く染めたローテローゼが、視線を彷徨わせながら小さく言う。ふるり、と、その体が震える。
「……じゃあ、ここも甘いのかな?」
あっという間にローテローゼを押し倒したマティスは、ジャムが落ちた箇所に舌を這わせた。
「ひゃああ、マティスっ……」
「柔らかくて甘い……最高ですよ」
胸の谷間を舐められ、びくびく、とローテローゼの体も震える。ぴちゃ、と、マティスがわざと音を立てる。
「コルセット……はずしましょうね。そう、陛下はお茶の途中で胸が苦しくなった……」
ローテローゼの着替えを何度も手伝っているマティスだからできる早業とでもいうべきかーーさほど時間をかけずにコルセットから白い乳房が溢れた。
「恥ずかしい……」
マティスの両手がリズミカルに揉む。先端がたちまち尖り、くすりと笑ったマティスがそれを舐めた。
「ああ、あっ……」
羞恥と快感に仰反るローテローゼをしっかり抱きしめながらも、スカートの下にマティスの手が潜り込み、太ももを厭らしく撫でている。
「こっ、こんなところで、だ、ダメよ……」
「といいながら、足がゆっくり開いていますよ、陛下?」
もっと触ってほしい、刺激が欲しい、ローテローゼの体は確かにそう言っている。マティスによって教えられた官能の波が、すでにローテローゼの理性をどこかへ押しやろうとしている。
だが、ここは外であり、今は昼間である。
「で、でもっ、だめよっ……お仕事しなくちゃ……」
「本当にダメなのかな?」
マティスの端正な顔が近づき、あっという間に唇を塞がれる。その間も巧みな指は、あっという間に布をかき分けて秘部へと到達してしまった。こす、と大きく擦られてローテローゼは慌てた。
「だ、だめぇ……」
「既に潤っていますね」
「ひゃん!」
今度は指先を小刻みに動かされてローテローゼの腰が震える。
あっさりとマティスの指を飲み込んでしまった己に驚くまもなく、二本目が捻じ込まれる。
「さ、姫の良いところは……ここですね」
二本の指が、狭い蜜道の中で不規則に動く。時折、コリッと強くひっかかれてそのたびにローテローゼの体が跳ねる。
「や、やめ……」
声が洩れそうになり、ローテローゼは慌てて自分の口を塞いだ。誰かに聞かれたら大変である。
「陛下はいつもやめてとおっしゃるが、その言葉と裏腹に……俺をぎゅうぎゅうと締め付ける」
「そんな、ことっ……」
「いらない、とおっしゃるが……物欲しそうに腰を揺らす」
ふいに、シートの上に胡坐をかいたマティスが、自分の上にローテローゼをのせた。
「え……?」
「ドレスを汚さないように……いれますよ」
「う、うそっ……そんな」
「大丈夫……ゆっくり……」
剛直の上に座る形になり、最奥まで一気に貫かれたローテローゼは、声にならない悲鳴をあげて体を仰け反らせた。
下から突きあげられ、揺すられて、ローテローゼは短く喘ぎ声を漏らした。
「あっ、あうっ、あっあっ……」
「どう、ですか、姫……」
「奥にっ、当たって……」
「気持ちいいでしょう?」
がくがくとローテローゼは頷いた。
「素直で、よろしいっ……」
そのままマティスが下から突いていると、ふいに、ローテローゼから、マティスにキスをねだった。
舌を絡めて、強く吸い上げる。
その刺激でローテローゼの中はきゅんと締まる。
「たまら……ないっ……ローテローゼさまっ……」
本当はもっと、時間をかけて丁寧にローテローゼを抱きたかった。
だが、王の休憩時間は限られている。
マティスの声や表情にも余裕がなくなり――ほどなくして、マティスが白濁を放った。
「んも、なんてことっ……」
「……ドレスもコルセットも全部は脱がさなかったので、すぐに執務に戻れます。この後は、会議がありましたね?」
そういう問題じゃないわ、と、ローテローゼは艶っぽい瞳をマティスに向けた。
ローテローゼは近頃、せっかちに抱かれるだけでは物足りなくなっている。だがそれを、マティスに告げるのははしたない気がして、どうしても口に出来ていなかった。
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