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:身代わり国王は騎士の手で花開くー7:
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「ローテローゼさま、起きてください。仮王に即位する書類です。サインと王の印を……」
と、マティスが書類を差し出したのは、ヴァーン皇子を尖塔のてっぺんに拵えた独房に押し込めることに成功した数日後の早朝のことだった。
明け方まで絡み合っていたというのに、マティスは元気そのものだ。
「マティス……ベッドに仕事を持ち込むのはナシって言ったでしょ……」
「仕方ないでしょう、急ぎなのですから」
気怠い体を起こして、ローテローゼは書類に目を通してサインをする。
「えっと、今日から仮王として正式にスタートなのね……」
「はい」
民には告知も済ませ、本日ローテローゼ仮王のお披露目予定だ。急なことだが、民は混乱することなく受け入れてくれた――らしい。
「宰相と先王陛下からの伝言です。実績として念のため三か月ほどの執務を行って欲しい、とのことです」
「あら、そうなの……」
ローテローゼが書類を読んでいる間に、マティスは手早く朝食を用意する。ワゴンで運ばれてくる料理を受け取り、テーブルに並べるのだ。
焼き立てのベーコンとハーブ入りソーセージにたまご、トーストに薔薇のジャム。搾りたてのオレンジジュースもついている。
いただきます、と、二人の声が揃う。こうして二人で朝食をとりながらも、話題は執務のことばかりだ。
「お兄さまはあと三か月は戻ってこられないのね……この重圧が三か月続くのね……」
「ただし、ひとついい知らせです。ベルナールさまをお迎えに行くのは我々の役割ですが、新婚旅行のついでで良いだろう、とのことです」
新婚旅行、と、ローテローゼが嬉しそうな顔をしてマティスを見た。
「嬉しい!」
事情が事情なだけに、マティスとの仲は婚約どまり、結婚式や国民へ向けた発表は後回しとなってしまっている。
「姫、旅行を楽しみましょう。どこへ行きたいか考えておいてください」
「はいっ!」
微笑むローテローゼを眩しそうに見ていたマティスは、ナイフを置くとローテローゼをひょいと抱き上げ、ベッドへと押し倒した。
「ひゃ、マティス?」
「あなたがあまりに愛らしいので抱きたくなった……」
ローテローゼのナイトドレスを脱がせ、胸を揉みながら谷間に舌を這わせる。かと思えば乳首をきゅっと摘まみ、先端をカリッと噛む。
「あ、あ……やぁ、それっ……」
「びくびく震えて……可愛いなぁ……」
マティスの手が腹部から足の間に移動する。柔らかな茂みをかき分けて、襞をなぞる。ローテローゼの腹部がざわざわと震える。夕べの名残が、体に残っていて簡単に火が灯ってしまうのだ。
「あ、あっ……」
「ん、もう濡れているね……ほら、あっさり俺の指を飲み込んだ」
「ひゃ、んっ……」
「二本目も、召し上がれ」
二本そろえられた指が、狭い道の中でぐにぐにと動かされる。
「姫のいいところは……みつけた、ここだな」
一か所を、マティスの指が執拗に擦る。それに合わせてせりあがってくる波。
「いや、やめっ……だめぇ……」
「ダメってことはないだろう? きゅうきゅうと締め付けている」
ああ、と、ローテローゼは吐息を漏らした。ダメ、ではないのだ。もっと欲しい、奥まで欲しい。はしたないとは思うが、マティスが与えてくれる快感と充足感の虜になってしまったのだ。
それを知ってか知らずか、マティスの動きが早くなり、ローテローゼの呼吸も早くなる。
脳裏で何かが弾けて急速に落下していく。
その余韻を味わう間もなく、マティスがローテローゼの両足を開かせた。
「……いれるよ……」
熱い肉棒が、じわじわと押し入ってくる。ぐっと一気に奥まで突かれ、ローテローゼの媚肉も反応する。
「は、うぅ……ああっ!」
「あ、ひ、姫、そんなに締めたら……」
マティスがゆっくり抜き差しを開始する。その動きとローテローゼの呼吸が同調する。
「あっ、あっ……」
なんとはしたなく淫らな声かと思うものの、止められない。ローテローゼの無垢だった体は、すっかり淫らに作り替えられてしまったらしい。
「姫、何を考えているのかな?」
マティスが一度出て行ったあと、くるりとうつ伏せにされた。
「え、え、え?」
ローテローゼの背中に舌を這わせたマティスがローテローゼの腰をぐっと掴んだ。
「もう一度入れるよ……」
「きゃ、ああっ……そんな、後ろからなんてっ……」
獣のような体勢に、ローテローゼの羞恥心が煽られる。
「熱いよ……とても、気持ちがいい……」
「は、ん、うっ……」
そこから先は、ローテローゼはあっという間に快楽の波にのまれてしまった。
室内に響く卑猥な音と喘ぎ声。
「まだっ、朝なのにっ……」
「いいじゃないか……背徳的で」
マティスの手が、ローテローゼの両胸を掴み、ぐにぐにと揉み解す。
「ふっ、あん、ああ……」
皮膚と皮膚がぶつかる音を聞きながら程なくしてローテローゼは意識を飛ばし、マティスも果てた――。
と、マティスが書類を差し出したのは、ヴァーン皇子を尖塔のてっぺんに拵えた独房に押し込めることに成功した数日後の早朝のことだった。
明け方まで絡み合っていたというのに、マティスは元気そのものだ。
「マティス……ベッドに仕事を持ち込むのはナシって言ったでしょ……」
「仕方ないでしょう、急ぎなのですから」
気怠い体を起こして、ローテローゼは書類に目を通してサインをする。
「えっと、今日から仮王として正式にスタートなのね……」
「はい」
民には告知も済ませ、本日ローテローゼ仮王のお披露目予定だ。急なことだが、民は混乱することなく受け入れてくれた――らしい。
「宰相と先王陛下からの伝言です。実績として念のため三か月ほどの執務を行って欲しい、とのことです」
「あら、そうなの……」
ローテローゼが書類を読んでいる間に、マティスは手早く朝食を用意する。ワゴンで運ばれてくる料理を受け取り、テーブルに並べるのだ。
焼き立てのベーコンとハーブ入りソーセージにたまご、トーストに薔薇のジャム。搾りたてのオレンジジュースもついている。
いただきます、と、二人の声が揃う。こうして二人で朝食をとりながらも、話題は執務のことばかりだ。
「お兄さまはあと三か月は戻ってこられないのね……この重圧が三か月続くのね……」
「ただし、ひとついい知らせです。ベルナールさまをお迎えに行くのは我々の役割ですが、新婚旅行のついでで良いだろう、とのことです」
新婚旅行、と、ローテローゼが嬉しそうな顔をしてマティスを見た。
「嬉しい!」
事情が事情なだけに、マティスとの仲は婚約どまり、結婚式や国民へ向けた発表は後回しとなってしまっている。
「姫、旅行を楽しみましょう。どこへ行きたいか考えておいてください」
「はいっ!」
微笑むローテローゼを眩しそうに見ていたマティスは、ナイフを置くとローテローゼをひょいと抱き上げ、ベッドへと押し倒した。
「ひゃ、マティス?」
「あなたがあまりに愛らしいので抱きたくなった……」
ローテローゼのナイトドレスを脱がせ、胸を揉みながら谷間に舌を這わせる。かと思えば乳首をきゅっと摘まみ、先端をカリッと噛む。
「あ、あ……やぁ、それっ……」
「びくびく震えて……可愛いなぁ……」
マティスの手が腹部から足の間に移動する。柔らかな茂みをかき分けて、襞をなぞる。ローテローゼの腹部がざわざわと震える。夕べの名残が、体に残っていて簡単に火が灯ってしまうのだ。
「あ、あっ……」
「ん、もう濡れているね……ほら、あっさり俺の指を飲み込んだ」
「ひゃ、んっ……」
「二本目も、召し上がれ」
二本そろえられた指が、狭い道の中でぐにぐにと動かされる。
「姫のいいところは……みつけた、ここだな」
一か所を、マティスの指が執拗に擦る。それに合わせてせりあがってくる波。
「いや、やめっ……だめぇ……」
「ダメってことはないだろう? きゅうきゅうと締め付けている」
ああ、と、ローテローゼは吐息を漏らした。ダメ、ではないのだ。もっと欲しい、奥まで欲しい。はしたないとは思うが、マティスが与えてくれる快感と充足感の虜になってしまったのだ。
それを知ってか知らずか、マティスの動きが早くなり、ローテローゼの呼吸も早くなる。
脳裏で何かが弾けて急速に落下していく。
その余韻を味わう間もなく、マティスがローテローゼの両足を開かせた。
「……いれるよ……」
熱い肉棒が、じわじわと押し入ってくる。ぐっと一気に奥まで突かれ、ローテローゼの媚肉も反応する。
「は、うぅ……ああっ!」
「あ、ひ、姫、そんなに締めたら……」
マティスがゆっくり抜き差しを開始する。その動きとローテローゼの呼吸が同調する。
「あっ、あっ……」
なんとはしたなく淫らな声かと思うものの、止められない。ローテローゼの無垢だった体は、すっかり淫らに作り替えられてしまったらしい。
「姫、何を考えているのかな?」
マティスが一度出て行ったあと、くるりとうつ伏せにされた。
「え、え、え?」
ローテローゼの背中に舌を這わせたマティスがローテローゼの腰をぐっと掴んだ。
「もう一度入れるよ……」
「きゃ、ああっ……そんな、後ろからなんてっ……」
獣のような体勢に、ローテローゼの羞恥心が煽られる。
「熱いよ……とても、気持ちがいい……」
「は、ん、うっ……」
そこから先は、ローテローゼはあっという間に快楽の波にのまれてしまった。
室内に響く卑猥な音と喘ぎ声。
「まだっ、朝なのにっ……」
「いいじゃないか……背徳的で」
マティスの手が、ローテローゼの両胸を掴み、ぐにぐにと揉み解す。
「ふっ、あん、ああ……」
皮膚と皮膚がぶつかる音を聞きながら程なくしてローテローゼは意識を飛ばし、マティスも果てた――。
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