身代わりで男装した王女は宮廷騎士の手で淫らに健気に花開く

酉埜空音

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:外道は許しません―2:

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 小さな約束だが、ローテローゼを元気づけるには十分だった。
「さあ、頑張りましょう……! この先、何が起こるかわからないけれど」
「はい。いつもお側におります」
 身代わり国王であると公表するタイミングを逃してしまったので、ローテローゼは男装のままである。しかしすっかり男装も板について、凛々しさすら漂う。
「えっと、今回の訴状は……。この二通はどちらも島国かしら? あらまあ、東の大国をも怒らせたのね、あの皇子は。これは修羅場かしらね……」

 大国は、被害者本人の他に数名の付添人をつけて皇子に直談判する国も少なくない。
 大国の使者団に迫られると、さすがにヴァーン皇子も大人しく罪を認めた。

 が――。

 相手が小国だと見て取ると、途端に態度が豹変する。誰が加害者で誰が被害者なのかわからなくなる。さすが外道、と、ローテローゼが変な感心をしたほどである。

「さて、本日の裁判を始めます」
 立会人の一人である宰相の言葉が終わらないうちに、臨時裁判所と化している部屋の扉が勢いよく開いた。
「いよう。呼び出しに応じてやったぞ」
 尊大な態度の男が入室し、椅子に座っていた姫をぎろりと見て、顎に手をかけ顔を近づけた。
「ふん、お前か」
 ぱしっと姫がその手をはたき落とす。
「この男――! わたくしを、傷物にしたのはこの男。間違いありませんわっ……」
 黒髪に黒い瞳の小国の姫君が、深紅のドレスを握りしめながら叫んだ。
 このウーリ姫の場合、己を辱めた相手の名前を記憶していなかったため、ヴァーン皇子が確かに犯人であると、確信が欲しかったらしい。訴状を握りしめてヴァーン皇子のもとへ乗り込んできたのだ。
「この声……この顔……間違い無いわ」
「ふん?」
「外道……地獄へ堕ちなさい」
「何を言ってるんだか……俺はお前を快楽で天国に導いてやった恩人だ。どうせ落ちるなら、地獄はごめんだが快楽に堕ちるのは大歓迎だ。ウーリと言ったか、お前もまた俺と楽しみたいだろう?」
 ウーリ姫のドレスの襟元から手を突っ込んだのは、さすがにノワゼット王国側が静止する。
 わなわなと震えるウーリ姫の傍で、彼女のメイドもまた、青ざめていた。なんとそのメイドも、ヴァーン皇子の毒牙にかかっていたことが判明した。
「なんて男なの! 許さない!」
 ウーリ姫はついに叫びながらスカートの下に隠し持っていたナイフを振り回し、ヴァーン皇子も応戦する始末だ。それをマティスが取り押さえ、姫君主従とヴァーン皇子をとりあえず部屋に帰してから、ローテローゼたちは皇子に再度事情聴取をするために、皇子の部屋へ取って返した。

 しかしその途中で宰相は副官に呼ばれて離脱し、マティスは騎士団の団員に呼ばれ、ローテローゼは一人になってしまった。
「皇子」
「来たか。――お、一人か。いいぜ。どうだ、俺の女になる気になったか?」
 言いながら、咄嗟に逃げ出したローテローゼを肩に担ぎあげ、乱暴にソファーに投げ飛ばした。
「きゃあ!」
 それでも逃げようともがくうちに、皇子の腰にあるナイフにローテローゼの指が触れた。それを思い切って抜く。
「何度もあなたに穢されるわけにはいかない!」
「勇ましくなったなぁ……。俺を刺すか?」
「我が身を守るためなら……なんだってやるわ」
 ぶん、ぶん、と、ナイフが的確に皇子を狙う。
「うおっと……あぶねぇな。妙な度胸と知恵がつきやがって……」
 しかし、皇子にあっさりナイフを取り上げられて押さえつけられてしまう。
 何か身を守るものはないか、と探すローテローゼの首筋がべろりと舐められ、全身が震えた。
「や、やめて!」
「うるせぇよ。拒否権はないんだ」
 逃げようとすれば全身で押さえつけられる。さらに顎をぐっと掴まれて、噛み付くようにキスをされる。
 ぬらり、と押し込まれた錠剤。飲み込むまいと抵抗するが、どこをどうされたものか飲み込んでしまった。
「言うまでもないが、媚薬だ。二度目だから、すぐに効く」
 皇子が、びりびりとローテローゼのシャツを破る。胸を押さえつけている布を外そうとして、そこにつけられたシルシに皇子の手がとまる。
「あの騎士……俺のオモチャに手を出しやがって……許さん」
 皇子の目に怒りが灯った。ナイフでローテローゼが身に着けているものすべてを切り刻む。
 恐怖でローテローゼが震える。
 こわい、こわい、助けてマティス、と。声にならないが必死でつぶやく。
 一人でこの部屋に来たのは失敗だった。宰相かマティスの体が空くのを待てばよかった。
 自分の責任だ、と、ローテローゼは激しく自分を責めながら、心を閉じた。

 脚の付け根を、皇子が執拗に弄る。二本の指を飲み込まされたそこは、蜜がたっぷりと垂れて卑猥な音を立てている。
「お前のいいところは、ここだろう?」
 こり、と、強めに中を擦られる。びく、と、ローテローゼの体が波打つ。虚ろな眼差しは皇子を見るが、すぐに逸らされる。
「きゅうきゅうと俺の指を締め付けてるぜ。いやらしい体だ……」
 強くこすられ、ローテローゼの背中を快楽の波が走り抜けた。
「や、ああ、だ、だ、だめ、そこぉ……ひゃあ、あ……」
「淫乱だなぁ……面白いくらいにイく」
 何度達したか、もうわからない。だが、絶頂を味わっても気持ちよくはない。
「で、俺の女になるんだな?」
 ローテローゼの返事はない。
「ちっ……こいつの側近が、そろそろやってくる頃か」
 ヴァーン皇子は、固く張り詰めた己自身を取り出し、挿入しようとした。が、ローテローゼが激しく抵抗する。已む無く白濁をローテローゼの顔に向けて吐き出し、満足そうに笑う。
「う……」
「訴状とやらの続きはまた明日だ、じゃあな……」
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