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本編
第15話_凍てつく刃-1
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不快に足元を響かせる[霆蛇]の口上を黙ったまま聞き流し、4人は再び対面に立つ蒼矢へと意識を集中させた。
「…属性能力も喰らうって…どう立ち回ればいいんだよ…? いつも通りとわけが違うんだぞ!?」
「立ち回りもだけど…、アズライトの後発属性は多分それ以上に注意が必要だ」
突っ立ったまま手をこまねく内に、アズライトは再び氷柱を手に斬り込んでくる。
それが届く前に4人それぞれ四方へ散るが、アズライトは左手から刃状の氷の塊を生み出し、前方へ弧を描くように振るった。
「…っ!!」
咄嗟に装具で防いだものの、至近距離から無数に放たれたその全てを回避することは出来ず、かすめた箇所に一瞬の氷気を感じ、ついで焼けるような痛みが襲う。
動揺が走る中、アズライトは先ほどと同じく陽へ狙いを定め、距離を詰める。
「っ!! っく…!!」
振るわれる重い連撃を細剣『閃光』でなんとか防ぐが、反動がすさまじく、装具がぶつかる度にサルファーの身体が大きく後退していく。
防戦一方になる彼へ、アズライトの氷気が膨れ上がったところでオニキスとエピドートが介入し、彼らの背後に逃れたサルファーは戦線から高速で離れていく。
「無理っ! タイマンは無理!!」
遠くから届く悲鳴を聞きながら、残った3人は距離を置きつつ、アズライトを牽制するように対峙した。
「…ほー…こりゃ思ったよりやべぇかもしれねぇな」
「『氷柱』はあの重量級のうえに、物理よりも属性攻撃向きなんだ。加えて『凍氷』はほぼ全属性得意だし…隙が無いと言っていい。どこまで有効かわからないけど、防御壁を使いながら相手するしかないかも…」
そう言葉を交わす最中にも、アズライトは攻撃の手を緩めず、今度は防御姿勢に入るエピドートへ狙いを定める。
エピドートへ向けて振り被られた大剣を、寸でで間に入った烈が太刀の装具『紅蓮』で受け止める。刃が合わさると、やはり刀身がみるみると凍てついていく。
「っ…やめろ! アズライト!!」
しかしロードナイトは腕力で押し返し、紅蓮をかき消すと後発属性『灼熱』へ切り替え、『氷柱』の腹へ拳を見舞った。
ひび割れるような亀裂音が響き、異変を察知したアズライトはすぐさま大剣を拳から離し、距離を置く。
「…!?」
自らの繰り出した挙動へ表情を凍らせるロードナイトを、アズライトは鋭く睨み据えていた。
「…属性能力も喰らうって…どう立ち回ればいいんだよ…? いつも通りとわけが違うんだぞ!?」
「立ち回りもだけど…、アズライトの後発属性は多分それ以上に注意が必要だ」
突っ立ったまま手をこまねく内に、アズライトは再び氷柱を手に斬り込んでくる。
それが届く前に4人それぞれ四方へ散るが、アズライトは左手から刃状の氷の塊を生み出し、前方へ弧を描くように振るった。
「…っ!!」
咄嗟に装具で防いだものの、至近距離から無数に放たれたその全てを回避することは出来ず、かすめた箇所に一瞬の氷気を感じ、ついで焼けるような痛みが襲う。
動揺が走る中、アズライトは先ほどと同じく陽へ狙いを定め、距離を詰める。
「っ!! っく…!!」
振るわれる重い連撃を細剣『閃光』でなんとか防ぐが、反動がすさまじく、装具がぶつかる度にサルファーの身体が大きく後退していく。
防戦一方になる彼へ、アズライトの氷気が膨れ上がったところでオニキスとエピドートが介入し、彼らの背後に逃れたサルファーは戦線から高速で離れていく。
「無理っ! タイマンは無理!!」
遠くから届く悲鳴を聞きながら、残った3人は距離を置きつつ、アズライトを牽制するように対峙した。
「…ほー…こりゃ思ったよりやべぇかもしれねぇな」
「『氷柱』はあの重量級のうえに、物理よりも属性攻撃向きなんだ。加えて『凍氷』はほぼ全属性得意だし…隙が無いと言っていい。どこまで有効かわからないけど、防御壁を使いながら相手するしかないかも…」
そう言葉を交わす最中にも、アズライトは攻撃の手を緩めず、今度は防御姿勢に入るエピドートへ狙いを定める。
エピドートへ向けて振り被られた大剣を、寸でで間に入った烈が太刀の装具『紅蓮』で受け止める。刃が合わさると、やはり刀身がみるみると凍てついていく。
「っ…やめろ! アズライト!!」
しかしロードナイトは腕力で押し返し、紅蓮をかき消すと後発属性『灼熱』へ切り替え、『氷柱』の腹へ拳を見舞った。
ひび割れるような亀裂音が響き、異変を察知したアズライトはすぐさま大剣を拳から離し、距離を置く。
「…!?」
自らの繰り出した挙動へ表情を凍らせるロードナイトを、アズライトは鋭く睨み据えていた。
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