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本編
第12話_封じられた眼-10
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髙城邸へたどり着いた烈は、敷地内に停めさせてもらうため、バイクを引きずって車庫に入れる。
ヘルメットを脱ぎ玄関へ向かいながら、ボディバッグの中に収めている鍵を取り出した。
「…寝てっかなー、あいつ…」
いつ訪ねに来てもいいけれど起きているかわからないからと、蒼矢から玄関のスペアキーを手渡されていた。
自分と蒼矢にしろ葉月と影斗にしろ、充分信頼ある関係とはいえセキュリティがガバガバ過ぎるそれぞれの相関に、少し笑えてきた烈はひとり噴き出す。
「裸のままじゃいけねぇな、一応キーホルダーかなんか付けてやらねぇと…」
渡された時のままの鍵を見つめながら、そうひとり口端を緩める烈だったが、ふと視界の端に違和感を覚えた。
「…?」
一瞬だけ感じたかすかな非日常に、烈は辺りを見回す。
すると、家の外壁と塀の間に、そこにあるはずのない物を見つけ、全身を凍らせた。
「……!?」
地面には、トップに深い青の鉱石がはまった銀鎖のペンダントが落ちていた。
反射的に身体が動き、ペンダント――蒼矢の『起動装置』を拾うと、髙城邸真上を見上げる。
家屋3階部分の玄関側に面したところには、蒼矢の部屋に通じる窓があった。
髙城家の玄関は、小学校まで一緒だった2人が登校する待ち合わせ場所で、決まって時間ギリギリに家を出る烈が髙城邸を目指して全力疾走する、そして彼が家の玄関へ慌ただしくたどり着く様子を蒼矢が自室の窓から観察する、というのが毎日の習慣になっていた。
そんな思い出の場所である窓は、この寒空に半分ほど不自然に開けられていた。
烈は蒼矢のペンダントを握りしめ、立ちあがってすぐさま玄関へと走り寄り開錠する。
土間に入ると、廊下一帯に間接照明が灯り視界を助けたが、烈は仄暗い邸内には目もくれず、靴を脱ぎ捨て無我夢中で階段を駆けあがっていく。
…頼む…っ、居てくれ……!!
ヘルメットを脱ぎ玄関へ向かいながら、ボディバッグの中に収めている鍵を取り出した。
「…寝てっかなー、あいつ…」
いつ訪ねに来てもいいけれど起きているかわからないからと、蒼矢から玄関のスペアキーを手渡されていた。
自分と蒼矢にしろ葉月と影斗にしろ、充分信頼ある関係とはいえセキュリティがガバガバ過ぎるそれぞれの相関に、少し笑えてきた烈はひとり噴き出す。
「裸のままじゃいけねぇな、一応キーホルダーかなんか付けてやらねぇと…」
渡された時のままの鍵を見つめながら、そうひとり口端を緩める烈だったが、ふと視界の端に違和感を覚えた。
「…?」
一瞬だけ感じたかすかな非日常に、烈は辺りを見回す。
すると、家の外壁と塀の間に、そこにあるはずのない物を見つけ、全身を凍らせた。
「……!?」
地面には、トップに深い青の鉱石がはまった銀鎖のペンダントが落ちていた。
反射的に身体が動き、ペンダント――蒼矢の『起動装置』を拾うと、髙城邸真上を見上げる。
家屋3階部分の玄関側に面したところには、蒼矢の部屋に通じる窓があった。
髙城家の玄関は、小学校まで一緒だった2人が登校する待ち合わせ場所で、決まって時間ギリギリに家を出る烈が髙城邸を目指して全力疾走する、そして彼が家の玄関へ慌ただしくたどり着く様子を蒼矢が自室の窓から観察する、というのが毎日の習慣になっていた。
そんな思い出の場所である窓は、この寒空に半分ほど不自然に開けられていた。
烈は蒼矢のペンダントを握りしめ、立ちあがってすぐさま玄関へと走り寄り開錠する。
土間に入ると、廊下一帯に間接照明が灯り視界を助けたが、烈は仄暗い邸内には目もくれず、靴を脱ぎ捨て無我夢中で階段を駆けあがっていく。
…頼む…っ、居てくれ……!!
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