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本編
第12話_封じられた眼-1
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楠神社が惨劇に見舞われた翌日。
蒼矢は自宅の自室のベッドで休んでいた。
週が明けた平日で、家には蒼矢しかいなかった。
父・静矢からは、地方出張で数日留守にする予定と前もって聞いていて、朝起きて気付いた時には、玄関前に用意されていたスーツケースがなくなっていたので、おそらく昨晩未明に帰宅しすぐに出ていったのだろうと察せられた。
前日の『転異空間』での戦闘で、消耗の激しい後発属性を酷使し、また侵略者[浬]から相当な痛手を負ってもいた蒼矢は、一夜明けてもまだ疲弊と身体中の痛みが残り、歩くことさえも苦慮するほどだった。
当然今日は大学の講義が朝から入っていたが、さすがに一日身体を休めることにし、大学の友人へ連絡してレジュメのメール転送、講義・実験内容の簡単なとりまとめなどを依頼した。
節々の痛みをこらえつつリビングで遅い朝食をとり、蒼矢は再び自室へゆっくりと戻る。
烈からは昨夜と今日さきほど、前日に起きたこと――大怪我を負った葉月が参拝者に発見され救急車で病院へ運ばれたこと、同じく入院していた苡月が意識を取り戻したことが、経過を追いつつ何度かに分けて連絡が入った。
そして影斗からは、楠瀬邸で起きた一連の騒動について、陽から伝え聞いた内容が報告された。
しかし、現地にいた陽が把握していたことはかなり限られていて、[異界のもの]に遭遇して葉月と離れ、しばらく『現実世界』で交戦したのちそのまま変身・『転異空間』へ入ったため、葉月側でなにが起きていたのかは知る由もなかった。
今朝改めて病院に行った烈は、検査入院中の苡月と少しだけ面会することができた。
苡月から聞きだせた話によると、昨日午後に仮眠しようと2階の自室へ入るまではなにも変わったことはなかったそうだが、その後のことは記憶に残っておらず、自室からどういう状況を経て駐車場まで移動しそこで気を失っていたのかは本人もわからない、とのことだった。
知られざる部分については葉月に託される形になってしまったが、彼とは今日も会えずじまいだった。
今朝方ICUを出たばかりで、容態は落ち着いているもののまだ部外者は面会が叶わず、このまま本人に変わりがなければ明日以降、親族の承諾およびつき添いありという条件付きで面会できる可能性があるとのことで、会えたらまた報告する、というところで情報収集は終わっていた。
蒼矢は、次の面会には是が非でも帯同できるようにと、今は回復に専念し、大人しくベッドに横になっていた。
蒼矢は自宅の自室のベッドで休んでいた。
週が明けた平日で、家には蒼矢しかいなかった。
父・静矢からは、地方出張で数日留守にする予定と前もって聞いていて、朝起きて気付いた時には、玄関前に用意されていたスーツケースがなくなっていたので、おそらく昨晩未明に帰宅しすぐに出ていったのだろうと察せられた。
前日の『転異空間』での戦闘で、消耗の激しい後発属性を酷使し、また侵略者[浬]から相当な痛手を負ってもいた蒼矢は、一夜明けてもまだ疲弊と身体中の痛みが残り、歩くことさえも苦慮するほどだった。
当然今日は大学の講義が朝から入っていたが、さすがに一日身体を休めることにし、大学の友人へ連絡してレジュメのメール転送、講義・実験内容の簡単なとりまとめなどを依頼した。
節々の痛みをこらえつつリビングで遅い朝食をとり、蒼矢は再び自室へゆっくりと戻る。
烈からは昨夜と今日さきほど、前日に起きたこと――大怪我を負った葉月が参拝者に発見され救急車で病院へ運ばれたこと、同じく入院していた苡月が意識を取り戻したことが、経過を追いつつ何度かに分けて連絡が入った。
そして影斗からは、楠瀬邸で起きた一連の騒動について、陽から伝え聞いた内容が報告された。
しかし、現地にいた陽が把握していたことはかなり限られていて、[異界のもの]に遭遇して葉月と離れ、しばらく『現実世界』で交戦したのちそのまま変身・『転異空間』へ入ったため、葉月側でなにが起きていたのかは知る由もなかった。
今朝改めて病院に行った烈は、検査入院中の苡月と少しだけ面会することができた。
苡月から聞きだせた話によると、昨日午後に仮眠しようと2階の自室へ入るまではなにも変わったことはなかったそうだが、その後のことは記憶に残っておらず、自室からどういう状況を経て駐車場まで移動しそこで気を失っていたのかは本人もわからない、とのことだった。
知られざる部分については葉月に託される形になってしまったが、彼とは今日も会えずじまいだった。
今朝方ICUを出たばかりで、容態は落ち着いているもののまだ部外者は面会が叶わず、このまま本人に変わりがなければ明日以降、親族の承諾およびつき添いありという条件付きで面会できる可能性があるとのことで、会えたらまた報告する、というところで情報収集は終わっていた。
蒼矢は、次の面会には是が非でも帯同できるようにと、今は回復に専念し、大人しくベッドに横になっていた。
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