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本編
第8話_二点同時戦闘-14
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[浬]は蒼矢を追い、氷塊に当たって跳ね返る痩躯を腕ひとつで受けとめ、首を掴んで氷塊へ押しつける。
「っんぅ…!」
「どうやら力が底を尽きたとみえるな。存外手こずらされたぞ、非力な生命体よ」
踵を浮かし、首を絞められながらももがくアズライトへ鼻を鳴らし、その手に握られる『氷柱』へふと目を落とす。
「…その得物を見ていると、かつての記憶が蘇って無性に気が昂る。我に呑まれて墜ち、姿を消した不出来と同じ末路を辿るといい」
[浬]は顔面を至近距離まで寄せ、憎悪をさらけ出した面様で耳元に囁くと、薄目を開くアズライトの顔に息を吹きかけた。
「…!?」
冷たい空気が藍色の眼を包み、視界が白む。
「…あああぁっ!!」
アズライトは一瞬思考と身体を固まらせた後、目を見開きながら絶叫をあげた。
首を解放された身体は地に崩れ落ち、膝を折って両手で目を覆う。
[浬]は、しゃがみ込み悶えるアズライトを見下ろし、口角をあげる。
「我の手を煩わせた汝の罪は重い。生命体としての最期、そして"『守護するもの』"としての最期をくれてやろう」
ついでそう言い捨て、三叉槍を持つ腕を高くあげ、その身体へふり降ろす。
「あ゛っ…!!」
回避動作をとれないままに直撃を受け、アズライトは弾かれ飛んでいく。
[浬]は宙へ弧を描く標的を巨体を揺らして猛追し、脚で地をひび割らせながら跳躍して追いつくと、更に追撃を与える。
「あう゛っ!!」
軌道を変えられたアズライトは斜め下方へ急速落下していき、氷塊に叩きつけられた。
「……ぅ…」
「…見てくれに反して、実にしぶとい奴よ…」
氷塊に身体をめり込ませながらも、かすかにうめくアズライトへ、[浬]は眉をあげて苛立ちを表出する。
そして身動きを取れず磔にされた身体へ三叉槍の穂先を向け、渾身の腕力で突く。
「…っ…!!」
「下等生物が、形も残らぬようにしてくれるわ…!」
[浬]の攻撃はとめどなくくり出され、突かれる度にアズライトの身体は埋もれていき、周りの氷片が弾け飛ぶ。
氷気で防御を固めているアズライトだったが、損傷は確実に蓄積されていく。
戦闘スーツは胸や腹を中心に千切れ飛び、赤痣にまみれていく。
身体の自由を奪われ、なすすべもないまま余すことなく攻撃を浴び続けるアズライトは、苦悶に満ちた面持ちから少しずつ強張りを失い、意識を遠のかせていく。
「っんぅ…!」
「どうやら力が底を尽きたとみえるな。存外手こずらされたぞ、非力な生命体よ」
踵を浮かし、首を絞められながらももがくアズライトへ鼻を鳴らし、その手に握られる『氷柱』へふと目を落とす。
「…その得物を見ていると、かつての記憶が蘇って無性に気が昂る。我に呑まれて墜ち、姿を消した不出来と同じ末路を辿るといい」
[浬]は顔面を至近距離まで寄せ、憎悪をさらけ出した面様で耳元に囁くと、薄目を開くアズライトの顔に息を吹きかけた。
「…!?」
冷たい空気が藍色の眼を包み、視界が白む。
「…あああぁっ!!」
アズライトは一瞬思考と身体を固まらせた後、目を見開きながら絶叫をあげた。
首を解放された身体は地に崩れ落ち、膝を折って両手で目を覆う。
[浬]は、しゃがみ込み悶えるアズライトを見下ろし、口角をあげる。
「我の手を煩わせた汝の罪は重い。生命体としての最期、そして"『守護するもの』"としての最期をくれてやろう」
ついでそう言い捨て、三叉槍を持つ腕を高くあげ、その身体へふり降ろす。
「あ゛っ…!!」
回避動作をとれないままに直撃を受け、アズライトは弾かれ飛んでいく。
[浬]は宙へ弧を描く標的を巨体を揺らして猛追し、脚で地をひび割らせながら跳躍して追いつくと、更に追撃を与える。
「あう゛っ!!」
軌道を変えられたアズライトは斜め下方へ急速落下していき、氷塊に叩きつけられた。
「……ぅ…」
「…見てくれに反して、実にしぶとい奴よ…」
氷塊に身体をめり込ませながらも、かすかにうめくアズライトへ、[浬]は眉をあげて苛立ちを表出する。
そして身動きを取れず磔にされた身体へ三叉槍の穂先を向け、渾身の腕力で突く。
「…っ…!!」
「下等生物が、形も残らぬようにしてくれるわ…!」
[浬]の攻撃はとめどなくくり出され、突かれる度にアズライトの身体は埋もれていき、周りの氷片が弾け飛ぶ。
氷気で防御を固めているアズライトだったが、損傷は確実に蓄積されていく。
戦闘スーツは胸や腹を中心に千切れ飛び、赤痣にまみれていく。
身体の自由を奪われ、なすすべもないまま余すことなく攻撃を浴び続けるアズライトは、苦悶に満ちた面持ちから少しずつ強張りを失い、意識を遠のかせていく。
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