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本編
第8話_二点同時戦闘-11
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戦闘が再開され、影斗と[浬]が衝突するなか、蒼矢は要所で介入しつつ、おのれの"眼"のみで『索敵』を試みる。
[浬]はアズライトの思惑に気付いたか、蹴散らそうと時おり彼へ攻撃をしかけるが、今度はオニキスに妨害され、攻撃対象を戻される。
そんな三者が入り乱れる攻防がしばらく続く。
「…っ! おのれ、鬱陶しい蚋共めが…!!」
段々とセイバーたちに主導権を握られ、彼らに踊らされる体になっていく[浬]は、見る間に顔貌に苛立ちを表出していき、冷静さを欠いていく。
悪態を吐く[浬]の感情の起伏と挙動の変化を見逃さなかったオニキスは、無駄の多い所作で振るわれる三叉槍を鉤爪で捕えてホールドし、逆の鉤爪を腹部へ薙ぐ。
「ぎゃ…!!」
醜い悲鳴と共に姿勢を崩した[浬]へ、オニキスは裂いた腹部を狙って蹴りを見舞う。
[浬]は後方へふっ飛ばされ、背後の氷塊に激突する。
巨体の衝撃を喰らい、氷塊は細かく砕け散る。
「無駄にタフネスな野郎だな」
氷塊を打ち砕いて転がりいくさまを見、想定したダメージを与えられなかったオニキスは舌打ちをする。
[浬]は氷片にまみれながらものそりと起きあがり、青い血の噴き出す腹部を押さえながら、いまいましげに黒いセイバーを睨む。
が、激昂に歪ませていた顔貌がふと真顔に戻っていく。
敵の動きが緩慢になったところを追撃をしかけるオニキスが、『暗虚』を構えて一気に詰める。
[浬]は三叉槍を再び造り、正面から迎え撃つ。
オニキスの挙動は迅く、得物がぶつかる度に爪先が[浬]の体躯表皮をかすめていく。
アズライトは『水面』で手数を支援しながらも、『索敵』による急所特定を試み続ける。
ふたりのセイバーによるとめどない連撃を受け続けて[浬]は防戦一方になっていき、巨躯をじりじりと後退し、やがてアズライトが造りあげた氷世界を越え、水面の広がる海域に到達する。
退き続けても押しも崩れもしない[侵略者]に、業を煮やしたオニキスは、アズライトへ脳内から指示を出す。
「こんなんじゃ埒あかねぇな、『毒』使うわ。効目のほどはわからねぇが、鈍くはなるだろ」
「! 了解です」
敵だけでなく味方へも影響を及ぼす『毒』属性での攻撃をオニキスから宣言され、アズライトはやや距離を開け、退避準備を整える。
[浬]はアズライトの思惑に気付いたか、蹴散らそうと時おり彼へ攻撃をしかけるが、今度はオニキスに妨害され、攻撃対象を戻される。
そんな三者が入り乱れる攻防がしばらく続く。
「…っ! おのれ、鬱陶しい蚋共めが…!!」
段々とセイバーたちに主導権を握られ、彼らに踊らされる体になっていく[浬]は、見る間に顔貌に苛立ちを表出していき、冷静さを欠いていく。
悪態を吐く[浬]の感情の起伏と挙動の変化を見逃さなかったオニキスは、無駄の多い所作で振るわれる三叉槍を鉤爪で捕えてホールドし、逆の鉤爪を腹部へ薙ぐ。
「ぎゃ…!!」
醜い悲鳴と共に姿勢を崩した[浬]へ、オニキスは裂いた腹部を狙って蹴りを見舞う。
[浬]は後方へふっ飛ばされ、背後の氷塊に激突する。
巨体の衝撃を喰らい、氷塊は細かく砕け散る。
「無駄にタフネスな野郎だな」
氷塊を打ち砕いて転がりいくさまを見、想定したダメージを与えられなかったオニキスは舌打ちをする。
[浬]は氷片にまみれながらものそりと起きあがり、青い血の噴き出す腹部を押さえながら、いまいましげに黒いセイバーを睨む。
が、激昂に歪ませていた顔貌がふと真顔に戻っていく。
敵の動きが緩慢になったところを追撃をしかけるオニキスが、『暗虚』を構えて一気に詰める。
[浬]は三叉槍を再び造り、正面から迎え撃つ。
オニキスの挙動は迅く、得物がぶつかる度に爪先が[浬]の体躯表皮をかすめていく。
アズライトは『水面』で手数を支援しながらも、『索敵』による急所特定を試み続ける。
ふたりのセイバーによるとめどない連撃を受け続けて[浬]は防戦一方になっていき、巨躯をじりじりと後退し、やがてアズライトが造りあげた氷世界を越え、水面の広がる海域に到達する。
退き続けても押しも崩れもしない[侵略者]に、業を煮やしたオニキスは、アズライトへ脳内から指示を出す。
「こんなんじゃ埒あかねぇな、『毒』使うわ。効目のほどはわからねぇが、鈍くはなるだろ」
「! 了解です」
敵だけでなく味方へも影響を及ぼす『毒』属性での攻撃をオニキスから宣言され、アズライトはやや距離を開け、退避準備を整える。
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