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本編
第8話_二点同時戦闘-4
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暗がりのなか、発光する体躯のお陰で[異形]ひとつひとつの位置は把握しやすくなったが、[彼ら]の高い機動性と瞬発力に、セイバー二人は劣勢を強いられていく。
リーチの短い細剣しかダメージソースがない陽は、発熱する体躯に肌を焼かれて徐々に後退させられ、光線による目くらましで烈を援護することしかできなくなる。
それすらも、怖ろしい速度で間合いを詰めてくる[異形]たちに妨害され、更に遠隔へ追いやられてしまう。
「なんもできねぇ…!」
サルファーが悔しげに歯噛みする目前で、ロードナイトは無数の黒い獣に集られながら、孤軍奮闘する。
ロードナイトもまた『紅蓮』は近接寄りで、投擲武器としても使えるものの、一度投げると投擲中にかき消えてしまい、再度呼び出すまでにタイムラグが生じる。
通常であれば、投擲する間は属性技を繰り出すなどして場を繋ぐが、今戦ではその常套手段は封じられているため、一度装具を手放すと手元ががら空きになる瞬間が訪れる。
これだけの多勢を相手に、なにも出来ずにいる場面が生じることは致命的で、『灼熱』属性へ切り替え防御壁を張ることも、同じ理由から困難を極める状況だった。
近・遠距離攻撃と防御を単体でこなす『ロードナイト』の最大の強みを全く活かせず、装具だけでひたすら切って捨てる、というしごく単調な戦闘ばかりが続く。
『転異空間』へ転送されて以降、[異形]は次第にその数を増やし、いつしか『現実世界』でサルファーである陽が対峙していた時点とは比にならないくらいの勢力に膨れあがっていた。
その一体一体の体高はロードナイトの膝ほどで、おおよその知能のレベルもフィジカルも『現実世界』の犬や狼などと同程度で、さほど脅威になる要素はないものの非常に獰猛で執着心が強く、ロードナイトへ際限なく襲いかかる。
本能的な"怖れ"が欠如しているのか、同胞が目の前で体躯を断たれても一切怯むことはなく、複数体めがけて一閃し退ける度に新手の追撃へとって代わり、雪崩のように押し寄せる。
「…っ…!!」
ロードナイトはふき出る汗を拭う暇さえも許されないまま、一心不乱に黒い群れの中心で太刀を繰り続ける。
リーチの短い細剣しかダメージソースがない陽は、発熱する体躯に肌を焼かれて徐々に後退させられ、光線による目くらましで烈を援護することしかできなくなる。
それすらも、怖ろしい速度で間合いを詰めてくる[異形]たちに妨害され、更に遠隔へ追いやられてしまう。
「なんもできねぇ…!」
サルファーが悔しげに歯噛みする目前で、ロードナイトは無数の黒い獣に集られながら、孤軍奮闘する。
ロードナイトもまた『紅蓮』は近接寄りで、投擲武器としても使えるものの、一度投げると投擲中にかき消えてしまい、再度呼び出すまでにタイムラグが生じる。
通常であれば、投擲する間は属性技を繰り出すなどして場を繋ぐが、今戦ではその常套手段は封じられているため、一度装具を手放すと手元ががら空きになる瞬間が訪れる。
これだけの多勢を相手に、なにも出来ずにいる場面が生じることは致命的で、『灼熱』属性へ切り替え防御壁を張ることも、同じ理由から困難を極める状況だった。
近・遠距離攻撃と防御を単体でこなす『ロードナイト』の最大の強みを全く活かせず、装具だけでひたすら切って捨てる、というしごく単調な戦闘ばかりが続く。
『転異空間』へ転送されて以降、[異形]は次第にその数を増やし、いつしか『現実世界』でサルファーである陽が対峙していた時点とは比にならないくらいの勢力に膨れあがっていた。
その一体一体の体高はロードナイトの膝ほどで、おおよその知能のレベルもフィジカルも『現実世界』の犬や狼などと同程度で、さほど脅威になる要素はないものの非常に獰猛で執着心が強く、ロードナイトへ際限なく襲いかかる。
本能的な"怖れ"が欠如しているのか、同胞が目の前で体躯を断たれても一切怯むことはなく、複数体めがけて一閃し退ける度に新手の追撃へとって代わり、雪崩のように押し寄せる。
「…っ…!!」
ロードナイトはふき出る汗を拭う暇さえも許されないまま、一心不乱に黒い群れの中心で太刀を繰り続ける。
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