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本編
第8話_二点同時戦闘-3
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烈は呼吸を整え、取り囲う[獣の異形]へ向かって一歩踏み出す。
それを皮切りに[獣]たちは一斉に飛びかかってくるが、ロードナイトは次いで瞬時に『灼熱』属性の防御壁を張る。
透明な防御壁はロードナイトと陽の周囲を覆い、全方位から襲う[獣]の攻撃を防ぐ。
防御壁に遮られた[獣]たちは高熱に焼かれ、体躯が壁に当たった部位から溶けていく。
ロードナイトは『炎』属性に切り替え、太刀の装具『紅蓮』を呼び出すと切先に炎を灯し、腕を横一文字に振るう。
『紅蓮』から放たれた炎は業火になって広がり、[獣の異形]へ燃え移る。
炎は黒い体毛へ瞬く間に走り、体躯が赤く燃えあがっていく。
今までの黒々しい視界から一帯が赤く染まっていく様を見、サルファーは感嘆の声を漏らす。
「…っすげー! あっという間に火だるまじゃん」
一気に攻勢かと息巻くサルファーだったが、当のロードナイトの面差しは固まり、みるみる強張っていく。
「…! …こいつら…!!」
体毛を燃えあがらせる[獣の異形]は、もだえ苦しむことはおろか、悲鳴をあげることさえもなく、四脚を地に踏みしめたまま攻撃姿勢を変えることはなかった。
体躯を焼き焦がすかに見えていた炎は少しずつ薄れ、かき消える代わりにその全身が赤く染まっていく。
その予想外な挙動に、ロードナイトはたじろぎ、サルファーも目を剥いた。
「…!? なんだ、なんであいつら倒れねぇんだ…!?」
「…多分『炎』を吸収された」
「は…!?」
「俺の属性は使えねぇ。直接攻撃に切り替える」
自身の属性である『炎』を封印されたロードナイトは舌打ちを漏らし、動揺するサルファーを置いて即座に防御壁を出ていく。
そして数多の[獣の異形]うごめく中へ飛び込んでいき、装具『紅蓮』による物理攻撃だけで対峙し始める。
先んじて動くロードナイトを見、サルファーも慌てて続くが、火炎攻撃を吸収して赤く発光する[異形]の体躯は表皮が高温になり、属性違いのサルファーはうかつに近寄れなくなってしまう。
「うぁっち!! ちょっと、こいつら炎浴びてパワーアップしちゃったんじゃねぇの!?」
「…防御力は高くなっちまったな」
「俺近接しか出来ないのに! どうしてくれんだよー!!」
「悪かったって!! …やっぱり、ろくに探り入れずに手ぇ出すもんじゃねぇな…」
「くそー、蒼兄のありがたみがちょくちょく身に染みるぜ…」
ふたりは、火の粉を飛び散らせる[獣の異形]に悪戦苦闘しながら、空間を飛び回る。
それを皮切りに[獣]たちは一斉に飛びかかってくるが、ロードナイトは次いで瞬時に『灼熱』属性の防御壁を張る。
透明な防御壁はロードナイトと陽の周囲を覆い、全方位から襲う[獣]の攻撃を防ぐ。
防御壁に遮られた[獣]たちは高熱に焼かれ、体躯が壁に当たった部位から溶けていく。
ロードナイトは『炎』属性に切り替え、太刀の装具『紅蓮』を呼び出すと切先に炎を灯し、腕を横一文字に振るう。
『紅蓮』から放たれた炎は業火になって広がり、[獣の異形]へ燃え移る。
炎は黒い体毛へ瞬く間に走り、体躯が赤く燃えあがっていく。
今までの黒々しい視界から一帯が赤く染まっていく様を見、サルファーは感嘆の声を漏らす。
「…っすげー! あっという間に火だるまじゃん」
一気に攻勢かと息巻くサルファーだったが、当のロードナイトの面差しは固まり、みるみる強張っていく。
「…! …こいつら…!!」
体毛を燃えあがらせる[獣の異形]は、もだえ苦しむことはおろか、悲鳴をあげることさえもなく、四脚を地に踏みしめたまま攻撃姿勢を変えることはなかった。
体躯を焼き焦がすかに見えていた炎は少しずつ薄れ、かき消える代わりにその全身が赤く染まっていく。
その予想外な挙動に、ロードナイトはたじろぎ、サルファーも目を剥いた。
「…!? なんだ、なんであいつら倒れねぇんだ…!?」
「…多分『炎』を吸収された」
「は…!?」
「俺の属性は使えねぇ。直接攻撃に切り替える」
自身の属性である『炎』を封印されたロードナイトは舌打ちを漏らし、動揺するサルファーを置いて即座に防御壁を出ていく。
そして数多の[獣の異形]うごめく中へ飛び込んでいき、装具『紅蓮』による物理攻撃だけで対峙し始める。
先んじて動くロードナイトを見、サルファーも慌てて続くが、火炎攻撃を吸収して赤く発光する[異形]の体躯は表皮が高温になり、属性違いのサルファーはうかつに近寄れなくなってしまう。
「うぁっち!! ちょっと、こいつら炎浴びてパワーアップしちゃったんじゃねぇの!?」
「…防御力は高くなっちまったな」
「俺近接しか出来ないのに! どうしてくれんだよー!!」
「悪かったって!! …やっぱり、ろくに探り入れずに手ぇ出すもんじゃねぇな…」
「くそー、蒼兄のありがたみがちょくちょく身に染みるぜ…」
ふたりは、火の粉を飛び散らせる[獣の異形]に悪戦苦闘しながら、空間を飛び回る。
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