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本編
第7話_神域を侵す禍(わざわい)-2
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「――蒼兄、これからケーキ受け取りに行くって」
「了解」
陽は、SNSへ届いた蒼矢からの文面を読みあげ、ひと通りの用意を終えた葉月がそれへ応えながら居間に戻る。
「どんなケーキだろなぁ…注文先は影兄セレクトだって話だけど」
「あぁ、そうなんだ。確かに影斗なら、美味しいお店知ってそうだね」
「情報通だからなー。楽しみ! 烈も早めに配達終わりそうだってさ」
「それはよかった。この分だと、二人同時くらいにこっちに着きそうかな」
「ごちそうの準備はできた?」
「うん、おおむね。栞奈が今買い足しに行ってくれてるのを仕込んだら終わりだよ」
誕生パーティーの待機組は一旦休憩に入り、居間でまったりする。
「…いよいよ15かぁ、苡月も」
そう話をふる陽に、葉月は静かに頷いた。
「本当に奇跡みたいな巡り合わせだよね…あの子の誕生日に、こうしてみんなに祝福して貰えるなんて。僕も幸せに思うよ」
「月兄は誕生日もう少し先だな! 月末だったよな?」
「うん。またひとつ歳とっちゃう…祝ってもらえるのは嬉しいけど、本音は結構憂鬱なんだよね…」
そう会話を交わし、ふたりはおかしそうに笑い合う。
直後、双方の耳に、ごく近くでなにかが割れるような音がした。
その硬い破砕音がした方へ、ふたりは同時に首を動かす。
「…なんだ? 中庭の方か?」
そう陽がつぶやく傍らで、葉月が素早く立ちあがり、廊下へと続くふすまを開ける。
みるみる顔色を変え、緊迫の面差しになっていく彼の顔を見、陽も素早く立ちあがってあとを追う。
葉月が思い当たる音の出どころは、陽が言うとおり中庭の、木々の植わる植木鉢や陶器製のプランターだった。
それらは基本野ざらしではあるものの、そうやすやすと割れるものではない。
なにか外的な打撃か圧力が加わらない限り、破損する機会など無いに等しい。
つまり、そういう対象が敷地内に入ったおそれがある、ということである。
「了解」
陽は、SNSへ届いた蒼矢からの文面を読みあげ、ひと通りの用意を終えた葉月がそれへ応えながら居間に戻る。
「どんなケーキだろなぁ…注文先は影兄セレクトだって話だけど」
「あぁ、そうなんだ。確かに影斗なら、美味しいお店知ってそうだね」
「情報通だからなー。楽しみ! 烈も早めに配達終わりそうだってさ」
「それはよかった。この分だと、二人同時くらいにこっちに着きそうかな」
「ごちそうの準備はできた?」
「うん、おおむね。栞奈が今買い足しに行ってくれてるのを仕込んだら終わりだよ」
誕生パーティーの待機組は一旦休憩に入り、居間でまったりする。
「…いよいよ15かぁ、苡月も」
そう話をふる陽に、葉月は静かに頷いた。
「本当に奇跡みたいな巡り合わせだよね…あの子の誕生日に、こうしてみんなに祝福して貰えるなんて。僕も幸せに思うよ」
「月兄は誕生日もう少し先だな! 月末だったよな?」
「うん。またひとつ歳とっちゃう…祝ってもらえるのは嬉しいけど、本音は結構憂鬱なんだよね…」
そう会話を交わし、ふたりはおかしそうに笑い合う。
直後、双方の耳に、ごく近くでなにかが割れるような音がした。
その硬い破砕音がした方へ、ふたりは同時に首を動かす。
「…なんだ? 中庭の方か?」
そう陽がつぶやく傍らで、葉月が素早く立ちあがり、廊下へと続くふすまを開ける。
みるみる顔色を変え、緊迫の面差しになっていく彼の顔を見、陽も素早く立ちあがってあとを追う。
葉月が思い当たる音の出どころは、陽が言うとおり中庭の、木々の植わる植木鉢や陶器製のプランターだった。
それらは基本野ざらしではあるものの、そうやすやすと割れるものではない。
なにか外的な打撃か圧力が加わらない限り、破損する機会など無いに等しい。
つまり、そういう対象が敷地内に入ったおそれがある、ということである。
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