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本編
第6話_それぞれがいるべき場所-9
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「移住は各方面に調整頂くことになるから、それだけの思いがあって決断して欲しい…それは僕の本心。でも…さっき栞奈には伝えなかったけど、僕はあの子には、両親のそばにいて欲しいとも思ってるんだ。まだ成人前だっていうのに、子どもたち全員と別居になったら、きっと寂しがるからね」
「まぁ、3人もいるのにみんな出てっちまったら、親としちゃ切ねぇな…」
「今の栞奈は、こちらの生活を恋しく思ってるかもしれないけど、このまま実家にいた方が、辛さや苦労を感じずに暮らせることは間違いない。…じきにそのことに気付いてくれるといいんだけど」
そう締めると、葉月は集め終えた陽のゴミ袋を引き取った。
「…もちろん君の言うとおり、同居人は少ない方があらゆる面で安全、ということもあるよ」
「うん。…どんな理由にしろ、栞奈は今のまま実家にいてもらった方がいいってことだな」
陽は同調し、静かに頷いた。
多弁な彼がさほど語らない様子を見、葉月は陽の顔をうかがった。
「陽は、栞奈がここに居た方が嬉しい?」
そう問われた陽は、ふいなことにわずかに頬を染める。
しかしすぐに首を横に振り、葉月をまっすぐ見返した。
「…いや、いない方が助かる。嬉しいかどうかと、いざって時に護れるかどうかって話は別だしな。悔しいけど今の俺じゃ、あいつの身の安全の役にたてる気がしねぇ。すっぱり諦める」
「…!」
「どこかにいるんなら、近かろうが離れてようが変わらねぇしな。ありがたいことにチャットだってWEB通話だって、いくらでもツールあるんだし」
予想だにしていなかった返答に、葉月は目を見張る。
「…でも会えな過ぎて我慢ならなくなったら、俺から会いに行く。…そん時は連れてってくれよな、月兄!」
陽はそう、うんうんと頷きながら自分へ言い聞かせると、葉月を見てにかっと笑った。
「まぁ、3人もいるのにみんな出てっちまったら、親としちゃ切ねぇな…」
「今の栞奈は、こちらの生活を恋しく思ってるかもしれないけど、このまま実家にいた方が、辛さや苦労を感じずに暮らせることは間違いない。…じきにそのことに気付いてくれるといいんだけど」
そう締めると、葉月は集め終えた陽のゴミ袋を引き取った。
「…もちろん君の言うとおり、同居人は少ない方があらゆる面で安全、ということもあるよ」
「うん。…どんな理由にしろ、栞奈は今のまま実家にいてもらった方がいいってことだな」
陽は同調し、静かに頷いた。
多弁な彼がさほど語らない様子を見、葉月は陽の顔をうかがった。
「陽は、栞奈がここに居た方が嬉しい?」
そう問われた陽は、ふいなことにわずかに頬を染める。
しかしすぐに首を横に振り、葉月をまっすぐ見返した。
「…いや、いない方が助かる。嬉しいかどうかと、いざって時に護れるかどうかって話は別だしな。悔しいけど今の俺じゃ、あいつの身の安全の役にたてる気がしねぇ。すっぱり諦める」
「…!」
「どこかにいるんなら、近かろうが離れてようが変わらねぇしな。ありがたいことにチャットだってWEB通話だって、いくらでもツールあるんだし」
予想だにしていなかった返答に、葉月は目を見張る。
「…でも会えな過ぎて我慢ならなくなったら、俺から会いに行く。…そん時は連れてってくれよな、月兄!」
陽はそう、うんうんと頷きながら自分へ言い聞かせると、葉月を見てにかっと笑った。
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