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本編
第6話_それぞれがいるべき場所-6
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未解決のままだった栞奈・苡月姉弟の仲が無事和解すると、一同はささやかなおやつ休憩をはさんでから、準備を再開した。
陽と苡月は飾りつけの仕上げと誕生日会で使う器やカトラリーの準備を手分けして進め、栞奈は台所に入って葉月の調理補助につく。
根菜を飾り切りしながら、葉月は栞奈へ微笑む。
「ありがとうね、栞奈。来てくれて嬉しいよ」
「当たり前でしょ、ふたりの誕生パーティーなんだから。家族みんなからのプレゼント、持ってくるの大変だったのよ」
「ええ、プレゼントもあるの? 嬉しいな…栞奈からもあるの?」
「もちろん。まだ秘密だけどね」
「なんだろう、楽しみ。…それから、苡月のこともありがとう。僕が言えないことを言ってくれて」
鶏肉に下味をつけていた栞奈の手が止まる。
「栞奈にとっても、口にしたくないだろうことを言わせてしまったね。でもきっと、僕からより栞奈から言われた方が、苡月の心には響くと思ったんだ。…あの子の中でおざなりにしたままじゃ、心のどこかでずっと残ってしまうから」
「…お兄ちゃんじゃ、優し過ぎるもんね」
栞奈はぽつりとそう返し、顔をのぞき込んでいた葉月は困った風に微笑った。
そして、うつむく彼女へ穏やかに続ける。
「…僕がいない分、栞奈はきっと苦労が多くなってしまってたと思う。苡月のことも含めて、上のきょうだいとして負担がかかることも、遠慮することもあっただろう」
「…」
「いつも大事な時に、そばにいてあげられなくてごめんね。その代わりこれからは、苡月のことは僕が引き受けるから。…栞奈には、母さんたちの家で少しでも羽を伸ばして過ごして欲しい。もちろん、こっちの家にもいつでも遊びに来てくれていいからね」
「…お兄ちゃん」
そう声がけしてくる葉月へ、栞奈はふと言葉をかぶせる。
「私も、こっちの家に帰って来ちゃだめ…?」
栞奈はキッチン台へ落としていた視線をあげ、葉月を見つめた。
陽と苡月は飾りつけの仕上げと誕生日会で使う器やカトラリーの準備を手分けして進め、栞奈は台所に入って葉月の調理補助につく。
根菜を飾り切りしながら、葉月は栞奈へ微笑む。
「ありがとうね、栞奈。来てくれて嬉しいよ」
「当たり前でしょ、ふたりの誕生パーティーなんだから。家族みんなからのプレゼント、持ってくるの大変だったのよ」
「ええ、プレゼントもあるの? 嬉しいな…栞奈からもあるの?」
「もちろん。まだ秘密だけどね」
「なんだろう、楽しみ。…それから、苡月のこともありがとう。僕が言えないことを言ってくれて」
鶏肉に下味をつけていた栞奈の手が止まる。
「栞奈にとっても、口にしたくないだろうことを言わせてしまったね。でもきっと、僕からより栞奈から言われた方が、苡月の心には響くと思ったんだ。…あの子の中でおざなりにしたままじゃ、心のどこかでずっと残ってしまうから」
「…お兄ちゃんじゃ、優し過ぎるもんね」
栞奈はぽつりとそう返し、顔をのぞき込んでいた葉月は困った風に微笑った。
そして、うつむく彼女へ穏やかに続ける。
「…僕がいない分、栞奈はきっと苦労が多くなってしまってたと思う。苡月のことも含めて、上のきょうだいとして負担がかかることも、遠慮することもあっただろう」
「…」
「いつも大事な時に、そばにいてあげられなくてごめんね。その代わりこれからは、苡月のことは僕が引き受けるから。…栞奈には、母さんたちの家で少しでも羽を伸ばして過ごして欲しい。もちろん、こっちの家にもいつでも遊びに来てくれていいからね」
「…お兄ちゃん」
そう声がけしてくる葉月へ、栞奈はふと言葉をかぶせる。
「私も、こっちの家に帰って来ちゃだめ…?」
栞奈はキッチン台へ落としていた視線をあげ、葉月を見つめた。
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