ガイアセイバーズ９ -萌える若葉を摘む獣-

独楽　悠

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本編

第2話_答え合わせ_3

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青年のほうも、少し離れたところにいたふたりに思い当たるところがあったのかすぐに気付き、軽く会釈した。

「えっと、前会ったことありますよね！　いつぞやはどうも」
「！　ああうん、お久し振り。…たぶん俺たち君と同い年だと思うから、タメ語でいいよ」
「ああ、そういやそうか！　蒼矢ソウヤの同級生だもんな。俺、蒼矢の幼馴染で花房烈ハナブサレツって言います」

青年・烈からの自己紹介を受け、川崎カワサキと沖本オキモトも軽く苗字だけを伝えた。

「…入学式以来、かな？　また会うのは」
「そうかも。今までも何度か大学ここには来てるんだけどな～」
「あの時と変わらず、髙城タカシロと仲良いんだね」
「まぁ、付き合い長いからな！　俺も、あんたらがあん時から変わらず蒼矢の友達ダチでいてくれて嬉しい」

烈はふたりへ向け、ニカッと明るく笑った。
彼らが言葉を交わし合う間、蒼矢は少し自分の出方を迷った風に双方へ視線を送っていたが、それにいち早く気付いた川崎が、手早く会話を切る。

「このあと用があるんだったよね？　引きとめてしまってごめん」
「…！　ああ、うん」
「今度ゆっくり話そうぜ！　大学での蒼矢のこと聞かせてくれよ」
「いいよ、そういうのは…」
「えーっ、知りたいじゃん、俺が知らねぇお前のこと」

烈と蒼矢の、どこか割り入れない親密なやりとりを見、沖本は苦笑しながら手を振る。

「…はよ行けって。なんか急いでんだろ？」
「！　あ、うん」
「じゃ、またな～」

そう言うと、烈は蒼矢へヘルメットを渡し、バイクへ乗り込む。
そして川崎と沖本が見送るなか、エンジン音を響かせ、大学敷地外へと走り去っていった。

「…」

残されたふたりはしばらく正門の外を見つめ、ついでやや深い息をついた。

「…まぁ、想定内だった」
「…だなー、候補結構限られてたしな。…あんまり驚かんかったわ」

少しだけ覇気をなくす彼らだったが、すぐに視線をあげた。

「でも、どっかで安心した自分がいるんだよなぁ…他の誰でもなく、髙城が選んだのがあいつで良かった、って」
「そうだね。俺もそう思ってる」

そう言い合うと、再び息を吐き出した。

「…行くか、飯屋」
「おう。なんか急に腹減ってきた」
「俺も」

ちらりと顔を見合わせてくすりと笑った後、ふたりも歩き出し、正門から外界へと遠ざかっていった。

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