ガイアセイバーズ9 -萌える若葉を摘む獣-

独楽 悠

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本編

第2話_答え合わせ_2

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内で興奮したまま固まる彼らを尻目に、荷物をまとめ終えた蒼矢ソウヤはリュックを背負う。

「そういうわけだから…じゃ、これで」
「まっ…待て、待て、髙城タカシロ! 俺らも行くぞ!!」

そのまま背を向けようとする蒼矢を、沖本オキモトはやや声高にしながら呼びとめた。

「…え?」
「あっ! 一緒に予定についてくって意味じゃない。そのっ、正門まで見送ってやるってことだよ…!」

沖本が急ごしらえでのたまった主張に不可解な面持ちになる蒼矢だったが、やはり是が非でも見届けたい川崎カワサキが、隣からフォローを入れた。

「いやまぁ、俺たちも行く方向同じだから。そこまで一緒に行こうよ」
「! …うん」

一応の納得をした蒼矢が歩き始め、声がけ前に既に荷物をまとめていた川崎が続いていくなか、沖本は自分が座っていた席へ跳んで戻り、放ったらかしにしていたテキストや文具を、遅ればせながらざらざらとリュックの中へ落とし始めた。

「ちょ、待って! あと1分待って!!」



川崎と沖本はどこか落ち着かない様子で、蒼矢はそんな彼らの意図がわからず時折ふり返りながらと、3人はぎこちない空気感で大学正門へ向かう。

正門手前の駐車場が見えると、前を歩いていた蒼矢は早足で近付いていく。

「…!」

やや遅れて着いた川崎と沖本は、瞬間目を見張ってから、すぐに面差しを戻していく。

細かい玉砂利の駐車場には、薄暗い中にも赤いカラーリングの鮮やかさが際立つ大型バイクが停まっていて、傍にはやはり深い赤銅色のバイクジャケットとジーンズに身を包んだ、長身の青年が立っていた。

「わるい、待たせた」
「いんや。講義お疲れ」

青年の顔は、川崎と沖本の立つ角度からちょうど見え、その屈託がなく気さくな笑顔を目にしたふたりの中に、大学へ入学した当時の記憶が一気に呼び起こされていった。

入学式当日、とあるアクシデントをきっかけに蒼矢を地元の駅まで送り、そこから先の帰り道へ帯同するために、改札の外で待っていた彼。
今、駐車場で蒼矢を待っていた青年の表情は、ふたりの記憶の中にも深く残されていたあの時とは全く違うものだったが、内にある素直で飾り気のなさそうな印象は、変わらず彼らの心へ刺さってきた。
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