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本編
第1話_閉ざされた世界で-3
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「…!」
巨鳥を捉えていたアズライトの藍色の瞳が、一瞬大きく見開かれた。
「弱点は風切り羽、弱点属性は闇と氷です。[異形]の方は羽軸で、やはり闇です」
「へぇ、いいじゃねぇか。腕が鳴るぜ」
脳内に届くアズライトの声に、闇属性の遣い手であるオニキスは、愉しげにニヤリと笑う。
「とはいえ…俺は破壊向きだ、[デカ鳥]はお前に任せるわ。ロードはアズライトの援護しろ」
「了解です」
「! わかった」
オニキスからの指示に、短剣をかき消したアズライトは、代わって別の得物を身体の前に呼び出す。
彼の身長の2/3を超える巨大な剣が、冷え切った靄に包まれながら姿を現し、アズライトはその新たな武器の柄を両手で握ると、竜巻の外へと飛び出していく。
「――気をつけて」
竜巻を操る斧槍の遣い手・エピドートはそう一言短く伝えると、守る対象を失った暴風の壁を空気中に溶かし、ついで槍を宙へと振り上げた。
途端、空間一帯に光の柱が降り、耳をつんざく雷鳴が轟く。
周囲を稲妻が豪雨のように降り注ぐ中、アズライトは陣形の最奥から最前線へと一気に躍り出ていった。
上空で迎え撃つ巨大鳥の侵略者[迅目]へ、アズライトは得物である装具『氷柱』を、その大きく広げる羽の先端目がけて振り被る。
双方空中で衝突するが、[迅目]の鋼のように硬化した羽毛に切っ先がはね返され、アズライトが体勢を崩したところを[迅目]は[羽毛]の一枚一枚を本体から分離させ、鋭い刃のような攻撃を放つ。
「…っ!」
アズライトは咄嗟に大剣で防御するが、全ては防ぎきれずに身体を貫かれる。
目を剥いたアズライトは全身の氷気を増し、周囲の[羽毛]を一瞬で凍りつかせながら再び[迅目]へ向かっていく。
両者は二度激突し、出力の上がったアズライトから[侵略者]へと氷気が伝わり、体躯が凍りついていく。
が、氷気の及んでいない背面の[羽毛]がやはり硬化し、弧を描いてアズライトへと降り注ぐ。
霜が降り、次々に霧散しながらも数多が氷気を通過し、無防備な全身へと近距離から浴びせかけられた。
「っくぅ…!!」
巨鳥を捉えていたアズライトの藍色の瞳が、一瞬大きく見開かれた。
「弱点は風切り羽、弱点属性は闇と氷です。[異形]の方は羽軸で、やはり闇です」
「へぇ、いいじゃねぇか。腕が鳴るぜ」
脳内に届くアズライトの声に、闇属性の遣い手であるオニキスは、愉しげにニヤリと笑う。
「とはいえ…俺は破壊向きだ、[デカ鳥]はお前に任せるわ。ロードはアズライトの援護しろ」
「了解です」
「! わかった」
オニキスからの指示に、短剣をかき消したアズライトは、代わって別の得物を身体の前に呼び出す。
彼の身長の2/3を超える巨大な剣が、冷え切った靄に包まれながら姿を現し、アズライトはその新たな武器の柄を両手で握ると、竜巻の外へと飛び出していく。
「――気をつけて」
竜巻を操る斧槍の遣い手・エピドートはそう一言短く伝えると、守る対象を失った暴風の壁を空気中に溶かし、ついで槍を宙へと振り上げた。
途端、空間一帯に光の柱が降り、耳をつんざく雷鳴が轟く。
周囲を稲妻が豪雨のように降り注ぐ中、アズライトは陣形の最奥から最前線へと一気に躍り出ていった。
上空で迎え撃つ巨大鳥の侵略者[迅目]へ、アズライトは得物である装具『氷柱』を、その大きく広げる羽の先端目がけて振り被る。
双方空中で衝突するが、[迅目]の鋼のように硬化した羽毛に切っ先がはね返され、アズライトが体勢を崩したところを[迅目]は[羽毛]の一枚一枚を本体から分離させ、鋭い刃のような攻撃を放つ。
「…っ!」
アズライトは咄嗟に大剣で防御するが、全ては防ぎきれずに身体を貫かれる。
目を剥いたアズライトは全身の氷気を増し、周囲の[羽毛]を一瞬で凍りつかせながら再び[迅目]へ向かっていく。
両者は二度激突し、出力の上がったアズライトから[侵略者]へと氷気が伝わり、体躯が凍りついていく。
が、氷気の及んでいない背面の[羽毛]がやはり硬化し、弧を描いてアズライトへと降り注ぐ。
霜が降り、次々に霧散しながらも数多が氷気を通過し、無防備な全身へと近距離から浴びせかけられた。
「っくぅ…!!」
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