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第20話_未知なる力の解放-4
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心を決めたソウヤは、目を大きく見開く。
ソウヤの心臓である超小型原子炉が、更に出力を上げていく。
「…ああああぁっ!!」
気高く吼え、再び発光するソウヤの背に、白金に輝く小さな翼が生える。
異常なまでの高出力反応に『86M-VA』の動きが止まり、その目前でソウヤの白い体躯がぐにゃりと曲がる。
通常機械では不可能な速度で縦回転し、首を掴む『86M-VA』の手首から先をねじ切ると、ソウヤは硬直するその真上へ飛ぶ。
振り落とされた『86M-VA』の両手首が地に落ちる前に、その視線が上を向く前に、ソウヤは脚で頭を思い切り蹴飛ばした。
『86M-VA』の首が直角に折れ、首元からばつんと太い何かが弾け切れるような音が鳴る。
首の神経回路を切断され、思考領域から体躯への動作指令機能を失い、同時に頭部の思考領域と知覚機能が動力供給を失う。
妖しく灯っていた赤い眼が黒く淀み、両膝が地に付く。
膝を折った姿勢のまま、戦闘機『86M-VA』は完全停止した。
『86M-VA』の気配が感じられなくなり、外界の沈黙を認めると、ミヤジマ博士は素早くポッドから脱出する。
「ソウヤ!!」
ミヤジマ博士の声と足音に、事を終えて立ち尽くしていたソウヤが振り向く。
「……博士…」
呆けていたソウヤは、愛する人の姿を見、片目になってしまった藍色の瞳を輝かせ、頬を染める。
博士の抱擁を求めるように、残る片腕が駆け寄る彼へと差し伸ばされる。
しかし、腕は上がりきる前に力を失って垂れ、そのままぐらりと身体を揺らして崩れ落ちる。
博士はソウヤの頭が地にぶつかる前に滑り込んで受け止め、胸に抱きしめる。
ソウヤの意識は既に無く、目は薄く閉じられていた。
壊れに壊れたその華奢な痩躯を見、ミヤジマ博士は思わず目頭を熱くする。
「…駄目だな、ここで涙なんか流したら、こいつに申し訳たたねぇ」
そう言葉を漏らすと、博士は面差しを改め、静かに眠る彼を見つめる。
「…すまなかったな、大変な目に遭わせちまって。お前を生まれた姿のままに傍へ置いてやれなかった俺を、好きなだけ恨んでくれていいぞ」
そう小声で懺悔すると、ソウヤの身体を優しく包み込んだ。
「…よくやってくれた。改めて、お前は俺の至高だ」
腕の中のソウヤは、動かず静かに横たわっていたが、口元には僅かに笑みを浮かべているようだった。
ソウヤの心臓である超小型原子炉が、更に出力を上げていく。
「…ああああぁっ!!」
気高く吼え、再び発光するソウヤの背に、白金に輝く小さな翼が生える。
異常なまでの高出力反応に『86M-VA』の動きが止まり、その目前でソウヤの白い体躯がぐにゃりと曲がる。
通常機械では不可能な速度で縦回転し、首を掴む『86M-VA』の手首から先をねじ切ると、ソウヤは硬直するその真上へ飛ぶ。
振り落とされた『86M-VA』の両手首が地に落ちる前に、その視線が上を向く前に、ソウヤは脚で頭を思い切り蹴飛ばした。
『86M-VA』の首が直角に折れ、首元からばつんと太い何かが弾け切れるような音が鳴る。
首の神経回路を切断され、思考領域から体躯への動作指令機能を失い、同時に頭部の思考領域と知覚機能が動力供給を失う。
妖しく灯っていた赤い眼が黒く淀み、両膝が地に付く。
膝を折った姿勢のまま、戦闘機『86M-VA』は完全停止した。
『86M-VA』の気配が感じられなくなり、外界の沈黙を認めると、ミヤジマ博士は素早くポッドから脱出する。
「ソウヤ!!」
ミヤジマ博士の声と足音に、事を終えて立ち尽くしていたソウヤが振り向く。
「……博士…」
呆けていたソウヤは、愛する人の姿を見、片目になってしまった藍色の瞳を輝かせ、頬を染める。
博士の抱擁を求めるように、残る片腕が駆け寄る彼へと差し伸ばされる。
しかし、腕は上がりきる前に力を失って垂れ、そのままぐらりと身体を揺らして崩れ落ちる。
博士はソウヤの頭が地にぶつかる前に滑り込んで受け止め、胸に抱きしめる。
ソウヤの意識は既に無く、目は薄く閉じられていた。
壊れに壊れたその華奢な痩躯を見、ミヤジマ博士は思わず目頭を熱くする。
「…駄目だな、ここで涙なんか流したら、こいつに申し訳たたねぇ」
そう言葉を漏らすと、博士は面差しを改め、静かに眠る彼を見つめる。
「…すまなかったな、大変な目に遭わせちまって。お前を生まれた姿のままに傍へ置いてやれなかった俺を、好きなだけ恨んでくれていいぞ」
そう小声で懺悔すると、ソウヤの身体を優しく包み込んだ。
「…よくやってくれた。改めて、お前は俺の至高だ」
腕の中のソウヤは、動かず静かに横たわっていたが、口元には僅かに笑みを浮かべているようだった。
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