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第23話_嵐を乗り越えた先の光-4
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謁見の間では、ハヅキ国王陛下の帰還の議が執り行われた。
玉座に座る陛下の前に、正装に整えたイツキ王子殿下と彼の護衛機であるソウヤ、そして陛下付き護衛機のハナブサと、彼ら2機のアンドロイドの創造主であるミヤジマ博士とサンチェス博士が参列した。
そして彼らの後方には、王宮テロの後始末を取り仕切った国家防衛隊の統合幕僚長・トクラ氏も控えていた。
一同が揃うと、陛下は静かに面々を見渡す。
「此度、我が王宮を襲った未曽有の大事…皆よく尽力し、ここまで立て直してくれた。心から感謝する」
そう口火を切ると、陛下はまず、長かった黒髪を肩程に切り揃えたサンチェス博士へ言葉を掛けた。
「サンチェス殿、お怪我の具合はいかがか?」
「この通り、快癒しております。御厚情賜り、勿体無い限りでございます。小生などより…陛下の御身が確かに御快方に向かわれていること、誠に慶ばしく思っております」
サンチェス博士はそう述べ、陛下へ嬉しそうに微笑んだ。
陛下は彼女へ笑みを返し頷くと、続いて後方へ視線を向ける。
「護衛たちも、未知なる脅威へ立ち向かい、王宮や人間たちを守ってくれた。…よく生き残ってくれた。そして今回の事件の解決へ向けて調査し、情報を提供してくれたミヤジマ殿。また損害を被った王宮の修繕の間、昼夜問わず警備にあたってくれた国防隊の面々にも、改めて礼を言うよ」
続く陛下の言葉に、ソウヤとハナブサ、そしてミヤジマ博士とトクラ氏が頭を下げて応えた。
ハナブサは『86M-VA』との戦闘で、やはり少なからず損傷を被っていた。
ボディの前面全てがほぼ素体剥き出しになってしまい、面影も失せ見るも無残な有様と化していたが、動力や頭部、神経回路などは無傷で、見てくれほど重篤な状態ではなく、装甲と関節の一部の交換だけで済んでいた。
反面ソウヤは損傷が著しく、装甲の脱落の他パーツの欠損もあり、一時的に動力停止まで見られたほど重篤な状態だった。
しかしミヤジマ博士の手によるリミッター解除で、一時的に動力を回復して命を繋ぎ、その後一夜にして全ての損傷個所をリペアされるという、驚異的な復旧劇で元の姿に戻っていた。
調査書を読んだ陛下は、ミヤジマ博士の並外れた技術者としての手腕と、彼が極秘裏に研究開発していた新たなテクノロジーに、感嘆のため息しか漏らすことが出来なかった。
「改めて…素晴らしい技術力だ。優秀な人材は国の宝…ミヤジマ殿がヤマトに根差し、国を支えてくれることを幸せに思う」
「勿体無いお言葉です」
国家元首からの最上級の謝意にも、ミヤジマ博士は多くを述べることは無く、短い返答と軽い笑みを返すに留まった。
ミヤジマ博士にうんうんと頷くと、国王陛下は僅かに眉を寄せた。
「…王室教師の件は、誠に残念だった。私も長年傍に仕えていた彼のことを疑う余地は無く、全幅の信頼を置いていた。その結果、我が息子をはじめ、王宮に仕える多くの者たちの心に癒えぬ傷を残してしまった。…慢心の思いがあった、と反省している。…改めて、国と民に仕える者として心を律していかなければならないね」
玉座に座る陛下の前に、正装に整えたイツキ王子殿下と彼の護衛機であるソウヤ、そして陛下付き護衛機のハナブサと、彼ら2機のアンドロイドの創造主であるミヤジマ博士とサンチェス博士が参列した。
そして彼らの後方には、王宮テロの後始末を取り仕切った国家防衛隊の統合幕僚長・トクラ氏も控えていた。
一同が揃うと、陛下は静かに面々を見渡す。
「此度、我が王宮を襲った未曽有の大事…皆よく尽力し、ここまで立て直してくれた。心から感謝する」
そう口火を切ると、陛下はまず、長かった黒髪を肩程に切り揃えたサンチェス博士へ言葉を掛けた。
「サンチェス殿、お怪我の具合はいかがか?」
「この通り、快癒しております。御厚情賜り、勿体無い限りでございます。小生などより…陛下の御身が確かに御快方に向かわれていること、誠に慶ばしく思っております」
サンチェス博士はそう述べ、陛下へ嬉しそうに微笑んだ。
陛下は彼女へ笑みを返し頷くと、続いて後方へ視線を向ける。
「護衛たちも、未知なる脅威へ立ち向かい、王宮や人間たちを守ってくれた。…よく生き残ってくれた。そして今回の事件の解決へ向けて調査し、情報を提供してくれたミヤジマ殿。また損害を被った王宮の修繕の間、昼夜問わず警備にあたってくれた国防隊の面々にも、改めて礼を言うよ」
続く陛下の言葉に、ソウヤとハナブサ、そしてミヤジマ博士とトクラ氏が頭を下げて応えた。
ハナブサは『86M-VA』との戦闘で、やはり少なからず損傷を被っていた。
ボディの前面全てがほぼ素体剥き出しになってしまい、面影も失せ見るも無残な有様と化していたが、動力や頭部、神経回路などは無傷で、見てくれほど重篤な状態ではなく、装甲と関節の一部の交換だけで済んでいた。
反面ソウヤは損傷が著しく、装甲の脱落の他パーツの欠損もあり、一時的に動力停止まで見られたほど重篤な状態だった。
しかしミヤジマ博士の手によるリミッター解除で、一時的に動力を回復して命を繋ぎ、その後一夜にして全ての損傷個所をリペアされるという、驚異的な復旧劇で元の姿に戻っていた。
調査書を読んだ陛下は、ミヤジマ博士の並外れた技術者としての手腕と、彼が極秘裏に研究開発していた新たなテクノロジーに、感嘆のため息しか漏らすことが出来なかった。
「改めて…素晴らしい技術力だ。優秀な人材は国の宝…ミヤジマ殿がヤマトに根差し、国を支えてくれることを幸せに思う」
「勿体無いお言葉です」
国家元首からの最上級の謝意にも、ミヤジマ博士は多くを述べることは無く、短い返答と軽い笑みを返すに留まった。
ミヤジマ博士にうんうんと頷くと、国王陛下は僅かに眉を寄せた。
「…王室教師の件は、誠に残念だった。私も長年傍に仕えていた彼のことを疑う余地は無く、全幅の信頼を置いていた。その結果、我が息子をはじめ、王宮に仕える多くの者たちの心に癒えぬ傷を残してしまった。…慢心の思いがあった、と反省している。…改めて、国と民に仕える者として心を律していかなければならないね」
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