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第17話_秘めたる勇気-1(★)
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★年齢制限表現(流血)有り
【地上side②】
王族護衛機の創造主であるサンチェス博士とミヤジマ博士は、長年王家と昵懇にありながら裏ではその絶対的地位の崩壊を謀り、事前に入念な計画を練った上でテロを引き起こした王室教師・ユンの化けの皮を剥がし、何の言い逃れも出来ないところまで追いつめた。
真犯人が揺るぎないものになったところで我慢の限界か、ミヤジマ博士は苛立ちを表出させつつ、彼女へ声を投げる。
「カルラ、早いとここいつを縛っちまってくれよ。"地下"の様子が心配だ、こいつの『戦闘機』を今すぐにでも止めたい」
「焦らないで。…テロ実行被疑者・ユン。お前の生体認証を――」
「――何を話してるの…?」
と、成人した男性しかいないはずの空間に小さく響いた少年の声に、大広間にいた者が一斉に振り向く。
視線の先には、今しがた起きたのか目を擦り、たれ目に半分瞼を落としたイツキ王子の姿があった。
サンチェス博士の顔が、一気に青ざめる。
…どうしてこの場に…!!
…お目付け役は何をしている!!
安全のために侍従へ警護を任せてきたハナブサも、一瞬動きを止め、細い一重を全開する。
その場にいた全員が硬直した間隙に、ユンの袖からワイヤーが放たれる。
「!!」
一瞬の隙に、ユンは無防備に立つイツキ王子をワイヤーで絡め取る。
突然の出来事に目を見開き身体を凍らせる王子を片腕に押さえ、自身の前に立たせる。
「っ…!?」
「動くなよ。…こいつを生かしたければな」
近衛兵や国防隊員が武器を構えかける中、ユンはそう吼え、けん制する。
「ゆ…ユン先生…!? これ、は…、っくぅ…!」
「怪我したくなければ、黙っていろ」
ユンに首を軽く締められ、王子の顔が苦しげに歪む。
「全員武器を捨てろ!」
語気を強めるユンの指示に、兵たちは大人しく遠くへ武器を投げ捨て、両手を挙げる。
サンチェス博士はユンへ視線をやりながら、ハナブサへ手で合図を送る。
が、目ざとく気付いたユンは、懐から短銃を取り出し、サンチェス博士へ向けて発砲する。
放たれた弾丸は首をかすめ、豊かな黒髪と鮮血を飛び散らせる。
「動くな、と言ったぞ?」
「…」
「ついでに…この銃に込めた弾丸には、『戦闘機』に持たせる『アンチシールド』と同じ効果を持たせている。そこの護衛機に何かをさせようとしても無駄だ、一発でその巨体が昏倒するぞ」
そう知らしめると、ユンは銃をイツキ王子へ向ける。
弾丸の放たれた直後の銃口をこめかみに当てられ、王子の髪が焦がされ、千切れて床に零れる。
【地上side②】
王族護衛機の創造主であるサンチェス博士とミヤジマ博士は、長年王家と昵懇にありながら裏ではその絶対的地位の崩壊を謀り、事前に入念な計画を練った上でテロを引き起こした王室教師・ユンの化けの皮を剥がし、何の言い逃れも出来ないところまで追いつめた。
真犯人が揺るぎないものになったところで我慢の限界か、ミヤジマ博士は苛立ちを表出させつつ、彼女へ声を投げる。
「カルラ、早いとここいつを縛っちまってくれよ。"地下"の様子が心配だ、こいつの『戦闘機』を今すぐにでも止めたい」
「焦らないで。…テロ実行被疑者・ユン。お前の生体認証を――」
「――何を話してるの…?」
と、成人した男性しかいないはずの空間に小さく響いた少年の声に、大広間にいた者が一斉に振り向く。
視線の先には、今しがた起きたのか目を擦り、たれ目に半分瞼を落としたイツキ王子の姿があった。
サンチェス博士の顔が、一気に青ざめる。
…どうしてこの場に…!!
…お目付け役は何をしている!!
安全のために侍従へ警護を任せてきたハナブサも、一瞬動きを止め、細い一重を全開する。
その場にいた全員が硬直した間隙に、ユンの袖からワイヤーが放たれる。
「!!」
一瞬の隙に、ユンは無防備に立つイツキ王子をワイヤーで絡め取る。
突然の出来事に目を見開き身体を凍らせる王子を片腕に押さえ、自身の前に立たせる。
「っ…!?」
「動くなよ。…こいつを生かしたければな」
近衛兵や国防隊員が武器を構えかける中、ユンはそう吼え、けん制する。
「ゆ…ユン先生…!? これ、は…、っくぅ…!」
「怪我したくなければ、黙っていろ」
ユンに首を軽く締められ、王子の顔が苦しげに歪む。
「全員武器を捨てろ!」
語気を強めるユンの指示に、兵たちは大人しく遠くへ武器を投げ捨て、両手を挙げる。
サンチェス博士はユンへ視線をやりながら、ハナブサへ手で合図を送る。
が、目ざとく気付いたユンは、懐から短銃を取り出し、サンチェス博士へ向けて発砲する。
放たれた弾丸は首をかすめ、豊かな黒髪と鮮血を飛び散らせる。
「動くな、と言ったぞ?」
「…」
「ついでに…この銃に込めた弾丸には、『戦闘機』に持たせる『アンチシールド』と同じ効果を持たせている。そこの護衛機に何かをさせようとしても無駄だ、一発でその巨体が昏倒するぞ」
そう知らしめると、ユンは銃をイツキ王子へ向ける。
弾丸の放たれた直後の銃口をこめかみに当てられ、王子の髪が焦がされ、千切れて床に零れる。
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