70 / 112
第13話_王家を護る者たち-2
しおりを挟む
「…そうか…サンチェス博士に、そのようなご事情があったとは…」
出会って早々、面と向かって"男は嫌い"と言われ、王家護衛機としての力量が劣ることをこの身をもって知らしめられ、挙句には弁明の許されない容疑まで負わされた。
サンチェス博士と対面して得られるものはいつも、ソウヤにとって辛いものでしかなかった。
しかし、彼女が敬愛してやまない、ヤマト王国の元首にして絶対的な象徴である国王陛下を護る機体を提供する技術者だったとわかれば、厳しい私見の持ち主であることも至極道理に適っていると言えるかもしれない。
ソウヤの着任に否定的だったことも、国として決して失ってはならない国王陛下の一粒種・王子殿下を護る護衛機として、その力量を案じ、憂いてのことだったのだろう。
…サンチェス博士は、個人的な思いではなく、国を守るお立場として常にお考えだったんだ。
…ヤマト王国を、王家をとても大切にしていらっしゃるんだ…
……男嫌いな部分だけは、少し私怨が込められてそうだけど…
ソウヤは今更ながら、サンチェス博士の言動に隠された真意を知ったような気がした。
― 話を戻すぞ。此度のことが謀られたものと創造主がお気付きになった旨は、ハヅキ陛下へも秘密裏に上奏されている。俺が陛下の護衛任務を離れ、王宮へ派遣されたことも、お二人の合意と思惑が働いてのことだ ー
「そうだったんだな…」
ー 今の俺は、創造主、ひいては陛下のご指示の元動いていると思ってくれていい。お前には、敢えて詳細を明かさず留置所へ入って貰ったが、真犯人の狙いに従い動いている結果だ。悪く思うな ―
「了解した」
出会って早々、面と向かって"男は嫌い"と言われ、王家護衛機としての力量が劣ることをこの身をもって知らしめられ、挙句には弁明の許されない容疑まで負わされた。
サンチェス博士と対面して得られるものはいつも、ソウヤにとって辛いものでしかなかった。
しかし、彼女が敬愛してやまない、ヤマト王国の元首にして絶対的な象徴である国王陛下を護る機体を提供する技術者だったとわかれば、厳しい私見の持ち主であることも至極道理に適っていると言えるかもしれない。
ソウヤの着任に否定的だったことも、国として決して失ってはならない国王陛下の一粒種・王子殿下を護る護衛機として、その力量を案じ、憂いてのことだったのだろう。
…サンチェス博士は、個人的な思いではなく、国を守るお立場として常にお考えだったんだ。
…ヤマト王国を、王家をとても大切にしていらっしゃるんだ…
……男嫌いな部分だけは、少し私怨が込められてそうだけど…
ソウヤは今更ながら、サンチェス博士の言動に隠された真意を知ったような気がした。
― 話を戻すぞ。此度のことが謀られたものと創造主がお気付きになった旨は、ハヅキ陛下へも秘密裏に上奏されている。俺が陛下の護衛任務を離れ、王宮へ派遣されたことも、お二人の合意と思惑が働いてのことだ ー
「そうだったんだな…」
ー 今の俺は、創造主、ひいては陛下のご指示の元動いていると思ってくれていい。お前には、敢えて詳細を明かさず留置所へ入って貰ったが、真犯人の狙いに従い動いている結果だ。悪く思うな ―
「了解した」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる