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第6話_護衛機不適格-3
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「ここへ来る時も、王宮勤めの連中が暇潰しに、新しい王子殿下護衛機の噂話に花を咲かせてたわよ。…あなた、自分の何が問題でメンテ行きになったか解ってないでしょう」
「! …はい」
「元から護衛機を想定して作られたアンドロイドはね、あなたとはボディの造りが根本的に違うのよ」
ぽかんと口を半開くソウヤへ、サンチェス博士は淡々と続ける。
「確かに、あなたのボディ装甲は王族付き護衛機の条件を満たしてるけど、それは最低基準。通常機は、重量が重く装甲もより厚くて、文字通り護衛対象の壁役になる存在なの。移動は平面移動だけ、護衛対象の避難と安全が最優先。人を運ぶ時は背面装甲に備えたシェルターを展開して、銃弾・爆弾・毒ガス・放射線、あらゆる有害因子から確実に遮蔽した状態で運搬するわ」
「…!」
「自分用の防御壁を適当に張って護衛対象を手に持って、銃撃を浴びながら縦に逃げるような任務じゃないのよ。…自分がどれだけ殿下の御身を危険に晒したか、まるで自覚が無いわね」
ソウヤは何も弁明出来ず、黙ったまま粛々と受け止める。
サンチェス博士は、眼鏡の奥の淡いヘーゼルの瞳から、厳しい視線を注ぎ続けた。
「国王陛下がお怪我をなさったいきさつは、ミヤジマから聞いてるの?」
「いえ…あまり詳しくは」
「テロリストによる犯行――王宮のセキュリティがハッキングを受けた時に、王子殿下の護衛機が持ち場を離れて、メインシステムにアクセスしてブロックしようとしたの。殿下は、その隙に侵入した実働部隊の攻撃を受けた。…陛下はご自分で殿下を庇って被弾したのよ。…陛下の護衛機が動いた時には、もう遅かった」
「……!!」
目を見開いてこちらを凝視するソウヤを、サンチェス博士は感情を消した目で見返した。
「護衛対象の傍を離れることは、その人間を見殺しにする危険性を孕むということなの。…今あなたがここにいる間、王子殿下は誰がお守りするの?」
「それはっ…」
「もちろん、陛下の護衛機があなたが戻るまで兼務してるわ。彼も必死よ、みずからの不始末を挽回するためにね」
「…」
「殿下を自分の手元から離したまま、こんなところでぼんやり突っ立ってるあなたに、同じような気概はあるのかしらね」
「! …はい」
「元から護衛機を想定して作られたアンドロイドはね、あなたとはボディの造りが根本的に違うのよ」
ぽかんと口を半開くソウヤへ、サンチェス博士は淡々と続ける。
「確かに、あなたのボディ装甲は王族付き護衛機の条件を満たしてるけど、それは最低基準。通常機は、重量が重く装甲もより厚くて、文字通り護衛対象の壁役になる存在なの。移動は平面移動だけ、護衛対象の避難と安全が最優先。人を運ぶ時は背面装甲に備えたシェルターを展開して、銃弾・爆弾・毒ガス・放射線、あらゆる有害因子から確実に遮蔽した状態で運搬するわ」
「…!」
「自分用の防御壁を適当に張って護衛対象を手に持って、銃撃を浴びながら縦に逃げるような任務じゃないのよ。…自分がどれだけ殿下の御身を危険に晒したか、まるで自覚が無いわね」
ソウヤは何も弁明出来ず、黙ったまま粛々と受け止める。
サンチェス博士は、眼鏡の奥の淡いヘーゼルの瞳から、厳しい視線を注ぎ続けた。
「国王陛下がお怪我をなさったいきさつは、ミヤジマから聞いてるの?」
「いえ…あまり詳しくは」
「テロリストによる犯行――王宮のセキュリティがハッキングを受けた時に、王子殿下の護衛機が持ち場を離れて、メインシステムにアクセスしてブロックしようとしたの。殿下は、その隙に侵入した実働部隊の攻撃を受けた。…陛下はご自分で殿下を庇って被弾したのよ。…陛下の護衛機が動いた時には、もう遅かった」
「……!!」
目を見開いてこちらを凝視するソウヤを、サンチェス博士は感情を消した目で見返した。
「護衛対象の傍を離れることは、その人間を見殺しにする危険性を孕むということなの。…今あなたがここにいる間、王子殿下は誰がお守りするの?」
「それはっ…」
「もちろん、陛下の護衛機があなたが戻るまで兼務してるわ。彼も必死よ、みずからの不始末を挽回するためにね」
「…」
「殿下を自分の手元から離したまま、こんなところでぼんやり突っ立ってるあなたに、同じような気概はあるのかしらね」
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